【世界遺産】ラヴェンナの初期キリスト教建築物群とは?|美麗モザイク画と考古学ミステリ

【世界遺産】ラヴェンナの初期キリスト教建築物群とは?|美麗モザイク画と考古学ミステリ

イタリア・エミリア=ロマーニャ州ラヴェンナ県の東部に位置する、アドリア海に面した海港都市「ラヴェンナ」。ラヴェンナはボ口ーニャから69キロ、フィレンツェから105キロ、ヴェネツィアから114キロで高速道路も通っている比較的アクセスしやすい街なんですよ。

ここには世界遺産「ラヴェンナの初期キリスト教建築物群」があります。このキリスト教建築物群には、古代の西口ーマ、東ゴード王国や東口ーマ帝国時代の素晴らしい遺跡が残されています。精巧なモザイク画も数多く残されており、その美しさは息を呑むほど。そんな世界遺産「ラヴェンナの初期キリスト教建築物群」についてご紹介します。

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【世界遺産】ラヴェンナの初期キリスト教建築物群とは?|美麗モザイク画と考古学ミステリ

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ラヴェンナの初期キリスト教建築物群とは

Basilica of Sant'Apollinare

出典: Username.Ruge (CC BY-SA 4.0)

5世紀のはじめから6世紀の終わりにかけて建造された、初期キリスト教の聖堂や礼拝堂などの世界遺産「ラヴェンナの初期キリスト教建築物群」。ラヴェンナは古代口ーマ帝国が総督府を構え、イタリア統治時代の本拠地としていた都市でもあります。

今残るラヴェンナにあるキリスト教の建物群は西口ーマ帝国のガッラ・プラキディアや東口ーマ帝国のユスティニアヌス1世の時代の司教などによって建造されたものなんです。さらに750年までにラヴェンナの街には60箇以上の聖堂や礼拝堂が建設されています。この時代にキリスト教文化が庶民の間にも爆発的に広まったことが伺えますね。当時の美しいフレスコ画を現在も見ることができる、大変貴重な建築物群です。

ラヴェンナの初期キリスト教建築物群へのアクセス

ラヴェンナ

飛行機は日本からはミラノまでの直行便があります。列車ならボ口ーニャもしくはフェッラーラから、ラヴェンナまではおよそ2時間ほどで到着します。

県都だけあり、ラヴェンナは交通も大変便利な都市です。一番近い空港ではフォルリ空港、ボ口ーニャ空港がそれぞれ国際線と国内線がありますので旅行プランにあった空路や鉄道を利用してください。

ラヴェンナの初期キリスト教建築物群のおすすめ ①:サンタポリナーレ・ヌオヴォ聖堂

サンタポリナーレ・ヌオヴォ聖堂

サンタポリナーレ・ヌオヴォ聖堂は490年ごろに建造された、バシリカ様式のカトリック教会です。当時の支配者東ゴ-ド王国の王デオドリックが、宮廷の隣に設けました。

ラヴェンナにある教会の建物の中でも、この聖堂内の壁画はアリオス派の貴重な構築物として名が知られています。

サンタポリナーレ・ヌオヴォ聖堂

出典: Hiro-o (CC BY-SA 3.0)

聖堂内のモザイク画は高潮の被害に幾度か遭い、損傷を受けました。そのため16世紀には高所に展示されるようになり、現在も当初のままの優れたモザイク画が鑑賞できるようになっています。

ラヴェンナの初期キリスト教建築物群のおすすめ②:ガッラ・プラキディア廟堂

出典: honza28683 / shutterstock

発掘調査が進んでいないことから詳細不明のものも多い世界遺産、ラヴェンナの初期キリスト教建築物群。こちらの廟堂は9世紀のはじめには西ローマ皇帝コンスタンティウス3世の皇后である、ガッラ・プラキディアの石棺が埋葬されていたとされています。しかし当初から埋葬所として建造されたのか、もしくは他の目的で建造されたものを流用したのかは定かではありません。

ガッラ・プラキディア廟堂

出典: Hiro-o (CC BY-SA 3.0)

廟堂内部の天井部分のモザイク画は圧巻。キリストが十字架を手に羊たちに話しかける姿や、泉の水を飲む鹿たちのモザイク画が鮮やかな色で活き活きと描かれていますよ。

ラヴェンナの初期キリスト教建築物群のおすすめ③:サン・ヴィターレ聖堂

サン・ヴィターレ聖堂

サン・ヴィターレ聖堂はラヴェンナにある初期キリスト教建築物群の中の聖堂で、ビザンティン建築の代表的な教会。もともと小さな霊廟だったものを、決して著名な殉教者ではない聖ウィタリスという人物のためになぜか豪華に再建しています。資金提供したとされるユリアヌスという東方の銀行家についても正体不明で、この建築物も未だ解明されていない多くの謎をもったミステリアスな世界遺産です。

サン・ヴィターレ聖堂

出典: Hiro-o (CC BY-SA 3.0)

かつて内部は一面モザイク装飾で埋め尽くされていたとされていますが、残念ながらその多くは失われてしまってしまっています。しかし内陣部分には現在も当時のモザイクが残っており、建設当初の壮麗な姿を偲ばせます。ところどころに残されているモザイクから、当時の様子を想像してみませんか?

◎まとめ

ラヴェンナ

イタリアに数多くある世界遺産のなかでも発掘調査が進んでいないため数多くの謎を持っている「ラヴェンナの初期キリスト教建築物群」。当時を偲ばせるモザイク画の美しさなどを鑑賞するとともに、考古学者気分で謎解きに挑戦してみるのも楽しいですよ。

イタリアを訪れたのなら、ぜひ世界遺産「ラヴェンナの初期キリスト教建築物群」で考古学ミステリーを楽しんでくださいね。

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