アメリカ - クリーブランドについて

クリーブランド（アメリカ・オハイオ州）の気候は特徴的で、湿気が多く温暖な夏と凍えるような寒さの冬を体験できます。この特徴的な気候の理由は、カナダからの冷たい風がエリー湖を吹き渡ることで湿気を含むことにあります。クリーブランドは降雪量が多く、吹雪のようなブリザードも吹きます。雪は11月中旬から降り始め、エリー湖が凍りつく1月下旬から2月上旬まで降り続くのです。降る雪の量は市内各地で違い、市の東部のスノーベルトと呼ばれる地帯ではひと冬に2m54cmを超えるのも決して珍しくありません。スノーベルト地帯から外れている街の南西地域では、1968年から3度ほど2mを超える降雪があっただけです。クリーブランドでは夏に最も高い気温は1988年6月の40度、冬の最も寒かった気温は1994年1月のマイナス29度でした。平均すると夏は7月に23度ほどの暖かい気温で、冬の寒さの平均はマイナス2度です。年間の降水量は約990mm、年間の降雪量は170cmとされます。この街はケッペンの気候区分では計算上温暖湿潤気候とされますが、エリー湖の南岸や五大湖周辺では広大な冷帯湿潤気候に含まれています。クリーブランドの中心部からエリー湖に向かい延びているモールと呼ばれる緑地の周囲には、20世紀初頭に建てられた新古典主義建築が見られます。市庁舎やカヤホガ群地方裁判所、クリーブランド図書館、市営講堂などです。モール自体も1903年に最も完成度の高い都市美観設計のひとつで、1975年に国家歴史登録財に指定されました。また街のシンボルタワーであるターミナル・タワーは、1930年に完成したボザール洋式の超高層ビルです。52階建てで高さは216mにおよび、1967年までニューヨークを除いて最も高いビルでした。1991年までは街一番の高さであり、ターミナル・タワーの名の通りユニオン駅の上に建てられています。ダウンタウンの中心部にはパブリックスクエアから市の東部ユニバーシティー・サークルへと続く、約8kmのユークリッド・アベニューがあります。この通りは1860年代から1920年代まで、エルムの街路樹と豪邸が並ぶ「百万長者の通り」として名を馳せました。ここにはかつてジョン・ロックフェラーなどの裕福な人々が邸宅を持っていました。それにユニバーシティー・サークル地区は文教地区でもあり、大学や市民ホール、美術館、自然史博物館などの文化施設や教育機関・医療機関が集まっています。クリーブランドの観光ならばダウンタウンのユークリッド・アベニュー沿いに建つ、プレイハウス・スクエア・センターがおすすめです。ここはニューヨークのリンカーン・センターについで大きな規模の、演芸芸術施設です。沢山のシアターがあることからシアター・ディストリクトと呼ばれます。ブロードウェイのミュージカル公演やスペシャルコンサートなどが行われます。さらに、クリーブランドには世界に名を知られる著名な美術館が2つあり、ひとつはユニバーシティー・サークルのクリーブランド美術館、もうひとつはクリーブランド現代美術館（MOCA）です。クリーブランド美術館はアメリカでも有数の規模を持つ総合美術館で、収蔵点数は7万点、展示室の数は70を超えます。1913年に開館してからコロンブス来航以前のアメリカ大陸やヨーロッパ、日本・中国・韓国などの東洋美術品、印象派などの近代から現代美術までのコレクションが収蔵されています。ここでは美術観賞だけでなく美術図書館やパフォーマンスのための舞台、コンサート、映画上映、講義なども行われます。しかも入場は無料ですので、時間があれば足を運んでみてはいかがでしょうか。スポーツ観戦をするにもこの街は最適で、MLB・NFL・NBAの3リーグがチームを置いています。クリーブランド・ブラウンズ・スタジアムやクイック・ローンズ・アリーナ、それにプログレッシブ・フィールドで本場の臨場感を楽しんでみるのもよいでしょう。クラッシック音楽が好きな方であれば、クリーブランド管弦楽の本拠地があることを思い出してください。この管弦楽団はアメリカ5大オーケストラに数えられ、世界でも屈指の実力を持つオーケストラです。冬の時期にはユニバーシティー・サークルにあるシビランス・ホールで公演を行っており、このホールも1931年に建築された新古典建築のひとつに数えられていますので一見の価値があるでしょう。