アメリカ - バーリントン (アイオワ州)について

バーリントン(アイオワ州)はアイオワの南東部に位置するデモイン郡の郡庁所在地です。人口は2010年度時点の国勢調査で25,663人を記録しており、ミシシッピ川対岸のイリノイ州ヘンダーソン郡の2郡にまたがる小都市圏で考えた場合には47,656人、フォートマディソンやキオカックも含めた広域都市圏として計算した場合には109,761人に至ります。アイオワで最も古くに入植が始まった町でもあり、1838年のアイオワ準州誕生時には最初の準州都にもなりました。ちなみにアイオワ州には「鷹の目の州」という愛称もありますが、その発祥の地としてもバーリントンは有名です。
バーリントンの気候は、やや蒸し暑い夏と乾燥の上厳寒でもある冬に二極化しています。最も蒸し暑い7月の平均気温は25度で、最高平均気温は30度程度であり、日中は月の平均1/3以上の日が32度を超えているのです。逆に厳寒期の1月の平均気温は－4度で最低気温の平均は－9度となっています。降水量は春と夏に多く、秋と冬は少なめです。アメリカ中西部に多い亜寒帯湿潤気候と考えておけば齟齬がありません。長期滞在の予定があり、冬も期間に入るという場合には乾燥や寒さで呼吸器を壊しやすい人等は十分な対策を採っておく事をお勧めします。
バーリントンの歴史は古く、ヨーロッパ人の入植前はこの土地はネイティブ・アメリカンのソーク族とフォックス族の中立地帯であり、「燧石の丘」と呼ばれていました。そんな土地に、1803年にルイジアナ買収の為の地図を欲したジェファーソン大統領により編成されたパイク探検隊が1805年にやってきました。パイクは後にアイオワになる土地に星条旗を立て、砦を築いて土地を確保する事を中央に向けて提案しますが、この提案は却下されます。
それから24年後の1829年にジョン・ジェイコブ・アスターが設立したアメリカ毛皮会社が、この地に交易所を建設した事で少しずつこの地に人が増えて行きます。その後、ブラックホーク戦争を経た1833年にはサミュエル・ホワイト、アムジー・ドゥーリトル、そしてモートン・マッカーバーらがこの地にやって来て本格的な入植が始まります。そして1834年の春に入植地の最初の区画を購入したジョン・グレイはその時に町の名前の命名権も50ドルで入手し、町の名前を自分の故郷のバーモント州バーリントンにちなんで「バーリントン」としました。
その後、1837年にはウィスコンシン準州の準州都がベルモントからバーリントンへ移され、1838年にウィスコンシン準州からアイオワ準州が分割されると、最初の準州都に設定されました。この時の準政府は、オールド・ジオンと呼ばれたファースト・メソジスト教会の教会堂をそのまま視聴者に流用した事でも知られています。1849年5月22日のウィリアム・ウィリアムズ少佐の日記によれば、この時の人口は大体3,000人から3,500人程度だったと推測されます。
この頃、アイオワ・パトリオット紙のジェームズ・エドワーズが友人であったソーク族の酋長ブラックホークに敬意を表し、新聞の名をホークアイ・アンド・アイオワ・パトリオットに変更する出来事がありました。これが後にアイオワ全体の愛称である「鷹の目の州」に繋がったという説があります。他の説で、判事デイビッド・ロアラーが小説でブラックホークの名を見つけて、それが愛称の切欠となった物もありますが、どちらかといえばエドワーズの方が先で、彼は1838年の時点で「せめて老いた酋長の名だけでも忘れ去られないように」とこの愛称を提案しています。その後、水運と鉄道の時代を経て、現在へと至るというわけです。
町のランドマークとしては、1898年に建設された旧バーリントン公立図書館を転用した、デモイン郡ヘリテージ・センター博物館が外せません。町の文化を学ぶという意味で、とても分かりやすい展示に定評があります。市の南東部の1895年に開園したクレーポ公園もランドマークに相応しいです。ホークアイ丸太小屋博物館だったり、植物園やゼブロン・パイク記念碑や野外ステージもある声生んで、国家歴史登録財にも登録されており一見の価値があります。観光で行く場合には、必ずチェックしておきたいポイントです。
宿泊については、クレーポ公園へのアクセスを考えるのでしたら、近くに宿を取るのも1つですがそれ以外の場所も行きたい場合には、市内に宿を確保した方が満遍なく回れます。治安情報も特に問題がある様な物は無いので、一般的な海外防犯意識を持っておけば楽しい観光が出来ます。