ドイツ - ミュンスターについて

ミュンスターはドイツの都市で、ノルトライン＝ヴェストファーレン州に位置しています。人口30万人強の都市で、ヴェストファーレン地方では中心都市です。ヴェストファーレン条約が締結された場所として有名で、現在ミュンスターは学生や自転車の街として知られています。793年に市名のベースになった修道院が設立されていて、歴史の古い都市として有名です。ドイツでも特に文化的な街で、いろいろな観光名所があります。例えば旧市庁舎は歴史的な条約の議論や調印が行われた部屋があり、フリーデンスザール（平和のホールの意味）を見学することが可能です。当時のままの姿で残っていて、木彫の調度品や装飾などが重厚で、近代国際法の出発点になった威厳や雰囲気などを体験することができます。ヴェストファーレン条約（ウェストファリア条約）に使われた部屋で、世界史の授業で耳にしたことがあるでしょう。ヨーロッパ三十年戦争の講和条約において、ミュンスターやオスナブリュックなどで締結された平和条約です。日本語ガイドを利用することができ、ヨーロッパ史の転換点について学習することができます。聖パウルス大聖堂は旧市街の中心にあり、805年ミュンスターにおいて司教座が設置された際に建設が始まっていたと言われています。歴史のある教会で、現在の堂宇は13世紀において建てられたものです。第二次世界大戦によって大きく損傷しましたが、戦後修改築されています。戦前までの大聖堂と少し違っていて2本の塔の間に正面玄関を見ることが可能です。通常ステンドグラスのバラ窓といった装飾が施されていますが、現在の大聖堂は16個の小さな窓がボタンのようになっています。堂内に入ると窓のステンドグラスからは光が差し込んでいて、他にはない景色を見ることができるでしょう。聖パウルス大聖堂には天文時計があり、これは1540年に製作されていて、太陽や月、水星や金星などの指針が同じ盤に備わっています。当時の技術を伺うことができ、脇にはからくり時計などが付属しており、特定の時間になるとからくりを見ることが可能です。プロメナーデもおすすめで、ミュンスターは自転車社会として有名です。人口より自転車の方が多く、中央駅西口には3,000台以上を管理することができるガラス張りのおしゃれな駐輪場があります。自転車が好きな市民のため、旧市街を取り巻く城壁跡は自転車や歩行者専用の並木道に整備されています。徒歩でも歩くことができ、旧市街の外周なのでどこからスタートしてもどこで終わっても観光に戻ることが可能です。朝や夕方などの空いた時間に地元の学生と緑の道を散策するのも良いでしょう。自転車は駐輪場でレンタルすることができるので便利です。プリンツィパルマルクトは旧市庁舎前から北にのびていて、旧市街の建物は第二次世界大戦によって破壊されてしまいました。しかし戦後に旧態に近いデザインで復興されていて、プリンツィパルマルクトも当時の街並みになっています。うなぎの寝床のような建物が並んでいて、1階部分がアーケードになっています。プリンツィパルマルクトにはいろいろなブランドやアパレル店があり、アクセサリーショップなども入っていて市民の買い物スポットです。ミューレンホーフ野外博物館はアー湖公園になり、旧市街の南西において伸びるアー湖は地元の憩いの場になっています。湖畔に広がっているアーゼー・パルク（アー湖公園）はドイツで最も美しい公園の一つに選ばれたことがあり、緑と水の公園の一画にあり観光スポットとして有名なのがミューレンホーフ野外博物館です。伝統的な家屋などが移築していて、復元したり新築のものがありません。有名なのがボック風車で、素朴な木組みの佇まいに見入ってしまうでしょう。17～19世紀におけるヴェストファーレンの農村風景を体感することが可能です。街中を自転車で回ることに楽しみを感じたなら、アー湖の湖畔をサイクリングしてみることをおすすめします。ミュンスターの北には国際空港があり、日本から直行便がありませんがフランクフルトやミュンヘンなどを経由して利用することが可能です。ミュンスターの南はルール工業地帯に位置するドルトムントがあり、日本人が多く住んでいるデュッセルドルフもあります。サッカー観戦や仕事などの出張のついでに、ミュンスターで自転車をレンタルしてみてさわやかなひと時を過ごすことができるでしょう。