アメリカ - ボイシ（ボイス）について

ボイシ（ボイス）は、アメリカ合衆国アイダホ州エイダ郡の郡庁所在地です。オレゴン州に近い同州では最大の都市として知られており、経済や工業の中心地でもあります。アイダホ州全体が治安の良いエリアとして有名ですが、その中心都市であるボイシはモーガン・クイットノー社の2015年・犯罪ランキング「The safest cities（安全な都市）」で、大都市圏の中心都市としてはオハイオ州コロンバス・ユタ州プロボに続きランクインしています。さらに、自然環境が良好で、温暖な気候、そして好景気、物価の安さからもアメリカの中でも「最も生活しやすい都市」の一つに挙げられています。
市の名前の由来は諸説あります。有力な説としては。アメリカ陸軍が率いる探検隊が数週間トレッキングした後にたどり着いた場所が、ボイシ川渓谷だったのです。その際、フランス語を話すガイドが、その美しい景色に圧倒されて「レボワ、レボワ（森、森）」と叫んだことが由来で、名付けられたといわれています。1862年には金鉱が発見され、オレゴン街道の沿線都市として栄えます。その後、20世紀の灌漑（かんがい）によって食品・食肉は工業が成長し、現在はコンピューター企業などIT分野で急速な発展を遂げています。
都市の気候は半乾燥の大陸性気候で四季が存在します。夏は大変暑いですが、乾燥しており、冬は12月の平均気温が-0.7度となり、積雪は平均で48cm程度で適度に寒い気候です。春と秋は穏やかで過ごしやすく、秋の期間は短いという特徴があります。
ボイシの経済ですが、市内で最大の民間企業として知られているのは「Micron Technology」や、電力会社・アイダホパワーの親会社である「IDACORP、Inc.」などが挙げられます。そのほか、ハイテク産業・コールセンター業界の発展も目覚しくコールセンターのいくつかの企業では7,000人以上の雇用をしています。このようにコンピューターや製造業・コールセンターなどの分野で経済が発展しており景気の良い街としても有名です。
一方で、ボイシのランドマークといえばダウンタウンです。ダウンタウンは文化の中心地であり、ビジネス街でもあります。中央に位置する8番街には、歩行者ゾーンがありカフェやレストランが立ち並んでいます。そのほか、レストラン・バー・ブティック・ショップなどが立ち並び昼夜問わず活気に溢れています。なお、アイダホ州議会議事堂もこのダウンタウンにあります。このほかにも、いくつかの名所がありますので、ご紹介します。
・ボイシ美術館
1932年12月3日に「ボイジーアート協会」の名前にて、寄贈された芸術作品を展示するギャラリーとして発足しました。1937年に新しい建物に移転し、1987年に現在の名前に変更されました。なお、アイダホ州では唯一、アメリカ同盟博物館（AAM）による最初の国家認定を受けた美術館としても知られており、現在、3,500点以上の美術品が展示されています。
・エジプト劇場
1927年に発足した市内で最も古い劇場です。劇場の建物はツタンカーメン王の新たに発見された墓に触発されたエジプトの建築仕様であるリバイバルススタイル（古代エジプトのモチーフと画像を使用した建築様式）です。なお、1974年にはアメリカ合衆国国家歴史登録財にも登録されています。
・アイダホ歴史博物館
1881年に設立され、当初は「アイダホ州開拓者歴史協会」という名前で運営していました。その後、1907年にアイダホ州歴史協会が州機関として設立しています。この博物館では250,000点を超えるコレクションが展示されており、アイダホ州の歴史や文化・職業に関する展示がなされています。そのほか、国内でも最大規模を誇る歴史的な武器や軍事記念品などの展示もう有名です。さらに、ボイシ美術館と同様にアメリカの博物館同盟（AAM）の認定を受けており、AAMの認定を受けた最初の西洋の機関であり、アイダホ州では最初の機関としても知られています。毎年、この博物館には30,000人以上の訪問者が訪れます。
ボイシでは急速に経済が発展し、好景気なこともあり治安の良い都市として知られています。また、気候も比較的、穏やかで過ごしやすい街でもあります。また、ダウンタウンにはショップやレストランが立ち並んでいますので、食事や買い物に困ることはありません。より安全にボイシの街を楽しむには、危険区域などを事前に調べておいて、その地区には決して立ち入らないように心掛けましょう。