アメリカ - エルパソについて

エルパソはテキサス州の最西端に位置するエルパソ郡にある都市で、アメリカとメキシコの国境の街として知られています。中南米からの移民も多く、市の人口の約8割はヒスパニック系、またはラテン系です。
この街の歴史は古く、10,000年前にはネイティブアメリカンが住んでいたと考えられています。16世紀にスペイン人の入植が始まった頃に住みついていた彼らは、メキシコからの移民やコマンチェリアの捕虜、様々な部族の奴隷とともに、メスティーソと呼ばれる白人とインディオの混血の文化に組み入られていきました。
その後、アメリカ、メキシコ間で起きた米墨戦争の協定により、ニューメキシコはアメリカに編入、スペイン領ニューメキシコの臨時首都であったエルパソはテキサス州に編入され、今でもメキシコ文化が色濃く残る街となっています。
気候は1年を通じて乾燥しており、日中と夜の気温差が大きい砂漠性かつ高地性の気候で、8月の平均気温は27度、1月の平均気温は7度となっています。平年で302日の晴天日があることから、「The Sun City（太陽の街）」と呼ばれています。
エルパソのランドマークといえば、シーニックドライブでしょう。エルパソの街を一望でき、夜景もとても綺麗です。展望台もありますが、ゆっくり景色を眺めたければ近くにあるトムリ―パークがおすすめですよ。
雄大な自然や、アメリカとメキシコの文化が融合された独特な雰囲気を持つエルパソの名所をご紹介します。
・フランクリン山地州立公園
フランクリン山地州立公園は、ハイキングやマウンテンバイクが楽しめる100マイル（161km）を超える遊歩道があります。園内南部、東斜面からは、ワイラーエアリアルトラムウェイがレンジャーピーク山頂まで運航しています。このロープウェイの中から、雄大な自然が眺められます。
・チェミサル国立記念公園
チェミサル国立記念公園は、ビジターセンターに併設されている国境の歴史を伝える博物館のほか、美術館や劇場、野外劇場があります。この公園は、アメリカとメキシコ国境の紛争の歴史や両国の文化を知ることができます。
・フエコ・タンクス州立史跡公園
フエコ・タンクス州立史跡公園は、バードウォッチングやボルダリングが人気です。古代のネイティブアメリカンに描かれた壁画も残っており、彼らの歴史と文化を感じられます。彼らにとってここは、文化的、精神的に重要な地となっています。
・エルパソ動物園
エルパソ動物園は、アジア、アフリカ、アメリカの3ゾーンに分かれており、220種以上の動物が飼育されています。キリンへの餌あげ体験や、野生動物の教育プログラム、回転木馬や汽車などがあり、子ども連れにもおすすめの観光スポットとなっています。暖かい季節は様々な噴水で水浴びができるので、タオルや着替えを忘れずに持って行きましょう。
・エルパソ美術館
13～18世紀のヨーロッパ、19世紀以降のアメリカ、17~19世紀のメキシコ、そして20世紀以降の近現代美術が展示されており、入場が無料です。期間限定の展示会やイベントも随時行っているので、いつ訪れても新しいアートに出会えます。
・ミッショントレイル
エルパソ郊外にあるミッショントレイルは、スペイン人により建てられたミッション（教会）が立ち並んでいます。ダウンタウンから向かうと最初に着くのが、イスレタミッション（Old Ysleta Mission）です。次に、ソコーロミッション（Socorro Mission）、サン・エリザリオ・プレシディオ教会（Presidio Chapel of San Elizario）と続いています。真っ白な教会がエルパソの青い空に映え、美しい光景が楽しめます。

エルパソは大都市とは違った古きアメリカを感じられ、沢山の観光客が訪れます。ダウンタウンや観光地の治安は悪くありませんが、国境付近は治安が安定していません。多くの警察官が配備されており過度な心配は必要ありませんが、夜間や人気のない場所は避けたほうが無難でしょう。
ホテルはダウンタウンや観光スポットの周辺に沢山あり、リーズナブルなホテルから高級ホテルまで、様々なタイプから選べます。レンタカーで移動する場合は、I-10高速道路の付近が便利です。
エルパソでは、ところどころでスペイン語を聞いたり、目にしたりします。メキシコ文化や本場のメキシコ料理もぜひ楽しんでくださいね。