ルーマニア - ヤシについて

ヤシは、ルーマニアの北東部ヤシ県にある都市の一つです。人口は31万人ほどありルーマニア東部の主要都市の一つです。ルーマニアがモルダヴィア公国だった頃、ヤシは首都で現在ルーマニアでも第二の大きさを誇る都市です。
モルドバ共和国に隣接したヤシは、異文化交流の場とも言われています。過去に何度となく侵略され、国もかわってきたヤシは、国がルーマニアになってからも歴史の象徴的な場所で、文化、芸術などの中心地です。
ヤシには、夏は35度を超えるほど暑くなり、冬は降雪もある地域で、気温も夜間は氷点下になることも多くい寒い地域です。夏場は湿気が多いのも特徴です。
文化都市として発展してきたヤシには、歴史的建築物も多く、ネオゴシック様式の文化宮殿（パラトゥルクルトゥリ）は都市のランドマークといえます。
・文化宮殿
現在は美術館、モルダビア歴史博物館、モルダビア民俗学博学館、科学技術博物館と四つの顔をもち、モルダビア国立博物館コンプレックスとも呼ばれています。見所の一つに、入り口そばの時計塔があります。時計塔は、一時間おきに音楽を鳴らすカリヨンの鐘がついています。
夜には時計塔がライトアップされるので訪れてみるのもいいでしょう。その他の見所に、ゴシックルームがあります。
・美術館
文化宮殿の一階部分で1860年に建築された最も古い部分が、美術館として使用されています。館内にはルーマニア最大のアートコレクションが展示保存されています。常設展示場はユニバーサルアート、ルーマニア現代アート、現代アートギャラリーの三つのテーマにわかれています。
・モルダビア歴史博物館
先史、古代、中世氏、現代史にわかれた展示方法で、48000点以上もの展示品を見ることができます。見所のひとつに、マンモスの頭蓋骨があります。
・モルダビア民俗学博物館
1943年に設立されたモルダビア民俗学博物館では、モルダビアの住人のかつての暮らしを学ぶことができます。伝統的な民族衣装も展示されています。
・科学技術博物館
8500点以上の科学技術に関するコレクションをもっていたStefan Procopiu博物館が、1994年に名前をかえてオープンしたのがこちらの科学技術博物館です。
・ゴリア修道院
ゴリア修道院は、1660年に完成したルーマニア正教会で、国の歴史的建築物に登録されているだけでなく、欧州文化遺産賞を2012年に受賞している建物です。ヤシの街の中心部にあるこのゴリア修道院は、バロック、ビザンチン、ルネッサンスなどの建築様式が合わさっています。
修道院の見所のひとつに30mほどの尖塔があり、塔のてっぺんまで階段が120段あり、ゴリアの塔と呼ばれています。
・ルーマニア正教大聖堂（Catedrala Metropolitana Iasi）
文化宮殿そばにあり4つの塔が印象的な白亜の教会がルーマニア大聖堂です。外観はイタリアルネッサンス様式の建築ですが、内部にはバロックの雰囲気がちりばめられています。教会は1833年と1839年の間に建設されました。
・トレイ・イェラルヒ教会（Biserica Trei Ierarhi）
ヤシにある17世紀に建てられた教会で、国の歴史的建造物に登録されているほか、ユネスコ遺産の暫定リストにも名を連ねています。教会は、モルダビアの三聖人に敬意を払う形で、1637～1639の間に建立されました。教会の中には、王室の何名かが埋葬されています。
教会の見所は、まるでレースのような繊細な石の装飾です。東洋と西洋美術があわさったような独特のスタイルでとても美しいものです。
・ヤシ国立劇場（Teatrul National Iasi）
ヤシ国立劇場とよばれる建物は、国内最古の国立劇場と呼ばれており、演劇などを見る施設です。1840年に開業した国立劇場は、1956年に有名な劇作家の名前をもらいヴァシレ・アレクサンドリとも呼ばれます。劇場の外観はネオクラシック調ですが、内装のインテリアはロココ様式になっていて、大変洗練されたものとなっています。
天井にはニンフとキュービッドの絵が描かれていて、大変エレガントです。館内には1418個の電球と109のベネチアンガラスランプでできたシャンデリアがあり、見どころの一つです。
首都ブカレストからヤシまでは飛行機でおよそ1時間です。空港から町中までは、電車で15分ほどです。ホテルは町の真ん中の文化宮殿周辺にたくさんあり、他の観光名所委も訪れやすいのでおすすめです。