アメリカ - グランドキャニオンについて

グランドキャニオンはアメリカのアリゾナ州北西部にある峡谷です。7000万年前にカイバブ・アップリフトと呼ばれる地殻変動が起きたことが起源となり、4000万年前からコロラド川の浸食が始まりました。今のような渓谷となったのは約200万年前で現在も浸食が続いています。断崖の深さは平均して1200mあり、一番深いところでは1800ｍにもなります。グランドキャニオンがいつから始まったのか、どのように形成されたのかはいまだにはっきりわかっていませんが、かつて500～600万年前とされていた峡谷の起源は、2012年に行われた解析により7000万年前から東西の渓谷が同時に削られ始めていたことが判明しました。1万500年前頃には人類が存在していたと考えられていて、4000年前にはネイティブアメリカンがグランドキャニオンの地域に住んでいたことがわかっています。スペイン領時代の1540年に軍人ガルシア・ロペス・デ・カルデナス と隊員が金を探しに訪れましたが、先住民族のホピ族から金は採れないことを伝えられて以降他にヨーロッパから人がやってくることはありませんでした。1869年にアメリカの軍人ジョン・ウェズリー・パウエルが科学調査に訪れたことでグランドキャニオンが調査されるようになりました。グランドキャニオン国立公園は1979年に世界遺産に登録され、年間400万人もの観光客が訪れるスポットとなっています。地球の地層を観察することができる場所で、現在までに多くの化石が発見されてきました。公園内には多くの植物や動物が生息していますが園内の動物に触ることは禁止されていて、触った場合は罰金を支払わなくてはいけません。哺乳類は狂犬病にかかっている可能性があるので触れないようにしましょう。狂犬病以外にも公園内では高温や医療問題などで年に10人程度が亡くなっています。グランドキャニオンにはサウスリムとノースリムの2カ所玄関口があります。観光客が多く訪れるのは整備されているサウスリムで、ノースリムは標高が高いので冬季は閉鎖されます。サウスリムの眺めのよい場所には展望台が設置されていて、主要なポイントはヤバパイポイント・ハーミッツレスト・マーサポイントの3つです。・ヤバパイポイントヤバパイポイントからは峡谷を一望することができます。眺めがとてもよく、特に美しい夕日を見られる場所として人気があります。・ハーミッツレストハーミッツレストには山小屋があり、ラウンジやギフトショップも整備されています。ハーミッツレストとは修道士の休憩所という意味です。言葉の由来はかつてフランス系カナダ人がこの地で修道士のような暮らしをしていたことにあります。・マーサポイントマーサポイントは崖から突き出たところが展望台となっており朝日を見ることに適しているスポットです。2つの玄関口とは別に、グランドキャニオンにはウエストリムと呼ばれるラスベガスに最も近い場所があります。ウエストリムには床面がガラス張りのスカイウォークという展望台があり人気を集めています。足元からは1200ｍ下の谷底が覗けます。しかし先住民族ウォラパイ族の居住区であるため、聖地に展望台を建設したことについては批判もありました。サウスリムには6カ所の宿泊施設、ノースリムには1カ所の宿泊施設があります。サウスリムのホテルはグランドキャニオンビレッジエリアとマーケットプラザエリアの2つのエリアにわかれています。グランドキャニオンビレッジエリアには5つの宿泊施設があります。観光のメインとなるエリアなので宿泊をするのなら5つの宿泊施設から選ぶと観光に便利です。エリア内には無料の循環バスが走っているので移動もしやすいといえるでしょう。マーケットプラザエリアには1つの宿泊施設があり、観光のメインとなるエリアではありませんが大きなスーパーマーケットあるので買い物がしやすいです。グランドキャニオンビレッジエリアと同様にエリア内を無料バスが循環しています。グランドキャニオンを訪れるのであれば、国立公園内の宿泊施設に泊まった方が雰囲気を感じることができますが満室だった場合はサウスリムの近くの町であるツヤサンのホテルを利用してはいかがでしょうか。ツヤサンにはいくつかの宿泊施設があり、グランドキャニオンのビジターセンターとの距離は10キロほどなのでグランドキャニオンにアクセスしやすいです。