アメリカ - アクロン/カントンについて

アクロン/カントンは、アメリカ合衆国オハイオ州の北東部に位置する都市です。
アクロンは人口約20万人で1825年に創設されました。当初から運河交通の要所で様々な産業が興っています。特に20世紀初頭は、グッドリッチやグッドイヤー、ファイアストンやゼネラルタイヤと世界でも有名なタイヤメーカーが相次いで創業しています。それに伴い労働者の住宅需要が高まり、住宅地の開発を各メーカーが行い人口は一気に3倍にまで膨れ上がりました。高成長を遂げたアクロンは、「世界のゴムの都」と呼ばれるまでになります。また、南北戦争前後から北軍の食料となったオーツ麦、全米初のパトロールカーやヨードを添加した食塩など発明品も次々と生み出されます。さらに、1847年には全米で現在標準となっているK-12学年制教育の先駆けであるアクロン学校法が成立します。アルコール依存症が疾患として認定され、アルコホーリクス・アノニマスが発足したのもこの地です。
カントンは人口約8万人で1805年に創設されました。ジョン・オドネルという貿易業者が中国の広東からボルティモアまで商品を最初に運んだことを記念して、町の区画を分けたサーベイヤーであるベザリール・ウェルズが中国の広東市に因みつけたとされています。多くの鉄道が通ったため製造業が中心となるが、川沿いでもあるため農業も盛んな土地です。ウィリアム・マッキンリー大統領（第25代大統領）の第2の故郷であり、ウィリアム・マッキンリー大統領図書館があることでも知られています。

気候は湿潤大陸性気候で夏は日本と同じで湿度が高くムシムシした暑さ、冬は氷点下となる厳しい寒さとなります。早いところでは10月から雪が降り始め、4月くらいまで続くので積雪シーズンの観光には注意が必要です。

製造業のイメージが強いアクロン/カントンですが、美術館や博物館、美しい自然など観光スポットも多く存在しています。そんな観光スポットをいくつかご紹介します。

・スタン・ハイウェット・ホール&ガーデンズ：グッドイヤータイヤ創業者の元お屋敷です。広大な敷地にはメインの65室もあるマナーハウスやイングリッシュガーデン、日本庭園やローズガーデンなどたくさんの見所があります。また、ツアーも充実しており事前にチケットを購入できるようになっているので興味のある方は事前にチェックしておくとよりスムーズに観光できるでしょう。

・アクロン美術館：1850年から1950年にかけてのアートが展示されています。西洋アートやランドスケープに特化した写真、オブジェなど、普通の美術館とは違うユニークな作品が多い印象です。この美術館は見た目もユニークで観光客の目を引来ます。アート展示だけではなく、図書館やガーデン、カフェやギフトショップもあるので時間を多めにとってゆったりと観光することをおすすめします。

・アクロン動物園：ジャガー、レオパードやアルパカ、フクロウやフラミンゴ、コモドドラゴンなど多種多様な動物が展示されています。動物園の目玉アニマルショーでは、飛んだり、登ったり動物たちの可愛い姿を観察できるでしょう。また、様々な見学プログラムが事前予約すれば体験できます。飼育員の掃除や食事の用意を見学できたり、動物の健康診断やアニマルショーのトレーニングに立ち会えるプログラムがあります。

・ウィリアム・マッキンリー大統領図書館：マッキンリー大統領が実際に使用していたアンティークが展示されており、歴史を学べる観光スポットです。中でも19世紀の町を実物大で再現し体験できるレプリカは、当時の家具屋や美容室、食料品店のレトロな商品などを見られて人気です。

・カントン・クラシックカーミュージアム：技術者とデザイナーが威信をかけて作り出した、40台のクラシックカーが展示されています。クラシックカー好きにはたまらない場所でしょう。コロコロと可愛いものから、エンジンむき出しの強面のものまで種類は様々です。ギフトショップではパズルやモデルカーなどお土産にできる商品もあります。

・シッポ・レイク・パーク：カントンにあるシッポ・レイクという湖の周りにある公園です。駐車場や芝生の公園、ピクニック用の屋根付きシェルターやプレイグラウンドなど施設が充実しています。湖の周りを歩けるトレイルのコースもあり、付近に生息している野鳥や魚など湖の美しい景観とともに楽しめます。

歴史的な建物、美術館や博物館が多くあり観光客に人気なアクロン/カントンですが、治安はあまり良いとは言えません。夜間の外出は控え、高価なものを身に着けての行動は控えましょう。