スペイン - サンセバスティアンについて

サンセバスティアンはスペイン北部のバスク地方に位置します。スペイン屈指の観光地の一つであり、今や世界的に有名となった名物のバスク料理が味わえるのはもちろんのこと、国際ジャズフェスティバルや50年以上の歴史を誇る国際映画祭なども行われており、見所満載なエリアです。観光客にとって、一年を通じて暖かく穏やかな気候も魅力の一つですが、バスク地方は雨が多いことでも知られているため、雨の日用の観光プランも用意しておくと安心です。サンセバスティアンで最も有名なものといえば、なんといってもバスク料理と言えます。サンセバスティアンが「美食の街」と言われていることは、今や世界的にも知られていますが、バスク料理とはもともと、フランスとスペインの両国にまたがっている地域で、そこに居住するバスク人の間で作られていた料理です。なかでも有名なのはピンチョスで、ピンチョスとは小さく切ったパンに少量の食べ物が乗せられた軽食です。サンセバスティアンにはピンチョスを手軽に味わうことができるバル（イタリア、スペインなどの南ヨーロッパで気軽に立ち寄れる酒場のことを指します）が旧市街に数多く集まっており、地元産のお酒も存分に楽しむことができるので、お酒が好きな方にはバル巡りは大変おすすめと言えるでしょう。食文化についてご紹介しましたが、続いては観光スポットについて紹介していきます。サンセバスティアンで最も有名な観光スポットといえば、ラ・コンチャ海岸です。「コンチャ」とはスペイン語で「貝」を意味し、ラ・コンチャ海岸は湾の形が貝のようであることから、その名がつきました。このラ・コンチャ海岸はスペインで最も美しいビーチとして大変有名です。海岸沿いは遊歩道が整備されており、歩きながらゆっくりとその景色を楽しむことができます。夏季には小型船の運航があり、湾の中央部にあるサンタ・クララ島へ行くこともできます。小さな島ですが、安全管理されたビーチで、バルやレストランもあるため、ゆっくりと時間を過ごすことが出来るでしょう。そのほか、サンセバスティアンではクルサール国際会議場・公会堂も有名な観光スポットの一つです。7月には国際ジャズフェスティバル、9月にはサンセバスティアン国際映画祭がこの会場で催されます。メインとなるのは大規模イベントなどで使用されるクルサール公会堂ですが、レストランが入っていたり、地下にはショップもあることから、イベント以外でも楽しめるランドマークになっています。サンセバスティアン観光でぜひ足を運んでみていただきたいのが旧市街です。海岸沿いのリゾート風景とはまた違った、古風で趣のある街並みが大変魅力的で、歴史的建造物も多く残されています。この旧市街にはサンセバスティアン一のバル街があります。入口に建つのはサンセバスティアン市庁舎です。1832年に建てられ、もともとはカジノとして使用するための建物でしたが、現在は市庁舎や図書館として使われています。まるで宮殿のような立派な外観から重厚な歴史が感じられるでしょう。旧市街の北東にあるのは、サン・テルモ博物館です。16世紀に建てられた修道院ですが、現在は博物館として使用されています。サンセバスティアンの歴史を知ることができる場所であり、建物全体の芸術性が素晴らしく、ぜひ一度は見ていただきたい建築物の一つです。ブレチャ市場も有名で、地下がスーパーマーケットになっており、地元バスクでとれた食材を手に入れることができます。このブレチャ市場にもバルが入っているので、食材巡りをしながらバルで軽食をとるのもおすすめです。旧市街から少し足を延ばすと、こちらも観光名所であるモンテ・イゲルドという山があります。1912年よりケーブルカーが運行されるようになりました。スペイン全体でも3番目に古い歴史あるケーブルカーです。旅の思い出としてぜひ乗ってみてはいかがでしょうか。山頂には展望台や遊園地があるほか、展望台からサンセバスティアンの市街地や、先にご紹介したラ・コンチャ海岸など、美しい町並みを一望できます。旧市街からモンテ・イゲルドまでは路線バスで向かうことができるため、市街地からのアクセスも良く、お天気の良い日にはおすすめの観光スポットです。スペインは「情熱の国」と呼ばれ、マドリードなど中心地の都会的なイメージを持っている方が多いかと思いますが、サンセバスティアンは海や山を満喫でき、古風な町並みに暖かな気候と、穏やかな時間の流れを楽しむことができます。サンセバスティアンの醍醐味であるバル巡りを楽しみながら、サンセバスティアンでスペインの新たな一面に出会ってみてはいかがでしょうか。