アメリカ - アンカレッジについて

アンカレッジは、アメリカ合衆国アラスカ州で最大の都市です。州都のジュノーより規模が大きく、北アメリカを代表する港湾都市となっています。亜寒帯湿潤気候で、冬の最低気温は平均してマイナス10度前後、夏の最高気温は20度前後です。そのため夏はとても爽やかで、ハイキングや氷河クルーズに適し、冬は寒いですが、さまざまなウィンタースポーツを楽しむことができます。また秋から冬にはオーロラが見られ、幻想的な雰囲気に包まれます。
大自然が広がるというイメージがあるアンカレッジですが、ダウンタウンは整然と区画された中にビルやホテルが建ち並ぶ近代都市です。チュガッチ山を背景にしたスカイラインは、まさにアンカレッジのランドマーク的存在です。自然と人工の調和がとれた都市として、全米都市賞を受賞したこともあります。また文化都市としての一面も併せ持ち、博物館などの施設が充実しています。
おすすめの観光スポットをいくつか紹介しましょう。まず、なんといってもアラスカ鉄道です。アンカレッジはこの鉄道の起点で、アラスカ第2の都市フェアバンクスと結ぶ便が有名です。車内設備が充実していること、窓から見る大自然の素晴らしさなどから、12時間の列車の旅もあっという間に過ぎてしまいます。
さらに大自然を楽しむには、チュガッチ州立公園やデナリ国立公園があります。前者はアメリカで3番目に大きな州立公園で、とても1日では回りきれないような広さです。景色も素晴らしく、野鳥の宝庫ともいわれています。一方、デナリ国立公園は、北アメリカ最高峰のデナリ、かつてのマッキンリー山がそびえ立つ、四国と同じくらいの大きさの国立公園です。アラスカ鉄道でアンカレッジから7時間半、車なら6時間で行くことができ、飛行機を利用すると、上空から公園を一望することもできます。公園内には夏季限定でシャトルバスが走っています。1年のうち半分は雪に閉ざされていますが、野生動物も多く、草原の夏の緑や秋の紅葉がとても美しい場所です。
ポーテージ氷河もアンカレッジから近くにあり、おすすめの観光スポットです。観光船クルーズを利用すると、氷河を間近で見ることができます。さらに一帯をトレッキングするコースもあり、この場合は氷河に触ることも可能です。日本では見られない壮大な氷河の風景を見ることは、一生の思い出となるでしょう。
動物好きの人におすすめしたいのは、アラスカ動物園とアラスカ野生動物保護センターです。前者は小規模な動物園で、野生のホッキョクグマやアラスカ固有の動物たちを見ることができ、寒い気候に適応した、ふかふかの毛皮の動物たちに目を引かれます。後者はケガをしたり、親とはぐれたりした野生動物を保護している場所で、自然に近い形で育てているので、普段あまり目にしない動物も見ることができます。野生動物とどのように共存していくのかを考える、良い機会になるかもしれません。
大自然以外にアンカレッジを楽しむには、アンカレッジ博物館がいいでしょう。アラスカ州で最大の博物館で、美術館や科学館としての機能もあります。アラスカの歴史や先住民文化の展示がされています。イマジナウム・ディスカバリーセンターは、大人も子供も地震の揺れなどの体験をすることができる科学館です。トーマス・プラネタリウムでは太陽系や宇宙のことについて学べるプログラムがあります。レストランも併設されていて、アラスカのシーフードを使った料理を味わうことができます。
航空機好きの人には、アラスカ航空遺産博物館がおすすめです。さまざまなモデルの飛行機が展示されているだけではなく、航空史について知ることもできます。ここは、アンカレッジ国際空港から徒歩5分の距離にあるので、アンカレッジに着いたらまずこの博物館を訪れるのもいいでしょう。
他に、アンカレッジにはレゾリューション・パークがあります。ここからのデナリ山や海の眺めは格別です。イギリスの探検家であるキャプテン・クックの銅像があり、レゾリューションというのは彼の船の名前にちなんでいます。このキャプテン・クックの名を冠したホテルもアンカレッジ市内にあります。
アンカレッジは、かつて日本からヨーロッパへの航空機の旅の中継地となっていましたが、直行便は現在ありません。今はシアトルで乗り換える方法が一般的で、日本から約13時間かかります。市内の移動は、ピープルムーバーと呼ばれるバスを使用したり、レンタカーやタクシーを使ったりすることができます。