アメリカ - アルバカーキについて

アルバカーキはアメリカ合衆国の南西部にあるニューメキシコ州の都市です。同州の中央部に位置する都市で、州内でも特に工業や商業が発展した都市として知られています。アルバカーキはアメリカ国内でも非常に古い歴史を持つ都市として知られていて、町が建設されたのは1706年のことです。市の面積はおよそ469平方キロメートルで、そのうちのほとんどが陸地です。市内の人口は2018年のデータでは、およそ56万人となっており近年ではIT産業の拠点としても知られていて、地域の人口は増加しています。昔から地域の貿易の中心地としての役割を果たしていて、農業も各地で行われていました。アルバカーキの気候はケッペンの気候区分では、冷涼なステップ気候に属しています。年間の平均気温は14度ほどで、1年を通して気温があまり高く上がらないので過ごしやすい気候となっています。一番気温が高くなる夏場でも平均気温は25度前後です。冬の平均気温は0度近くまで下がりますが、一番寒い12月から1月にかけての時期でも、平均気温は2度前後です。年間を通して雨の量は少なく、一年間の平均降水量は240ミリ程度です。一番雨が多いのは7月から8月にかけての時期ですが、それでも月の平均降水量は40ミリ前後です。雨が少ないのは冬の時期で、平均して一月に10ミリ前後の降水量の月が続きます。アルバカーキは冬に雪が降ることもありますが、その量はそれほど多くなく、一年を通しての平均的な降雪量も24センチ程度です。毎年10日前後雪の降る日があります。雨が少ないために湿度も年間を通して低い地域で、年間の平均湿度は44パーセント程度です。
市内には都市を代表する多くのランドマークがありますが、その中でも観光客におすすめのエリアがセントラル・アベニューです。この地域にはアルバカーキの歴史的なランドマークとしても有名なキモ・シアターという劇場があります。建物はプエブロ・デコ様式で建設されていて、建物自体も貴重な価値を持っています。建物の角の部分が丸くなっているのがこの建築様式の特徴で、建物に使用されている装飾のモチーフは、ネイティブ・アメリカンの文化からヒントを得ているということです。この建物はイタリア系アメリカ人の夫妻によって20世紀の初頭に建設されて、建物の様式にネイティブ・アメリカンの文化が取り入れられているのは、夫人がネイティブ・アメリカンの文化に敬意を持っていたからです。劇場がオープンしたのは1927年のことで、そのときオーナー夫妻は、劇場の名前を50ドルの賞金をかけて一般市民から公募しました。このとき募集された名前には条件がつけられていて、ネイティブ・アメリカンの名前であること、アステカ、ナバホなどの建築様式を取り入れた建物にふさわしい名前であること、6文字を超えてはいけないことなどが具体的な条件でした。キモ･シアターという一風変わった名称もこうした経緯でつけられたのですが、これは地元の言葉で、山に住むライオンと言う意味です。劇場がオープンされた日にはネイティブ・アメリカンのダンサーや歌手が、舞台の上でパフォーマンスを行いました。劇場はその後、アルバカーキ市に買い取られ、市ではこれを歴史的な価値のある施設として保存し、建物内を新しくリニューアルしました。座席やカーペットなども新しいものと交換され、舞台に必要な技術用のブースなども新たに造られています。照明の位置も工夫され、新しい劇場として生まれ変わったキモ・シアターは現在でも、アルバカーキを訪れる多くの観光客が足を運んでいる人気のスポットです。2011年には開業当時使用されていたネオンサインのレプリカが新たに設置されて、往年のキモ・シアターの雰囲気を忠実に再現しています。市内ではオールドタウンも観光客に人気のある地域で、この地域にはスペインの文化の影響が見られる建物などが多く残っています。観光客が多く訪れる地域であることから、この地域には土産物屋や飲食店なども多く存在し、グルメや買い物も楽しめるエリアです。この地域には先住民の文化センターもあり、アメリカ先住民の文化である工芸品などが紹介されています。この地域の近郊には日干しレンガを使用した、ネイティブ・アメリカの建築様式で建てられた建物も多く存在します。先住民の文化とスペインの文化がまざり合ったオールドタウンは、市内でも独特の雰囲気がある魅力的な観光スポットです。