アメリカ - ニューバーンについて

ニューバーンは、アメリカ合衆国の東部、大西洋岸に位置する都市です。クレイブン郡の都市であり、同郡の郡庁所在地です。ノースカロライナ州の主要な都市の一つで、「南部のアテネ」と呼ばれた時期もあります。気候は温暖で、日本の気候によく似ています。夏は暑く平均気温は３１℃に達し、最高気温としては４１℃を記録したこともありました。夏の午後には雷雨が起こることもあり、降水量は多めになっています。春と秋は過ごしやすく、秋は素晴らしい紅葉を見ることもできます。冬は平均気温１２℃でそれほど寒くなることはありませんが、マイナス２０℃が最低気温としての記録です。歴史的には、数千年前から先住民が住んでいた地域で、ヨーロッパ人が入植したのは１７１０年です。スイスやドイツから移民がやってきました。その後、ノースカロライナ州の最大都市として発展した為、市内にはたくさんの歴史的な建造物が見られます。アメリカの国家歴史登録財に選定されている歴史地区は４か所あり、ウォーターフロントから歩いて行ける場所には、歴史的な住宅や建物が１６４以上あります。これらの歴史的建造物が残っているのは、南北戦争の初期にニューバーンの戦いがあり、北軍が早期に占領を開始し、終結まで占領を継続したからです。北軍占領が続いたため、他の都市に比べて戦後の回復も早かったのです。また、ニューバーンはノースカロライナ州最大の製材業の中心地であった時期があり、裕福になった製材業者の家屋がそのまま残っているという背景もあります。製材業者は競争心が強く、豊富な資金力と材料である優良な木材を使って豪華な邸宅を建てたのです。中心街地方歴史地区の面積は１．４９平方kmあり、リバーサイド地方歴史地区は０．２１平方km。ユニオン川とトレント川に接したユニオンポイント公園には、画廊、専門店、アンティークショップ、レストラン、ホテルなどが並んでおり、社会と文化の中心地になっています。さらに、ジェイムズ・リード・レインは、ミニパークと歩道の通り抜けに当たり、クライストチャーチに面しています。観光地としての魅力を作り出しているのは、地域の民間団体を含めた再生努力があるからです。多くの建物がしっかりと復元・保存され、優雅な姿を披露してくれています。その建物の代表格は、先程のクライストチャーチであり、他にも第一長老派教会、バプテスト教会、エベネザー長老派教会、マウント・シャイロー・ミッショナリー・バプテスト教会、セントジョン・ミッショナリー・バプテスト教会、セントポール・ローマ・カトリック教会など、多くの教会が端正に建っています。もちろん、個人住宅でも多くの歴史的建造物が残っているのは当然です。アットモア・オリバー邸、ブレイズ邸、クーア・ビショップ邸、クーア・ガストン邸、クレイブン・テラス（アパート）、ウィリアム・ホリスター邸、トマス・ジャーキンス邸、ジャーキンス・ダフィ邸、ジョーンズ・ジャービス邸、ユリシーズ・S・メイス邸など、数多くの屋敷が素晴らしい街の景色・風情を作り出しています。ニューバーンは、社会的には黒人抑圧の負の歴史も持っています。もともと黒人の多い地域で、合衆国下院に４人の黒人議員も選出していました。ところが、１９００年に州憲法を改正し、選挙権修正法により黒人市民から選挙権を取り上げたのです。この抑圧は、1965年連邦政府が憲法で保障される権利を執行した公民権法の成立まで続きました。南北戦争から、黒人の流入、黒人の公民権と自由を求める闘い、そして抑圧を破る経過は、ニューバーンの社会的な多様性を示していて興味深いものになっています。交通状況は、空路としては、ニューバーン中央事業地区の南5kmに海岸カロライナ地域空港があります。また、陸路としては、自動車専用道路としてアメリカ国道70号線と同17号線が市内を通っています。ノースカロライナ州の州都であるローリー市には、国道７０号線を使っていくことができるのは便利です。ノースカロライナ州のワシントンには国道１７号線を経由していくことができます。気候の良い秋に観光されることをおすすめします。退職後に住む最良の場所として、２００５年、NBCテレビの番組「トゥデイ」で紹介されたこともあります。歴史的に重厚で優美な建造物が作り出す景観と、紅葉が作り出す目をみはるほどの風情ある彩りは、訪れた人々に感動を与えることでしょう。