アメリカ - アイアンウッド(ミシガン州)について

アイアンウッド(ミシガン州)は、アメリカにある都市です。ミシガン州は、アメリカ合衆国中西部に位置しており、五大湖地域に含まれており自動車産業が盛んな都市であるデトロイトが含まれます。また、五大湖で4つと面しており、アメリカはもちろんカナダからの観光客が多い州です。アイアンウッドは、ミシガン州の北西部の端に位置している都市でゴギービック郡に含まれ、また州境に位置しておりウィスコンシン州と隣接しています。かつては銅鉱山で栄えた町で最盛期には15,000人を超えていましたが、現在では人口はおよそ5,000人の小さな町です。

アイアンウッドの気候は高い緯度にあり、五大湖に近いことからミシガン州でも最も雪が多い地域のひとつです。平均降雪量は4.78メートル、最深積雪は1.8メートルにもなります。このため冬の気温はマイナスになることも多く冬季の平均気温はマイナス10度程度で推移し、最低気温記録はマイナス41度という記録もあります。一方で冷涼な地域であるため夏の平均気温は20度に届きません。しかし、記録だけでみれば夏の最高気温記録では40度を記録しており、内陸らしくその時の気象状況によって高温や極寒となる地域です。ただ年の平均気温は10度に満たないため冷涼な地域と言えます。

アイアンウッドは現在では人口5,000人程度の小さな町ですが、2つの劇場があるなど文化では豊かな特徴があります。劇場はシアターノースとアイアンウッドシアターがあり、このうち後者のアイアンウッドシアターは1928年に建築された収容数1,000人の劇場です。劇場としては1982年まで使われてきましたが、それまでの所有者がアイアンウッド市に寄贈しており、その後は1988年からは非営利文化組織が運営を行っています。
90年近い歴史があるこの劇場には、建設時から設置されているグランド・オールド・レディと呼ばれるオルガンがあります。かつて無声映画の時代において、上映の際には映画の内容に合わせて伴奏が行われましたが、このオルガンもそのために設置されたものです。長らくの間、使用できない状態にあったこのオルガンは、2010年に修復されており、現在では完全に演奏することができます。
1982年に営利目的の劇場として使われていた時には、その時代に合わせた改装が行われてきましたが、1994年以降は建設当時の姿を再現するための修復が行われており、劇場内は1920年代に建てられた劇場の雰囲気が再現されており、また歴史的な建造物であるため1985年に国立史跡に登録されており、アイアンウッドのランドマーク的な存在です。
またもうひとつのランドマーク的な存在となっているのが市庁舎です。この市庁舎は1923年に建設された新古典主義様式の建物です。五角形のコンクリート2階建ての建物ですが、1階部分の天井が高く取られており、光をより取り込むように工夫されています。この市庁舎は、市役所の機能だけでなく退役軍人の記念碑の意味もあり、建物内は市役所としての機能だけでなくホールもあり、宴会や演劇、またバスケットボールの試合などが行われるなど、娯楽的な用途にも使用されてきたものです。市庁舎はアイアンウッド記念館とも呼ばれ、1996年に改装されていますが、市役所の機能は引き続き有しています。また国立史跡には1980年に登録されています。
一方で近代に作られたものでは、カッパーピークと呼ばれる北米最大のスキージャンプ台があります。このスキージャンプ台施設は1969年に建設され1970年から使用されており、1980年から1988年に拡大工事が行われています。1973年に国立史跡に登録されていますが、1994年に国際競技場としては閉鎖されており現在はスキージャンプ台には、ほとんど使われていませんが、立ち入りは可能で夏には観光名所で多くの人が訪れている場所です。

アイアンウッドは高緯度で冷涼な地域にあるため、冬はウインタースポーツを楽しめる場所として、また夏は避暑地として人気があります。観光スポットは、自然ではオタワ国立森林公園で公園内にはビジターセンターやキャンプ場があり、滞在しながら自然を楽しむことができます。このほかにも郊外には豊かな自然を活かした公園が多くある地域です。一方で建造物では、カッパーピークのスキージャンプ台や市庁舎のアイアンウッド記念館、歴史あるアイアンウッドシアターがあります。