名称:エトナ山
住所:カターニア、シチリア島
公式・関連サイトURL:http://visitaly.jp/unesco/monte-etna
シチリア島南部のエトナ山は地中海の島のなかでは最も高く、世界でも活発な火山の一つです。その姿は日本の富士山に似ており、富士山の左右の稜線をなだらかにして標高を少し低くしたような形。
しかしその火山活動歴は全く異なり(富士山はここ300年噴火していません)、エトナ山は超活発。標高は、2014年のGPS測定で一応3,329mとされていますが、活発な火山活動の為、標高が度々変わる程です。
似ているのはその美しい姿ばかりではありません。何とこのエトナ山、2013年に富士山と同時に世界遺産に登録されたのです。では、富士山とも縁の深いこの世界遺産、「エトナ山」の全貌をご紹介する事に致しましょう。
目次
【世界遺産】エトナ山とは?|イタリアの富士山は超活発!
世界遺産「エトナ山」とは?
ヨーロッパ最大の活火山である、世界遺産のエトナ山。その噴火の歴史は古く、およそ50万年前にまでに遡ると言われ、少なくとも2700年前の噴火活動が記録されています。
この噴火は継続的で今も続いており、年に数回から十数回の噴火が起こりますが、面白いのはその噴火の仕方。爆発的な噴火は無く、またマグマの流動性が高いため溶岩ドームもできないので、火砕流は発生しません。これはエトナ山が玄武岩質マグマを持つ火山だからとか。
そのため、地元の人は噴火が起きても大して危険を感じていません。その証拠に、エトナ山ではバスやロープウェーを乗り継ぎ、立入が許可されている標高2920mの噴火口区域まで行く事ができます。
さらに、地元ガイド同行であればその先にも行けますよ。間近で噴煙を上げる世界遺産を見られるとあって、このエトナ山は観光客にとても人気の場所。麓には、およそ一周100km余の周遊鉄道も走っており、雄大なエトナ山をのんびり眺める事も出来ます。
もう一つエトナ山で忘れてならないのが火山灰土。ミネラルを沢山含むので、エトナ山麓は大変肥沃、ワイン用葡萄やピスタチオ、オリーブ等の農作物にも恵まれています。
エトナ山へのアクセス
日本からシチリアへの直行便はなく乗り換えが必要です。
最もオーソドックスなアクセス法はアリタリア航空でローマかミラノを経由してカターニアに入るルート。この他にも、ルフトハンザやスイスエアー(いずれもチューリッヒ経由)、トルコ航空(イスタンブール経由)でカターニアまで行くことが出来ます。
カターニアから世界遺産「エトナ山」へは、まずバスかタクシーで1900m地点まで行きます。その先はロープウェイとジープでおよそ3000m付近まで。
エトナ山のおすすめポイント①:タオルミーナ
世界遺産エトナ山は、実際に登って、迫力ある火山の様子を観察する事も出来ますが、遠くからその美しい姿を眺めるのもまた一興。そんな場所として超おススメなのがタオルミーナの街です。
3000mを越える高さなのでエトナ山を眺めるスポットは数多くありますが、中でもここを選ぶ理由は「海と世界遺産のコラボ」が美しいから。
タオルミーナは海岸線に沿ったタウロ山の中腹、標高約200mにある町です。高台にある為、北にメッシーナ海峡、東にイオニア海、南に雄大なエトナ山とカターニアまでの海岸線が臨めます。
特に人気のエトナ山眺望スポットは、古代ローマ時代の遺跡、ギリシャ劇場からの眺め。天気が良ければ、観光案内でもよく見かける、遺跡を前にした青い海とエトナ山の絶景を楽しむことが出来ます。
この他にも、タオルミーナは風光明媚なビーチリゾートとして世界的にも知られる町。世界遺産エトナ山観光の絶好の拠点と言えるでしょう。
エトナ山のおすすめポイント②:カターニア
カターニアは、シチリア東部の海岸線に位置するカターニア県の県庁所在地で、パレルモに次ぐシチリア第2の都市。ここから眺めるエトナ山の眺望も素晴らしいのですが、実はこの街、別の世界遺産「ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々」にも含まれる8つの町の一つなのです。
カターニア国際空港がありエトナ山観光の玄関口とも言われるこの町は、17世紀のエトナ山の大噴火とその後の大地震で一旦潰滅してしまいます。しかし、18世紀に入り、この町は黒と白のモノトーンに装いを替えたバロック様式で見事再建される事に。
1990年代前半こそ、マフィア同士の抗争による治安の悪さでイタリア中にその名を馳せましたが、2002年に世界遺産に登録されると、歴史地区は見違えるようにきれいで治安のよい街に変わりました。
エトナ山観光の拠点でありながら世界遺産にも含まれるこの町、見応えのある歴史的建築物が盛りだくさんです!
◎まとめ
今も活発に噴火を続ける世界遺産「エトナ山」。間近に火山活動が見られるので、噴火が起こると観光客が増えるのだとか。
エトナ山は稜線がなだらかで、たとえ溶岩が流れ出してもそのスピードが遅いため、十分に対処する時間があるそうです。日本では考えられませんね!
そうは言っても、活発な火山であることは間違いないので、情報収集はしっかりすることを心がけて下さい。