アメリカ - スポケーンについて

スポケーンは、アメリカ合衆国の西海岸に位置するワシントン州東部の都市です。街の名は先住民の言葉で「太陽の子」という意味を持ち、その名の通り、1年を通じて晴天の日が多い街となっています。また、「LilacCity」（ライラックの街）という愛称でも親しまれている都市です。街の南西部にはスポケーン国際空港があります。この空港はワシントン州東部だけでなく、隣接州をも含めた、この地域全体における空の玄関口的存在です。大陸横断鉄道の停車駅もあることから、街全体が地域のハブ的役割を果たしています。1974年には、この街で環境をテーマにした国際博覧会が開かれました。博覧会会期中には約480万人が来場したとされ、スポケーンの発展に大きく貢献することになったのです。現在、その跡地はリバーフロント・パークという公園として整備されており、街のランドマーク的存在となっています。街の中心を流れるスポケーン川の岸辺に位置するこの公園は、広さ約40万平方メートル。広い園内にはスポケーン滝があります。ちなみにこの街の旧名はSpokanFallsといい、Fallは滝という意味です。ビーバーやガチョウなどの野生動物も見られるこの公園には、博覧会開催時に建設されたパヴィリオンや、各種アトラクションなどの施設が数多く保存、利用されています。また、かつてこの街における陸の玄関口であった駅舎に付設されていた時計塔が移築されており、園内各所からその姿を見ることが可能です。ロッキー山脈の西の麓に位置するスポケーンは自然豊かな都市であり、リバーフロント・パークのように、街中でも気軽に動植物と触れ合えます。そして、郊外に行けば本格的なアウトドアレジャーが楽しむことができます。そうした体験重視の観光におすすめなのが、街の北西部にあるリバーサイド州立公園です。ワシントン州内でも屈指の広さを誇るこの公園は、スポケーン川の流域に沿って4千ヘクタール以上の敷地を有しています。キャンプ・釣り・カヤック・バードウォッチングなど多彩なアクティビティのほか、本格的なロッククライミングまで楽しめます。冬季にはスノーボードやクロスカントリースキーなども可能です。また、この公園内には、センテニアルトレイルというトレイルロードが通っています。隣接州との州境近くまで全長約64キロメートルもの距離があり、ハイキングやサイクリングの名所として人気です。リバーサイド州立公園から北東へ向かうと、グリーンブラフと呼ばれる地域にたどり着きます。ここは、数十軒の農家が集まる農業コミュニティです。そのうちのいくつかは、観光農場として開放されています。ベリー狩りやリンゴ狩りなど、季節ごとの収穫体験を楽しんだり、トウモロコシ畑に作られた巨大な迷路で遊んだりすることができます。また、クラフトビールの醸造所やワイナリーなどもあって、試飲も可能です。ヘラジカやコヨーテなどの野生動物に出会えるチャンスもあります。子供から大人までが楽しめる観光スポットです。このグリーンブラフからさらに北東に向かったエリアには、マウントスポケーン州立公園があります。ここはセルカーク山脈内にあり、ウィンターリゾートとして特に有名な公園です。5千ヘクタール近い広大な敷地の園内では、マウンテンバイクや乗馬など、さまざまなスポーツが楽しめます。ハイキングやサイクリングに最適なトレイルロードは、全長約160キロメートルに達します。なかでも充実しているのが、マウントスポケーンスキー＆スノーボードパークというスノーレジャー施設です。スキーやスノーボード、スノーモービルなどを楽しむことができ、ナイトスキーの設備もあります。スポケーンの街の中心部からは、車で1時間ほどの道のりです。マウントスポケーン州立公園は山々の連なる自然風景が美しい公園ですが、その中でも特に絶景ポイントとして知られているのは、クォーツマウンテンルックアウトタワーでしょう。この施設は、もともと森林火災を発見するための監視塔でしたが、2004年から観光施設に転用されました。塔の上からは、セルカーク山脈の雄大な景色を眺めることができます。夜間には、さえぎるものが何もない絶好の天体観賞スポットにもなります。四季折々の高山植物や野生動物にも出会えることで、年間を通して多くのハイカーやスキーヤーたちに人気が高い場所です。