アメリカ - リッチモンドについて

リッチモンドはアメリカ合衆国の東海岸にあるバージニア州の都市です。リッチモンドはバージニア州の中でも大西洋に近い北東部に位置しています。リッチモンドはバージニア州の州都に定められている都市で州内でも有数の人口を誇る大都市です。この都市を中心とした都市圏に住んでいる人口の数は100万人を超えていて全米の中でもベスト50に入る規模です。リッチモンドはアメリカにある都市の中でも特に古い歴史を持つ都市として知られています。町の近隣にはイギリス人がはじめてアメリカに定住地として築いたジェームズタウンもあり、独立戦争のときにはイギリス軍との戦いの戦場にもなりました。また、町の名称は付近を流れている川の景色がテムズ川に似ていたことから、イギリスから移住してきた移民がロンドンから近い場所にあるリッチモンドという英国の町にちなんでつけたものです。かつてはタバコが市の主要な産業でしたが、現在はバイオテクノロジーに関連する産業が大きく発展しています。リッチモンドは大西洋とブルーリッジ山地の間に広がるピードモント大地の上に築かれた都市です。リッチモンドは温暖湿潤気候に属する土地で、湿度が高く気温が上がる夏季と気温があまり下がらない冬季に分かれています。年間を通して20度を超える日があるので冬でも過ごしやすくなっています。また、夏季（6～8月）には気温が30度を超える日もありますが、冬季、例えば一番寒い1月でも月の平均温度は0度以上であり、年間の平均気温は15度前後で推移するため比較的過ごしやすい環境です。降水量が特に多いのは6月から9月の時期で月平均で100ミリ以上の雨が降ります。夏季以外では3月に雨が多いのもこの都市の気候の特徴で平均して100ミリを超える雨が降っています。冬季には雪が降ることもあり年間の平均降雪日数はおよそ6日です。また、リッチモンドは観光名所としても人気が高い都市で観光客にもよく知られているランドマークが市内に点在しています。その中でもアメリカ国外から訪れた多くの観光客が利用しているのがリッチモンド国際空港です。市の中心部から東に8キロほど離れた場所にあるリッチモンド国際空港は全米各地の都市とつながれている路線が運行されています。また、市内には鉄道交通も発達していますが、鉄道のランドマークとして市の交通の中心になっているのがメインストリート駅です。ここは全米各地を移動できるアムトラックに乗車できる駅であり、駅からはバスも運行されています。メインストリート駅はアメリカでも非常に長い歴史を持つ交通施設としても知られ、国定歴史建造物にも指定されています。駅舎は赤レンガを使用して建設されていて、伝統的なボザール様式を採用したデザインです。駅舎の中でも特に目立っているのが南西部にある時計台で、地上6階建ての高さがあり、4面に時計が設置されており、さらに駅舎の1階と2階には待合室があり、レストランもあることから列車が到着するまでの間に食事をすることもできます。駅舎自体が価値のある建物であることから鉄道を利用しない旅行客も観光目的で訪れることの多いスポットです。市内には芸術関連の施設も多くありますが、特に芸術鑑賞がしやすい観光エリアとしておすすめなのがブルバードです。リッチモンドの西のはずれにあるブルバードは、歴史的な価値を持っている通りとして知られています。さらにこの地域にある有名な観光名所として多くの旅行客が訪れているのがバージニア美術館です。バージニア美術館は1934年に開館した地元でも長い歴史を持っている芸術施設で、市民から寄贈された美術品がこの建物が建設された機縁になっています。アメリカ北部で最も規模の大きい美術館の一つです。また、ブルバードの近辺にある観光名所としてバード・パークがあります。バード・パークは200エーカーの広さを持つ公園で、園内にはさまざまな施設が造られています。テニスコートや子供のための遊び場などもあるので家族連れの旅行客も一緒に楽しめる場所です。ブルバードの南側にはブルバード･ブリッジという橋が架けられており、ニッケル・ブリッジという名前でも知られるこの橋の下を流れているのはジェームズ川です。また、リッチモンドのダウンタウンからイーストメインストリートを散策していくと、エドガーアランポー博物館があります。入口は通りに並ぶ普通の建物に見えますが、中に入ると広く、赤レンガの建物に囲まれた庭に噴水があり、歴史を感じることが可能です。また別の建物の入り口には、エドガーアランポーの石像があり、リッチモンドのみならずアメリカのヒーローとして今も親しまれています。ミステリー好きの方ならぜひ訪れたほうがよいでしょう。