マレーシア - イポーについて

イポーはクアラルンプールから南北高速道路で北に約200kmほどの位置にあるマレーシアのベラ州の州都です。周りの山々から湧き出るミネラル分豊富な水により料理が美味しくなると言われていて、「美食の街」としても有名です。

キンタ川渓谷の豊かな錫を産出することで1920年代から1930年代にかけて急速に発展しました。イギリスの植民地だったこともあるため、街には鉄道駅や町役場など、イギリス植民地時代に建てられたイギリス風の美しい建物も多く残っています。

人口の約7割が華人のため、中国色が強いのも特徴のひとつで、食文化にも点心や香港風の飲茶も取り入れられているほか、建物にも中国の文化を感じられます。ここからはレトロな街並みが可愛らしいイポーの、おすすめ観光スポットを紹介していきます。

・イポー鉄道駅
クアラルンプールから電車で訪れた観光客が利用する駅で、宮殿のような豪華な造りになっています。1917年の完成当時にはホテルとしても営業していました。地元の人からは「イポーのタージマハル」とも呼ばれています。イギリス植民地時代の面影が残るロニアル形式の建物は必見です。

・バーチメモリアルクロックタワー
ペラ州初のイギリス住人であるJames W.W.Birch氏の追悼碑で、1909年に建てられました。イポー鉄道駅から東に5分ほど歩いた州立モスク前の広場の一角に建っています。ビクトリア調の彫刻が施された時計台で、四方のパネルにはモーゼやシェークスピアなど、世界史上の有名人物が描かれています。

・ケリーズ・キャッスル
英国統治時代の1915年に入植したスコットランド人のウィリアム・ケリー・スミスの邸宅として造られ始めた建物です。しかし建設途中でスミス氏が亡くなってしまったため、未完成のままになっています。スミス氏はインドの文化に魅了されていたため、外観は母国のスコットランドを彷彿とさせるデザインとなっていながらも、イスラム的な装飾が施されています。スミス氏の精神やロマンを感じつつ、ミステリアスな雰囲気を味わえます。幽霊伝説や映画のロケ地としても知られています。

・ベラ・ダルル・リズアン博物館
錫で財をなした富豪の邸宅として1926年に建てられたものですが、改装して博物館として利用しています。撮影禁止の館内には錫採掘の歴史に関する資料、亜熱帯のジオラマ、昆虫の標本、先住民アスリ族に関する紹介など、バラエティに富んだ展示がされています。さらに館外には錫鉱山で使われた軽便鉄道や装甲車などの軍事車両の展示されているほか、戦時中に使われていた防空壕も当時の姿のまま残されています。イポーのことや歴史についてより理解を深めたい人におすすめです。

・三寶洞(サン・ポ・トン)寺院
イポーに複数ある石灰岩の洞窟に建てられた寺院のひとつです。三寶洞寺院はその中でももっとも古く、創建は19世紀後半。洞窟の中には門などの建築物やさまざまな仏像などがあります。寺院前にある美しい庭園には、願いをすると叶うと言われている井戸があり、マレーシア屈指のパワースポットとして知られています。

・霹靂洞(ペラ・トン)寺院
イポー市街から6kmほどの場所にあるため、アクセスしやすい洞窟寺院で、最大級の規模を誇ります。1926年に中国の僧侶が建築した寺院で、標高122mという小高い場所にあるため、美しい展望も楽しめます。内部には金色に輝く12.8mの仏陀座像など、たくさんの仏像や壁画があります。

・旧市街のウォールアート
ノスタルジックな建物やおしゃれなカフェが多い旧市街は、ウォールアートでも有名です。マリリン・モンローなどの著名人を描いたもののほか、日常生活を描いたもの、コーヒーに関係するものなど、さまざまなアートが街を彩っています。案内板も用意されていますが、街歩きをしていればあちこちに現れるので、散策しながら気軽に楽しむことができます。

イポーのホテルはイポー駅周辺に多く集まっているほか、旧市街や新市街にもあって、観光に便利です。またバスやタクシーで移動する必要がありますが、郊外には高級リゾートホテルも多数あります。

イポーはクアラルンプールから列車やバスで約2時間半とアクセスしやすい上に、見どころや写真映えするスポットも多いおすすめの観光地です。治安面も比較的良いため、夜道を歩かないなど最低限の警戒心を持って行動すれば、素敵な旅を楽しめるはずです。