アメリカ - レディングについて

レディングは、アメリカ・カリフォルニア州北部に位置するシャスタ郡の都市です。郡庁所在地でもあるため、シャスタ郡行政に中心として機能しており、市内各所には行政機関が拠点をおいています。カリフォルニア州中央部を占め、州人口のほとんどが生活するセントラル・バレー北端に位置するほか、周囲にはシエラネバダ山脈の尾根が連なっており、全米でも有数のトレイルコースがあります。
レディングの人口は約8万9000人、面積は東京都練馬区約三つ分に相当する154.4平方キロメートルです。中心部を流れるサクラメント川によって東西に分かれ、主要幹線道路44号線とハイウェイ5号線などが貫いています。いずれもカリフォルニア州の動脈として、そして移動の足として利用されており、加えて市南東部にあるレディング空港が、空の玄関口として活躍しています。
レディングは、乾燥した夏と湿潤の冬である地中海性気候です。雨季に相当する10～4月にまとまった雨が降りますが、1日平均の降水量が10～13mmほどと少ないです。また雨ではなく霧が出ることも珍しく、冬には雪が降ることもあります。7月の平均最高気温は36.9度もあるため厳しい暑さが続きますが、乾燥しているため気温ほどの暑さは感じません。また平均最低気温が19度ほどなので熱帯夜も非常に少ないです。最も寒くなる12月の平均最高気温が12.5度、平均最低気温も2.4度ほどとなっており、一年を通じて暖かいといえるでしょう。
レディングのランドマークは、サンダイアル橋です。市北部を流れるサクラメント川をまたぐように佇むこの橋は、タートルベイの日時計橋とも呼ばれており、歩行者と自転車のみが通行できる斜張橋構造を持ち、北端部に橋梁部を支える優雅な支持塔があることが知られています。横から見るとハープに似た優雅で美しいスタイルを持ち、ヨットのマストのような支持塔の日時計が、橋の北側にある文字盤に影が差すようにできています。この優雅な日時計橋が完成したのは2004年、以降観光地として人気のスポットになりました。橋から眺めるサクラメント川や周囲の森、はるか遠くに見える山脈に連なる尾根など、美しい景観も魅力があります。
タートルベイ日時計橋の南岸にあるタートルベイ・エクスプロレーションパークもおすすめしたい施設です。121ヘクタールの広大な敷地内に芝生のある広場とトレイルコース、博物館や森林と野生動物センターを備えた総合公園であり、タートルベイ日時計橋とともに人気を集めています。レディングの自然を間近にできる樹木園では、在来種を中心に数々の植物を保護していて、散策路を歩きながら観察できます。最も人気のある野生動物センターでは、予約すれば北米ビーバーや鳥類に触れる機会もあるでしょう。博物館では絵画やアート作品などの展示も行うなど、一日中いても飽きることのない施設です。
歴史的な建造物に関心のある方におすすめしたいのが、カスケードシアターです。市北部にあるレディング駅から南東へ徒歩約5分、サクラメントストリートとサウスマーケットストリートが交差する区画にある劇場は1935年にオープンしました。高度な音響設備と当時最新であったエアコンを備えていましたが、1997年には閉鎖され、その後2004年にコミュニティーセンターとして整備されました。地域の音楽イベントや演劇など、多彩な文化活動に利用されています。古き良きアメリカを感じさせるアールデコ調の佇まいを今に伝えています。
シャスタ・ステート・ヒストリック・パークもおすすめです。市内を走るユーリカウェイ（299号線）沿いに西へ、約12分移動したところにあります。発展の基礎となった鉱山跡を利用した敷地内には、当時の炭鉱夫らが利用した住居や食堂、教会などが歴史史跡として保存されています。1800年代中頃には鉱山を中心に活況を呈し、カリフォルニア州内における屈指のにぎやかな街でした。
全米でも知られているのが、市北西部にあるトレイルコースです。最も街に近いミドル・クリーク・コネクター・トレイルは、299号線の南に続く約9.7kmのコースがあり、ちょっとしたハイキングに向いています。また299号線から北へ枝分かれするアイアン・マウンテン・ロードにあるトレイル・58・トレイルヘッドは、サイクリングもできる約3.54kmの丘陵トレイルコースです。その奥にあるフレンチフライ・トレイルは、全長約9.2kmあり、より本格的なトレイルが人気を集めています。多彩なトレイルを楽しめるのもレディングの魅力です。