南アフリカ - イーストロンドンについて

イーストロンドンは、南アフリカ共和国の東ケープ州アマトーレ郡バッファローシティー メトロポリタン市にある都市です。インド洋に面しており、南アフリカの南東海岸にあるバッファロー川とナホーン川の間に位置し、国内で唯一の河港があります。ドイツの世界的自動車メーカーの工場があることで有名な都市で、この工場で生産された自動車はイギリスや北米、日本などへ輸出されており、自動車産業が盛んです。
南アフリカで唯一の河港の周りに形成され、当初はポートレックスとして知られていました。1848年に市街の建設とともにイギリスの首都にちなんでロンドンと改名されたあと、イーストロンドンと名付けられました。ポートレックスは、かつて町の中心でした。
19世紀初頭から中ごろにかけてイギリスの入植者と地元のコーサの住民との間で勃発したカフィール戦争では、近くのキング・ウィリアムズ・タウンの軍事本部への補給港として機能しました。1847年には、イギリス軍司令官によりグラモーガン要塞が建設され、同じ年にケープ植民地に併合されました。イギリス領カフラリアとして知られるようになった国境地帯にあるマレー要塞、ハーディング要塞、ホワイト要塞、ベレスフォード要塞、グラモーガン要塞などは、イギリス軍が建造した一連の要塞のひとつです。
その後の港の開発により、ドイツ人の入植者などによる定住が始まりました。子孫は減ってはいるものの、現在でも、ゲーリング、ザルツヴェーデル、ペインケなどといったドイツ語の姓が一般的です。
インド洋に隣接するバッファロー川の河口にある既存の港は、1870年に操業を開始しました。1872年、ケープ植民地は最初の首相であるジョン・モルテノの指揮の下、イギリスからある程度の独立を達成しました。1873年、新政府はイーストロンドン、イーストロンドンイースト、パンミューアの3つの近隣の集落を合併し、現在の自治体の中心を形成しました。1876年には川の東岸からローカル鉄道の建設を始め、これと同時に、イーストロンドン港の建設も開始しました。これらの新しいインフラによりこの地域は急速に発展し、現在の都市としての発展につながりました。
海洋気候に区分され、1年を通しとても温暖な気候です。年間を通じて風が強く、ほぼ晴れています。南半球に位置しているため、日本と四季が逆です。
市内にはローカルバスが走っています。イーストロンドン駅からは、ローカル線だけでなく、ケープタウンとヨハネスブルグへの鉄道が走っています。イーストロンドン空港があり、国内の他主要都市へのフライトがあります。
イーストロンドンにあるおもな観光スポットをいくつかご紹介します。
・イーストロンドン博物館
オックスフォード・ストリートの北端にあるイースト・ロンドン博物館は、1921年に設立され、シーラカンスの展示で世界的に有名な自然史博物館です。8000万年以上前に絶滅したと考えられていた先史時代の魚であるシーラカンスが、1938年にイースト・ロンドン近郊のチャルムナ川で漁師によって捕獲されました。このほか、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、地域の海洋史の展示やドードーの卵などの展示もあり、地元のコーサ語を話す人々の美しいビーズワークなど、みどころの多い博物館となっています。
・シティ・ホール
オックスフォード・ストリートとアーガイル・ストリートの間にある素晴らしいビクトリア朝様式のシティ・ホール（旧市庁舎）は1899年に完成しました。市内中心部に現在も残る、数少ない植民地時代の建物のひとつで、町のランドマークのひとつでもあります。「ビクトリアの塔」と呼ばれる時計塔は、ビクトリア女王の即位60周年を記念して追加されたものです。
・イーストロンドン動物園
中心地から近く、植物園もある、定番の観光スポットのひとつです。
このほかにも、自動車が必要とはなりますが、郊外へ足を運べば、広大な自然の中の野生の生き物を観察できる人気の施設も複数あり、付近には宿泊施設もあります。美しいビーチが有名で、海沿いにはリゾートホテルが立ち並んでおり、バカンスシーズンには特に人気があります。市内中心部に最も近いオリエント・ビーチは防波堤が設けられており安全なビーチで、このエリアの宿泊がおすすめです。家族連れにもびったりです。
南アフリカの他の都市同様、この都市も治安がいいとは言えず、場所や時間によってはスリやひったくりなどの犯罪が見られる都市です。特に女性の一人歩きは避け、滞在中は十分に注意しましょう。