アメリカ - タンパについて

タンパはアメリカ、フロリダ州のフロリダ半島西側、メキシコ湾に面しています。セントピーターズバーグとクリアウォーターという町に隣接し、三つの町と周辺地域を合わせたグレート・タンパ・エリアでは人口300万人を超える大都市になります。温暖な気候で人気があり、マリンスポーツが盛んな海辺の町、タンパについて紹介します。

豊かな海に恵まれたこの地域には2000年以上前から人が住み着いていたことが知られています。16世紀の初めにはスペインからの渡来人が訪れていますが、その後二世紀にわたって打ち捨てられた土地になっていました。18世紀になってアメリカがフロリダに植民を始めたころには、キューバ人とネイティブアメリカンの漁師たちが住む小さい町でした。
南北戦争の際には南部諸州の主要都市となり、当時スペイン領だったキューバとの交易都市として重要な役割を果たしていました。1862年、北軍は湾に軍船を送って町を砲撃、タンパもこれに応戦しました。この戦いはタンパ湾の戦いとして知られています。内戦は1865年に終結しました。1880年代にリン鉱が発見されたことから町の発展がはじまり、やがて鉄道が引かれて町は急激に大きくなっていきました。南北戦争終結当時、人口1000人に満たなかったこの町は1900年にはフロリダで最も大きい町の一つになっています。

現在ではフロリダを代表する都市のひとつになっており、多くの旅行客が訪れる観光地となっています。見どころとなる名所をいくつか紹介しましょう。
サンシャイン・スカイウェイ・ブリッジ
湾の海側をまたいでタンパとセントピーターズバーグの町をつなぐ全長6.7㎞の橋。正式名称をボブ・グラハム・サンシャイン・スカイウェイ・ブリッジというこの橋は、地元ではスカイウェイの愛称で親しまれています。橋を支えるワイヤーが空に向かって船のマストと帆のように三角に突き出す姿が印象的な町のシンボルマークです。
カーティス・ヒクソン・ウォーターフロントパーク
ダウンタウンを流れるヒルズボロ・リバーに面する3.2ヘクタールの広大な緑地で、ウォーターフロント美術地区の中にある公園です。川沿いを歩く遊歩道とリバーゲートタワーに繋がり、美術館、子供博物館、写真美術館に隣接しています。公園の西側を流れる川に向かって全体が緩やかに傾斜しており、川沿いのリバーウォークからはコンベンションセンターとパフォーミングアートセンターへ出ることができます。園内の噴水では夜になると七色のライトアップが見られ、フロリダならではの気持ちの良い川歩きの中心施設となっています。
科学産業博物館
マグリットの絵から抜け出たような、青光りする球体とガラス張りの展示室が特徴的な科学産業博物館。ダウンタウンにはこのほかにも現代美術博物館や歴史センター、かつてのタンパベイホテルを改修したヘンリー・プラント美術館など、ユニークな博物館が集まっています。
ブッシュガーデン
動物たちをテーマにしたテーマパーク、ブッシュガーデン。温暖なフロリダの気候の中にある136ヘクタールのゆったりとした敷地は9つのエリアに分かれています。動物たちの展示施設と一緒に9つのジェットコースターを含むライド・アトラクションが配置されています。動物とテーマパークが好きな方なら、一日かけて楽しんでもまだ足りないほどの超人気テーマパークです。
ガスパリラ・パイレーツフェスティバル
毎年1月末から2月初めにかけて開催される町の名物の一つがこのパイレーツフェスティバル。海賊ホセ・ガスパリアが町に攻めてくるというテーマのお祭りでタンパ湾を海賊船が彩り、町中ではパレードが見られます。この時期から3月にかけて、街ではガスパリア芸術祭、ガスパリア国際映画祭など、海賊の名を冠した様々なフェスティバルが開かれます。

プロスポーツ
このエリアはアメリカ5大プロスポーツのうち、アメリカンフットボール（バッカニアーズ）、アイスホッケー（ライトニング）、野球（レイズ）の三つのプロチームのホームになっています。バッカニアーズのレイモンド・ジェームズ・スタジアム（通称レイ・ジェイ）とライトニングのアマリー・アリーナは市内に、レイズのホームスタジアム、トロピカーナ・フィールドは隣町のセントピーターズバーグにあります。
タンパ湾はフロリダ半島に大きく食い込んだ内湾です。町は湾の奥の港の周りに広がっていますので、海は静かで常に柔らかい波に打たれています。マイアミなどのリゾートに比べるとずっと落ち着いた感じがする町です。他の町から移住してくる人口も多く、全米トップ20都市の一つにランクされ、そして現在も発展を続けています。