アメリカ - ハーリンゲンについて

ハーリンゲンは、アメリカ合衆国の南側にあるテキサス州の都市の1つです。同州の南部リオグランデ・バレーの中心地にあたる、キャメロン郡に位置しています。近隣諸国と共に接するメキシコ湾からは、約48km離れた位置にある街です。キャメロン郡内では2番手、リオグランデ・バレーの中では6番目の大きさを誇る市域面積を持ちます。市域の人口は6万4千人ほど、市を含むブラウンズビル・ハーリンゲン大都市圏の人口は38万人ほどです。物価や賃貸料は国内でも比較的低く、生活費の負担が少ない地域としても知られています。ブラウンズビル大都市圏の主要都市でもあり、マタモロス大都市圏を含む広域都市圏の1つです。
ハーリンゲン市はアメリカ国道77号線と83号線が交わる位置にあるため、交通をはじめ物流や工業の中心地として発展してきました。1904年に商業用水路を引くためにコロラド峡谷を使用する計画が立案され、郵便局が設立されます。翌年の1905年にはヒルホームの近隣に学校が開設、1910年には法人化されました。1920年当時は、野菜と綿花を主産業とする農業の街であったと記録に残っています。第二次世界大戦で軍事施設が建設されたのを皮切りに徐々に人口が増え始め、閉鎖された軍事基地の跡地を多様化経済都市としての発展を遂げる足がかりにします。1980年代に入ってからはトップの柑橘類栽培に次いで観光業の収益が第2位となり、卸売業・小売業や中量工業に加えてサービス業など経済基盤が広がっていきました。現在工業・産業用途で利用している空港は、かつて爆撃機も着陸に利用していた軍事用空港の流用です。
ハーリンゲン市内のランドマークとして、市内北東部にあるバレー国際空港が挙げられます。主要な範囲はリオグランデ・バレーの下流部と北メキシコであり、アメリカとメキシコの国境両側の200万人以上が利用対象です。オースティンやダラス空港、サンアントニオなどに対して直行便がフライトしています。主な陸路は国道77号線と83号線であり、前者は市内を南北に走っていて市域の中腹で後者が合流するという形です。なお77号線は市外のコーパスクリスティにて、州間高速道路37号線とアクセスしています。ロス・インディオスには、最新式の国際貿易橋があります。アメリカとメキシコの交易をスムーズにする、重要な拠点です。
市内中心地から約6km東へと向かった先に、メキシコ湾に面したハーリンゲン港があります。コロラド渓谷から流れるハーリンゲン水路が同港へと行き着き、街の水源としても機能しています。ターミナルおよび操車場を市内に構えるユニオン・パシフィック鉄道は、ハーリンゲン港と産業団地へと結ぶ重要な公共交通機関です。ハーリンゲンは鉄道町としての歴史が長く、それぞれブランウンズビル駅の旧庁舎は博物館、マッカレン駅は法律事務所といったように街のシンボルやランドマークへと姿を変えて利用されています。
テキサス州立工業カレッジの分校を有しており、テキサス大学による地域学術健康センターといった教育および医療機関も豊富です。公共図書館に加えて、国内においても有数の医療センターやソラーラ病院を有しています。市内のヒューラムゼー自然公園内には、観光客だけでなく市民も集まるワールド野鳥観測センターがあります。野鳥観察のための展望塔に加えて、ギフトショップや集会室など多目的に使用できる施設です。
観光地の人気スポットに挙げられるのが、硫黄島記念博物館です。硫黄島を占拠した際の様子を表現したモニュメントが設置されており、今にも動き出しそうなリアルな彫像が印象的なスポットです。当時の歴史を知ることができる資料や物品の展示に加えて、硫黄島記念碑も標榜されています。国際空港の近隣には、ハーリンゲン美術文化遺産博物館があります。こちらも有名な観光スポットの1つであり、市の歴史や文化が知れる他にさまざまな美術品や楽器などを観覧できる施設です。
ハーリンゲン市内におけるおすすめの宿泊エリアは、市域を南北に走る国道77号線沿いに発展している市街地一帯です。幹線道路を中心に大小さまざまな規模のホテルが設置されており、宿泊費も6,000円前後から12,000円前後の宿泊施設が中心で選びやすくなっています。観光拠点やビジネスなど、旅の目的と移動手段との兼ね合いが取りやすいエリアに絞り込んでから宿泊施設を選ぶとスムーズです。