パキスタン - スィアールコートについて

スィアールコートはパキスタン、パンジャブ地方の都市の名前です。日本ではシアールコートと呼ばれることの方が多いようです。国の北東部にあり、紀元前の時代からの歴史がある都市ですが、当時の王がこの場所に砦を築いたことから、現在の名前になりました。
王はスキタイという遊牧国家のジャート族で、シアという階層だったために、「シアの砦」を意味する名前がつけられたといわれています。
街は様々な国の支配を受けてきましたが、いつの時代も産業の中心地でした。現在はサッカーボールの生産地として有名で、ロンドンオリンピックで使われた実績もあります。
様々な文化が入り混じった多国籍な様相で、とても魅力的な街ですが、自然も充分に楽しめます。
・シアールコート砦
街の中心には、何世紀にもわたって使われてきたこの砦がまだ残されています。1857年のインド大反乱の際には、ヨーロッパ人がここに実際に立てこもって、激戦を繰り広げたということです。
・サッダールバザーの時計台
街のどこにいても目に入るヨーロッパ風の時計台は、もっとも有名な史跡であり、街の中でとても目立つ存在です。サッダールバザーは、狭い路地がまるで網の目のようになっている青空市場です。ここには買い物だけではなく、地元の人たちの社交場としての役目もあるので、たくさんの人が集まります。サッダールバザーを歩くときも、時計台を見ながら歩けば、目印になるので安心できますね。
・シアールコート大聖堂
160年の歴史がある美しい大聖堂で、海外からの観光客にも、とても人気がある場所です。ヨーロッパ風の建物を見ていると、この街にたくさんの文化が入り込んできたことを実感できます。街にはモスクも多く建てられていますが、それと一緒にキリスト教の大聖堂が建っているのを見ると、様々な文化が混在していることが実感できます。
・アラマ・イクバル美術館
この街で生まれたアラマ・イクバルは、パキスタンの独立運動を先導した人物です。彼の旧家が、美術館として保存されて、その人生を後世に伝え続けています。スィアールコートに旅をするなら、ぜひ訪れたい場所ですね。
マララ・ヘッドワークス
チェナブ川沿の水力発電エンジニアリングプロジェクトは、静かで自然を楽しめるスポットとして人気があります。近くには自然保護区があり、地域固有の鳥や動物が100種以上も生息しています。家族連れでピクニックを楽しめる場所にもなっています。
・ホテルはあるのか、治安も心配
かつては街の中心部にホテルはあまりありませんでしたが、現在は新しいホテルができているそうです。キレイな内装と充実した設備のホテルを探せるはずです。
公共交通機関はあまり発達していないので、タクシーの利用を検討するとよいでしょう。
パキスタンは治安が悪いというイメージを持つ人も多いでしょう。実際に外務省のホームページで、危険地域に対する情報が公開されていますから、旅行の前には必ず確かめてください。地図が色分けされて、どこが危険なのかがわかるようになっています。現在、もっとも危険な赤色はパキスタンでも1部の地域だけですが、ほとんどの地域で注意が必要な黄色になっています。女性だけで旅行するのは、おすすめできません。
・旅行するのに適した季節
この街では1年を通して、気温は5℃から39℃まで変化します。4月の末から7月の半ばまで暑い日が続きますが、その後は湿度の高い日々が待っています。
涼しくて快適に街を歩けるのは、12月から翌年の2月の末までの期間です。ホテルのプールで泳ぐことが楽しみならば、4月の末から5月末までと、9月の半ばから10月の半ばまでがおすすめです。
・食の楽しみ
この街では様々なグルメを楽しめます。バターチキンやタンドリーチキンのような伝統的な料理はもちろん、そのほかのアジア料理やファストフードも食べられます。
インド料理のイメージが強い、バターチキンとタンドリーチキンですが、発祥の地はパンジャブ地方だといわれています。
スティアールコートがあるパンジャブ地方はパキスタンとインドの両方にまたがって存在していますが、過去にインドが分離独立したときに、2つの国に別れてしまいました。ですからこの街で食べるバターチキンやタンドリーチキンは、間違いなく本場の味です。
様々な国の歴史と文化が交錯する街、スィアールコートでは、自然に触れ合え、おいしい料理も楽しめるので、いろいろな楽しみ方ができます。気候の面でも、猛暑に慣れている日本人なら、充分に楽しく過ごせるのではないでしょうか。ただし、くれぐれも治安には注意してくださいね。