アメリカ - マイノットについて

マイノットはアメリカのノースダコタ州ウォード郡の郡庁所在地であり、州内で4番目の規模を誇る大きい町です。人口は2010年度付の国勢調査で40,888人という結果を出しており、ノースダコタ州北部とカナダのマニトバ州南部とサスカチュワン州南東部の交易の中心でもあります。マクヘンリー郡、レンビル郡、そしてウォード郡に跨るマイノット小都市圏の主要都市でもあり、小都市圏全体の人口を計算すると2000年度の時点で67,392人に至っています。マイノットの気候はハッキリした四季がある事が特徴で、夏はとても暖かく冬は厳寒になります。夏の最盛期の7月の平均最高気温が27.3度で、冬の厳寒期の1月の平均最高気温が−16度である事からも伺い知れます。季節の最盛期には、－18度になったり、41度以上になる事も普通ですので、長期滞在の予定がある場合等には、気温の変化で体調を崩しやすい人は十分な対策をした上で現地に入る事をお勧めします。マイノットの歴史は古く、発端は1886年に遡ります。この頃ジェイムズ・J・ヒルがグレート・ノーザン鉄道建設の事業で、ガスマン・クーリーを渡す橋桁の建設が難航する事を見越し、冬の間延伸を断念する出来事がありました。この時、現在のマイノットの場所にテント村が一夜で出現する事になった様子が魔法の様だった上、5か月の間に人口が5,000人を突破した事から、町には「魔法の都市」という渾名がつく事になります。この渾名は、現在も親しまれて使われています。マイノット付近にテント村が出現したのは、当時の入植者エリク・ラムスタッドの土地に鉄道を敷く為でした。ラムスタッドは土地の権利を放棄する様に周囲に説得される事となり、最終的には合意して後に町の指導者となりました。そして町の開発が急速に進んでいく事になります。この時に「マイノット」という町の名前も決まりますが、これは鉄道建設の責任者だったヒルの友人であり、鉄道事業家にして鳥類学者でもあったヘンリー・D・マイノットに因んだ物です。その後、1887年6月28日に市制が整備され、ミネアポリス・セント・ポール・アンド・スー・セント・マリー鉄道がマイノットを通る事にもなります。実は当初はこの鉄道はマイノットを通る予定ではありませんでした。当初のルートの利害関係で急遽変更されたという経緯があり、1893年に新しいルートの土地所有者が通行券を寄付した事で、マイノットへ繋がる事になったという経緯があります。その後の出来事として、有名な物では禁酒法時代にギャングの大物として名高いアル・カポネが、密造酒操作の中心にマイノットを設定した為に「リトル・シカゴ」という異名が町についた事が挙げられます。地下トンネルを使ってカナダから密輸業者が、違法な品を運搬する様子等が有名になりました。そして1950年代のマイノット空軍基地や、ミズリー川に掛かるガソリンダムが連邦政府の出資で作られる等の出来事を経て、現在に至っています。マイノットのランドマークとして筆頭に挙がるのは、スカンディナビア歴史遺産公園です。町の住民の40%がスカンディナビアにルーツを持つという事から出来た公園ですが、ノルウェーのゴル・スターヴ教会をモデルとした支柱と梁で構成された中世の木造建築であるスターヴ教会等、見所が多いです。スカンディナヴィア諸国を思い出させる様な展示品が多数あり、毎年10月には北アメリカで最大のスカンディナヴィア系アメリカ人の祭典のノルスク・ホストフェストがあります。町を訪れる目的に、この祭典を設定するというのも1つの考えです。公園自体の環境も自然が豊かであり、一見の価値があります。他のランドマークとしては、空港近くにあるダコタ準州航空博物館もランドマークと呼ぶのに相応しいです。戦時や民間の航空機が数多く収められている博物館で、空路で町に入った場合に荷物の量がさほどでもなく、かつ時間もある様な場合は、ホテルに行くより先に見に行くというのも1つです。間近で見る飛行機の大きさは中々見ごたえがあります。宿泊については、ノルスク・ホストフェストを目当てにする場合は、早い段階で付近に予約を取っておくのがベストですが、基本的には観光地へのアクセスの利便性で選んで問題ありません。市内でしたら設備が整ったホテルも多いですし、交通機関についても相応の利便性を持っています。治安の方でも深刻な物は無い一般的なアメリカの観光地ですので、基本的な海外防犯意識を持っていれば楽しい旅行には十分です。