名称：Early Cristian and Byzantine monuments of Thessalonika
住所：Prefecture of Thessaloniki, Region of Central Macedonia
公式・関連サイトURL：http://whc.unesco.org/en/list/456
ギリシャ第2の都市テッサロニキは、かつてマケドニア王国の都市でした。そんなテッサロニキにローマ帝国、東ローマ帝国の時代に建設された建造物やモザイクなどの美術を対象として、1988年に「テッサロニキの初期キリスト教とビザンチン様式の建造物群」が世界文化遺産として登録されました。広大な繁栄を築いたローマ帝国時代を見にテッサロニキの世界遺産へ行ってみましょう！
目次
長い歴史をもつテッサロニキの初期キリスト教とビザンチン様式の建造物群
テッサロニキの初期キリスト教とビザンチン様式の建造物群とは？
キリストの使徒パウロが、テッサロニキのシナゴーグでキリスト教を布教したと言われているように、初期キリスト教との関わりが深い町です。ビザンチン様式というは、大きなドームと大理石やモザイクの内装が特徴のキリスト教建築様式。テッサロニキの街でもよく見かけます。
「テッサロニキの初期キリスト教とビザンチン様式の建造物群」は多岐にわたる文化遺産です。ガレリウス帝の凱旋門をはじめとするローマ帝国時代の遺跡や、ビザンチン時代の城壁の一部、聖堂など見どころが盛りだくさんですよ。
特に聖堂はテッサロニキの守護聖人ディミトリオス教会をはじめとした初期キリスト教の教会や、ビザンチン時代に作られた教会など15件もあります。全部見て回るのはなかなか大変ですが、ビザンチン様式の建築の特徴や内部のモザイクの見どころなどを押さえると分かりやすいかもしれません。
テッサロニキの世界遺産へのアクセス
成田からギリシャへの直行便はないため、パリやなどヨーロッパ各地を経由する便を利用してギリシャの首都アテネへ向かいます。アテネからテッサロニキへは国内線で約1時間のフライト。テッサロニキ市内の世界遺産を巡るにはバスでの移動が便利ですよ。
テッサロニキの世界遺産のおすすめポイント3
町の中にある聖堂の数々
テッサロニキにはローマ帝国、東ローマ帝国の時代に建設された聖堂が15も残っています。中でもバシリカ様式は有名。長方形の平面、採光用の高窓、列柱のアーケードが特徴で、アヒロピイトス聖堂やアギオス・ディミトリオス聖堂、アギア・ソフィア聖堂などが代表的な聖堂です。
古代、中世に建てられた聖堂は火災に遭ったり、改築されたり、中には聖堂としての用途が変わって無宗教の美術館や博物館になっているものもあります。特にロトンダは何度も用途が変わっていて、当初はガレリウスが建設した霊廟でした。やがてキリスト教の聖堂になりオスマン帝国時代にはイスラム教のモスク、現在は美術館となっています。
キリスト教の聖堂の時に作られたモザイクやイスラム教のモスクの時に作られたミナレットなど、変遷を物語る要素が残っているのでぜひ注目してみてくださいね。
美しいモザイク、フレスコが語る歴史
聖堂の内部は美しいモザイクやフレスコで彩られているので、中に入ってよく見てみましょう。ビザンチン様式の教会では、教会内部の奧のアプシスと呼ばれる部分にイエスを抱くマリアが描かれています。教会によって描かれ方や表情が違うため、その違いを探してみるのも面白いですよ。
テッサロニキの高台にあるオシオス・ダヴィド聖堂も必見です。かつてはラトモス修道院の聖堂でしたが半分ほどなくなってしまい、今では一見普通の家かと思うくらい小ぢんまりしています。それでも見逃さないでほしいのが初期キリスト教の最高傑作とも言われている、ひげのないキリスト像です。8世紀の皇帝の命令で一部壊されてしまいましたが、これまでのキリスト像のイメージとはまったく違うのでぜひチェックしてみてください。
ホワイトタワー
ホワイトタワーはテッサロニキのシンボルとなっています。ビザンチン時代に建てられた古い塔を取り壊して、オスマン帝国時代には城壁の一部となりました。その後牢獄として使用。1912年の改修で綺麗に洗浄されたことからホワイトタワーと呼ばれ、今ではテッサロニキの人々に親しまれています。内部はビザンチン文化やテッサロニキの歴史がわかる展示を見ることができますよ。
幅の広い螺旋階段を上がっていくと、屋上で待っているのはテッサロニキの町と海の良い眺めです。登るのは結構大変ですが、テッサロニキに訪れたらホワイトタワーは外せません。屋上から眺める絶景を一度堪能してみてはいかがでしょうか？
◎まとめ
「テッサロニキの初期キリスト教とビザンチン様式の建造物群」は他にも建造物がたくさんあります。しかし8世紀の皇帝が「目に見えない神の姿が人間に描けるはずがない」という理由で破壊命令を出して多くの建造物が失われてしまいました。それでもテッサロニキの人々が守った世界遺産。機会があればぜひ訪れてみてくださいね。
