アメリカ - チャールストン(サウスカロライナ州)について

チャールストン(サウスカロライナ州)はアメリカのサウスカロライナ州チャールストン郡の郡庁所在地であり、最古の港湾都市です。サウスカロライナの南東部の、サウスカロライナ海岸線の中点から南に位置しており、アシュレー川とクーパー川が合わさる河口に立地しています。2010年の国勢調査では、人口は120,083人を記録しており、州内では州都のコロンビア市よりも僅かに少なく2位の規模です。州内でも屈指の成長率を持っており、チャールストンとノースチャールストンを合わせた都市圏で計算した場合の人口は664,607人に至り、この計算での人口でも州内2位になります。
町の名前は、イングランド王チャールズ2世の名にちなんだ物で、1670年にアシュレー川西岸に建設されました。この頃の名前はチャールズタウンと言って、それが10年後の1680年にオイスターポイントと呼ばれる現在の場所に移設される事となり、現在の都市名になったのは1783年の事となります。人口の80%近くは市内と、市内地域に住んでいる事もポイントです。
これ以外の特徴では、チャールストンは低層の都市景観を有名な教会が形作っており、尖塔の多くがスカイライン上になっている事から、「聖なる市」という通称で呼ばれる事が出て来ます。通称の切欠となった出来事は他にもあり、アメリカに13の植民地が成立した当初の時点で非カトリック限定という制限こそあったものの、信教の自由さを認めていた数少ない都市だった事も大きく影響しています。
この頃、多くのユグノー派のキリスト教徒達や、ユダヤ教の信仰を制限なしで認めたという事でユダヤ教教徒達がチャールストンに集まりました。その影響は現在も残っており、アメリカで4番目に古い1749年に建設されたユダヤ教集会所のカハル・カドッシュ・ベス・エロヒムや、アメリカ南部で最古になるユダヤ教のシナゴーグのブリス・ショロム・ベス・イスラエルが町にあります。此処をランドマークに推す声も少なくありません。
チャールストンの気候は、温暖湿潤気候に分類され、冬は温暖ですが、逆に夏は酷く蒸し暑い事が特徴です。1年を通してソコソコ雨が降っており、夏は雷雨が多い事でも知られています。年間降水量の半分は夏に集中する事もポイントで、この時期と秋にはハリケーンも大きな脅威になります。夏の気温の高さとしても毎年恐ろしく高温になる事こそ少ないですが、40℃に上がった事もあるので、湿気や暑さに弱い人は特に注意をお勧めします。長期滞在の場合には、日本では余り馴染みのないハリケーン関係との遭遇も有り得るので、そちらの対策も考えないといけません。
チャールズタウンの歴史は古く、イングランド王のチャールズ2世が1663年に8人の植民地領主とも呼ばれた自分の友人に、サウスカロライナの土地を分割して分け与えた事に端を発します。領主達がそれぞれの土地を整備するまで大体7年程掛かりましたが、その整備が最初に終わった土地が後にチャールストンと呼ばれる事になるチャールストンでした。
やがて1670年にアシュレー川の西堤地区に、「偉大なる港町」と呼ばれる事となるイギリス人の集落が完成し、10年後の1680年には入植者の急増の影響で、現在の位置に町の中心が移る事となります。カロライナ植民地の首都にも設定された事もあり、16世紀後半のイギリス植民地の最南端として町は大きく発展していきます。その後、宗教にまつわる多くの出来事や、アメリカ独立戦争、南北戦争等の混乱期を乗り越え、現在に至っています。
町のランドマークとしては、古い植民地の町ですので数々の名所があります。代表的な物を上げると、1767年に建設された交易所と税関です。アメリカ独立宣言の署名者を匿った地下牢がある事で有名であり、現在はアメリカ独立の娘たちによって博物館として運営されています。他にもギッブス美術館やサムター要塞、ムールトリー砦にヘイウッド・ワシントンの家や各種宗教関連施設等、数えきれない程です。
観光で町を訪れる場合には、何かのテーマを事前に設定し、それに基づいて宿泊計画を立てるのが確実で準備無しだと迷ってしまう程に見所が溢れる町と考えて下さい。行きたい名所が決まっている場合には、アクセスに便利な場所に宿を取るのがベストですが、標準的に大きく回りたい様な時には市内に宿を取って、ツアーに参加してみるというのも1つです。治安情報については特に深刻な報告等は無い観光都市ですので、一般的な海外防犯意識を持っていれば楽しく町を回れます。