アメリカ - ルイビルについて

ルイビルはアメリカのケンタッキー州西部にある都市で、ルイスビルと表記されることもありますが、発音の上では「ルイビル」の方が正確です。ケンタッキー州における商業と経済、金融と流通の中心であり、人口規模も大きく約60万人が暮らしています。ルイビルは交通の要衝にもあたり、陸上と鉄道、海上と航空においても無くてならない重要な地位にあるといえるでしょう。
ルイビルの町は、1778年にこの地に砦ができたことに端を発します。その後、町はオハイオ川の船運と共に発展していき、バーボンウィスキーの醸造やバットの製造などで名を馳せていきました。最近では、これらの伝統産業以外に電気や農業の工業関係も大きく発展してきています。特に医療分野の発展が目覚ましいです。ほかにも、世界的に有名なケンタッキー・フライド・チキンやピザハットを経営するヤム・ブランズ社が本社を置いていることも押さえておくべきポイントでしょう。競馬の方でも名を馳せており、ランドマークとも言えるチャーチルダウンズ競馬場では、ケンタッキーダービーやケンタッキーオークスが毎年行われており、ファンの人気を集めています。
ルイビルの気候は、夏は非常に蒸し暑く、冬は厳寒になります。どちらも湿度が大変高く、年間を通して一部曇りであることも特徴です。一年全体では気温は－2度から31度まで変化しますが、－11度未満や35度以上などの極端な変化は稀になります。比較的温暖で過ごしやすい頃合に町を観光したい場合には、狙い目は6月と、少し間を置いてから7月下旬から9月下旬まででしょう。
気候に関する注意点としては、夏の蒸し暑さを過小評価しないことが重要です。暑い季節は5月から9月までの4カ月程ですが、この時期の平均気温は26度を超えてきます。暑さの最盛期は7月で、この頃に至っては、最低気温が22度で最高が31度にもなりますので、極端な南国程では無いにせよ、かなりの暑さになります。そこに湿度も加わってきますので、体力をかなり消耗するでしょう。まず、このことを意識してしっかりした熱中症対策をしないといけません。
これに対し、寒くなるのは11月から2月までの3カ月程で、この頃の平均気温は11度未満になります。厳寒期は1月で、この頃の最低気温は－2度程で最高気温は6度程です。極端な乾燥も無く、湿度がある程度ありますので、乾燥を原因とした体調不良などの心配は少なく、寒さも極端な寒冷地の様な厳しいものではありません。ただ、夏との寒暖差があることは確かですので、季節の変わり目に弱い人などで長期滞在の予定がある人は、無理をしないことをお勧めします。
ルイビルのランドマークは数多いですが、その筆頭にあがるのがケーブ・ヒル墓地です。ルイビルに縁がある大勢の著名人や戦没者が眠る町の中でも特に規模が大きい墓地で、2016年に他界したモハメドアリもこの地に眠っていることから、今も追悼に世界中からファンが多くやってきます。ほかにも、ケンタッキー・フライド・チキンの創業者であるカーネルサンダースの墓もあり、その関係でも以前から人が絶えない場所でした。様々なデザインの墓石や綺麗な芝生があることでも有名で、景色としても一見の価値があります。近くに来たならば、見逃す手はありません。
モハメドアリセンターもランドマークと呼ぶのにふさわしいでしょう。ここはモハメドアリの博物館で、中には彼の幼少期や試合で使ったガウンなど、彼由来の品が多く展示されています。実際にボクシングが体験できるスペースもありますので、大人だけではなく、体を思い切り動かしたい子供でも十分に楽しめるでしょう。中には、モハメドアリが立ち向かった人種差別や、ベトナム戦争を学べるコーナーも充実していますので、これらに興味がある場合にもお勧めできるスポットといえます。
これ以外のランドマークでは、コンラッド-コールドウェルハウス博物館も捨て難いです。建物自体がヴィクトリア朝の歴史あるロマネスク様式の建物であり、おとぎ話に出てくるような博物館で、ルイビル全体の歴史を学べます。結婚式やお茶会をはじめとして、イベント会場にも多く使われる場所なので、予定を調べた上で出かけると、色々な発見が期待できるでしょう。
ホテルで泊まるのにお勧めの地域に関しては、車が手配できるかにもよりますが、基本的にランドマークが市内と近場に多いので、市の中心地に泊まるようにすれば間違いありません。治安情報も深刻なものは特にありませんので、金銭やパスポートの管理など最低限の海外防犯意識を持っていれば楽しい旅行には十分でしょう。