【世界遺産】ヴィッラ・アドリアーナ|イタリア1の美しい廃墟!?

画像出典:Francesco Todaro/shutterstock

【世界遺産】ヴィッラ・アドリアーナ|イタリア1の美しい廃墟!?

イタリアの世界遺産は、50箇所以上あり世界でも有数の世界遺産保有国。首都ローマでは、ローマ歴史地区とヴァチカン市国が世界遺産に登録されています。ローマから北東に約31kmの街、ティヴォリの近くにあるのが、世界遺産「ヴィッラ・アドリアーナ(ティヴォリ)」で、1999年に登録されました。

ここは第14代ローマ皇帝ハドリアヌス帝の別荘であり、映画『テルマエロマエ』にも登場しているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。またティボリには噴水で有名な「ヴィッラデステ」があり、こちらも世界遺産です。イタリアが誇る世界遺産ヴィッラ・アドリアーナ(ティヴォリ)をご紹介します。

目次

【世界遺産】ヴィッラ・アドリアーナ|イタリア1の美しい廃墟!?

ヴィッラ・アドリアーナ (ティヴォリ)とは?

出典: Diego Fiore/shutterstock

1世紀から2世紀にかけてローマ帝国を統治していた皇帝5人は5賢帝と呼ばれ、ローマ帝国の最盛期でした。その5賢帝のうちの一人、ハドリアヌス帝が113年から138年にかけて建てた広大な別荘が、ヴィッラ・アドリアーナです。

ハドリアヌス帝は、在位中に多くのローマ属州を視察に出かけていたので、後に旅する皇帝とも呼ばれています。ハドリアヌス帝は、幼い頃からギリシャ文化に熱中し、ギリシャに留学もしていたことから、美術や建築にも精通していました。

視察で出かけたエジプトや、ギリシャのアテネの美しい建物や景観を再現したヴィッラアドリアーナを自ら設計。収集したギリシャ彫刻やモザイクを大量に使用し、まさにギリシャ趣味の集大成のような建物になりました。

ヴィッラ・アドリアーナ (ティヴォリ)へのアクセス

ローマのメトロB線のPonte Mammolo(ポンテ・マンモーロ)駅から出ている、COTRALバスのティボリ行き乗車で約50分で到着します。時間帯によっては、約10分間隔で頻発しているので便利ですよ。

路線が何種類かあるので、運転手さんにヴィッラアドリアーナに行きたいと伝えて近い停留所で降ろして貰いましょう。バス停で下車してからヴィッラ・アドリアーナの入り口までは約1kmです。

ヴィッラ・アドリアーナ (ティヴォリ)おすすめポイント

カノープス

出典: Diego Fiore/shutterstock

ハドリアヌス帝が視察旅行で、特に気になったのはエジプト。そこで見たアレキサンドリアとカノープスを結ぶ運河を模して造ったのがカノープスという細長い池です。一説によると、ハドリアヌス帝は、エジプト視察の際にお共に連れていった美少年アンティノウスが、ナイル川で事故で亡くなったのを偲んで造らせたもの。

カノープスの周囲には、ギリシア神話の神像や女神を象った柱・カリアティードが並べられており、ヴィッラアドリアーナの中で一番優雅な部分とも言われています。

今では屋根もなくなり、何の変哲もない池という風情ですが、造られた過程を考えると、ハドリアヌス帝の想いが詰まった思い出の場所。カノープスの近くには小さな博物館があり、発掘の際に出土した遺物が少し展示してありますので、ぜひのぞいてみて下さいね。

海の劇場

出典: Valeria Cantone/shutterstock

ハドリアヌス帝の隠れ家的な場所として作られたのが海の劇場です。柱を円形に並べ、その中央に池を造り、その中に島を浮かべて劇場を作りました。島には一本だけ橋を付けていて、ハドリアヌス帝は時々ここに渡り、島に入ると橋を上げさせて、一人だけの時間を楽しんでいました。

ヴィッラアドリアーナの遺跡は、広大な敷地にオリーブの木や美しい花々が咲き、鳥のさえずりが聞こえる癒し空間が広がります。イタリア人観光客にも人気の世界遺産で、寝転がりながら2000年以上前のことを想いながら、ゆっくりと過ごしてみてくださいね。

大浴場やその他の建造物

出典: Marco Rubino/shutterstock

入り口の案内所には、ヴィッラアドリアーナ全体の模型があります。ここで全体像を掴んでから見学するのがおすすめ。各遺跡には小さな案内がついていますが、チケット売り場の前にあるショップで地図を買って見ながら歩くといいですよ。主な見どころはカノープスや海の劇場、ヴィーナス劇場や皇帝の宮殿、大小浴場などがあります。

ハドリアヌス帝が亡くなったあと、歴代の皇帝が使用し、3世紀以降には使われなくなったため廃墟になりました。15世紀から19世紀にかけて内部にあった芸術作品は、様々な人に持ち去られてしまいます。1870年以降にやっとイタリア政府の発掘が始まり、その全容が明らかになりました。

発掘された遺物は、ローマのヴァチカン博物館やカピトリー二博物館に展示してあるので、そちらもぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

◎まとめ

旅する皇帝ハドリアヌスは、世界のあちこちに世界遺産レベルの建物を残しています。パムッカレのヒエラポリスの円形劇場や、アテネのハドリアヌス門、パルミラのローマ門チュニジアの水道橋など圧巻。その集大成としてヴィッラ・アドリアーナを造っているので、見逃せません。

ローマの喧騒に疲れたら、ぜひ一日たっぷり時間をとってヴィッラ・アドリアーナに出かけてみて下さい。

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