アメリカ - グリーンビル(サウスカロライナ州)について

グリーンビル(サウスカロライナ州)はアメリカのサウスカロライナ州北西部にある、グリーンビル群の郡庁所在地です。アパラチア山脈東麓のピードモント台地上にあり、アトランタとシャーロットのほぼ中間に立地しています。2010年度の国勢調査では58,409人の人口を記録しており、町の大きさとしては州で6番目になります。グリーンビル群とアンダーソン郡を含めた4郡にまたがる都市圏で計算した場合は824,112人、近隣のスパータンバーグ都市圏と、4つの小都市圏をあわせた広域都市として計算すると1,336,656人です。どちらの計算結果でも、州内最大規模に達します。
グリーンビルは通称で「アップステート・サウスカロライナ」とも呼ばれており、サウスカロライナの丘陵地帯にまたがる10郡の経済と文化、教育の中心地でもあります。世界的に有名なタイヤメーカーミシュランの北米拠点があり、20世紀初頭には繊維産業の中心地として栄えました。教育の方ではファーマン大学や、アップステート・サウスカロライナ地域の大学で構成されるコンソーシアムの本部がグリーンビルにあります。
グリーンビルの気候はハッキリした四季が特徴です。具体的には、夏は蒸し暑く、大体温暖であるが時々酷く寒くなる冬、そして安定した春と秋という構成になります。夏の最盛期の7月には平均気温が26度で、最高平均気温は31.5度に達します。月の半分が32度以上になる事も多いです。真逆となる厳寒期の1月では、平均気温が5度で、最低平均気温は－0.5度となり、月の半分は平均気温が大体マイナスに達すると考えて下さい。降水量は年間で大体平均しています。35度超えや、－10度になる様な極端な特徴が無い分だけ、気温の変化で体調を大きく崩す事が多い人にしてみたら、比較的過ごしやすい土地になります。
グリーンビルの歴史は古く、成立は1663年に遡ります。この頃、イングランド王チャールズ2世はカロライナ州を分割し、それぞれの土地を8人の貴族に与えます。この中に現在のグリーンビルに当たる土地もあったのですが、この地を譲渡されたのがアヘン中毒と腐敗政治で悪名高いベンジャミン・ノーウッド4世でした。彼の統治は失敗に終わり、その後この土地は再びイギリス王室の管理下に戻されます。
それから暫くの時間が経った後、1763年にパリ条約が結ばれる事となり、フレンチインディアン戦争が終結するとこの土地は、ネイティブ・アメリカンのチェロキー族の領地となりました。現在のグリーンビル周辺を含む広い範囲が原則白人立ち入り禁止になりますが、既に住みついていた白人の数家族や、交易商等は普通に土地に出入りしていました。そんな流れの中、恒久的に入植した白人のリチャード・ペアリスが登場します。彼はチェロキー族の女性と結婚し、チェロキー族の土地の一部を与えられ、その中に現在のグリーンビル市域や北に広がるパリスマウンテンが含まれていました。
その後の独立戦争では、チェロキー族とペアリスはイギリス側として参戦し、終戦後チェロキー族はデウィッツ・コーナー条約に基づき、この土地をサウスカロライナ州に割譲します。それから、暫く経った1797年に現在のグリーンビルの場所にプレザントバーグ村が創設され、この村が1831年に現在の名前に改名されて、グリーンビルが誕生する事となりました。それから1853年の鉄道開通を経て、町は次第に発展していき現在に至っています。
そんなグリーンビルのランドマークでは、ダウンタウンの北西に立地するグリーンビル郡美術館が外せません。「サザン・コレクション」として、1700年代から現代に至るまでの南部芸術作品に特に力点を入れており、此処でしか見られない作品も多いです。特にジャスパー・ジョーンズ作品の展示は観光としても、一見の価値があります。芸術教室も開かれていますので、少し深めに美術に浸ってみたいという様な時には特にお勧め出来るポイントです。
ランドマーク兼観光にお勧めという点では、フォールズ・パーク・オン・ザ・リーディーという市営公園もあがります。リーディー川付近にあり、自然の滝や遊歩道の綺麗な景色が楽しめるという事でランドマークと呼ぶのに相応しいです。
宿泊については、町全体の治安も良い方ですし、特定の地域に行きたい等の希望が無いのでしたら市内に泊まれば、全体を満遍なく回れます。後は基本的な海外防犯意識を持っておけば楽しい旅行をするのには申し分ないです。