アメリカ - ランシングについて

ランシングはアメリカ合衆国のミシガン州の州都で、インガム群に位置します。ミシガン州の州都はデトロイト市でしたが、1859年にランシングに移りました。1879年には新州庁舎が誕生し、以降ミシガン州の政治の中心地として重要な役割を担っています。
アメリカの自動車工業の中心地というとデトロイトが有名ですが、1901年に登場したアメリカ初の量産車、オールズモビル・カーブドダッシュを製造したオールズモビル（オールズ・モーター・ビークル・カンパニー、のちにオールズ・モーター・ワークスの略）は、ランシングに設立されました。
Googleの共同創業者として知られるラリー・ペイジをはじめ、NBAで活躍したマジック・ジョンソン、俳優のマシュー・リラードなど、ランシングは多くの著名人を輩出しています。また海外の複数の都市と姉妹提携を結んでいて、滋賀県大津市もその一つです。
市の中心を流れるグランド川の西側に、ミシガン州会議事堂があります。古い歴史を持つこの州会議事堂は、ランシングのランドマークと同時に、人気の観光スポットにもなっています。ちなみに、1992年にアメリカ合衆国国定歴史建造物に指定されました。フランスで誕生した新古典主義建築様式で建てられた州会議事堂は、堂々とした風格があり、真っ白な美しいドームは遠くから見ても目を引きます。また建物の内部は、歴史を感じさせる格式高い雰囲気を保ちながら、華々しさも兼ねそなえています。さらに真鍮で造られたドアノブや、ライムストーンとバーモント州産の大理石で敷き詰められた床、ドームの裏側に描かれたムーサ画など、見どころがたくさんある建造物です。
グランド川沿いに広がるウェントワース公園には、リメンブランス・メモリアルと呼ばれる記念碑があります。これは2001年9月11日にニューヨークで発生したアメリカ同時多発テロ事件の記念碑で、ワールド・トレード・センターの基盤の一部を使ってつくられました。記念碑が設置されている公園は整備が行き届き、緑の美しい植物が植えられています。またロイアル・ストリーム・クロックと呼ばれる時計台も設置されており、散歩がてら観光してはいかがでしょうか。
量産車発祥の地として知られるランシングには、自動車の歴史を伝えるR.E.オールズ・トランスポーテーション博物館があります。館内には1886年から2003年までに登場した自動車63台が展示され、車愛好家から歴史好きまでさまざまな人たちの好奇心を刺激しています。ちなみに博物館の名前のR.E.オールズは、オールズモビルの創設者、ランサム・E・オールズから取ったものです。博物館はグランド川を挟んで州会議事堂の向かい側にあります。博物館の近くには、インプレッション5・サイエンス・センターと呼ばれる子ども向けの博物館や、リバーウォーク・シアターなどがあり、家族連れで出かけるのに向いている観光スポットです。
ミシガン州会議事堂から徒歩で8分ほどの離れた場所に、ミシガン歴史センターがあります。ここにはランシングをはじめ、ミシガン州の歴史がうかがえる資料が展示されていて、多くの観光客が足を運んでいます。自動車など、幅広い文化の移り変わりや発展を知ることができるでしょう。
ランシングにはグランシング・ラグナッツという野球チームが本拠地を置いていますが、クーリー・ロー・スクール・スタジアムでは地元野球チームの試合が行われています。観光客の中には野球観戦を目的に訪れる人もいますので、野球に興味があったら、ここで地元の人と一緒に野球観戦を楽しむのもよいでしょう。
ランシング中心部から南に下ると、グランド川とレッド・シター川の分岐点があります。レッド・シター川沿いにはポッター・パーク動物園があり、数百以上の動物が生息する見応えのある動物園です。生息している動物の中には絶滅の危機に瀕するものも少なくなく、貴重な動物の生活ぶりを観察することができます。
ランシング市内には観光客向けの宿泊施設が広範囲にわたって点在しており、メインとしている観光スポットの近くに滞在することも可能です。迷ったら市の中心部に滞在することをおすすめします。交通の便が良く、観光スポットの他、レストランやショップ、銀行、旅行会社など多くの施設にアクセスしやすいからです。
ランシング郊外には大きなショッピングモールがいくつかあり、その周辺にホテルが集中している傾向があります。特にイーストウッド・タウンセンター周辺やロックス・ファームマーケット周辺には、ホテルの他にレストランやカフェ、大手スーパーマーケットがあり、滞在しやすい環境が整っています。