モロッコ - ラバトについて

ラバトは、アフリカのモロッコ王国の首都です。モロッコでは観光地としてマラケシュやカサブランカが有名ですが、モロッコで第3番目の都市として、重要な役割を担っています。街は、旧市街と新市街で大きなギャップがあり、その落ち着いた雰囲気は他のどの都市とも違って、人気があります。
首都ラバトは、人口約65万人、新市街と旧市街の両方が世界遺産に登録されている珍しい街でもあります。旧市街は、12世紀にムハッヒド朝によって築かれた街で、新市街は、20世紀前半のフランス統治時代にフランス人によって作られたので、ヨーロッパの街角を思わせるカフェや建物を見ることができます。まさにヨーロッパとアラブを融合した街で、治安もよく日本人が気に入る旅先の一つとなるでしょう。

ラバトの街の空港は、最寄りの空港が、車で20分ほどの近郊の街のサレにあるラバト=サレ空港があります。また、カサブランカからは電車で約1時間、市内の交通にはトラムが走っているので、他のモロッコの街にはない便利さが特徴的です。

ラバトの気候は、地中海性気候のため、温暖で一年を通して比較的快適に過ごせます。夏の最も暑い月でも平均最高気温が28度、空気は乾燥していますが天気の良い日が多いのが特徴です。また冬の一番寒い月でも平均最低気温が約8度、平均最高気温が18度と日本の冬よりも暖かく感じるでしょう。一年を通して観光を楽しめますが、天気のいい観光シーズンは6月～9月くらいがお勧めです。観光の際には日差しが強いので、帽子やサングラスなどを用意しておくといいでしょう。また、モロッコはイスラム教の国なので、夏でもショートパンツにタンクトップなどは避けたほうがよく、女性はスカーフを一枚用意しておくと便利です。

ラバトのランドマークと言えば、やはりハサン塔です。このハサン塔は実は未完の塔でもありますが、重要なスポットとして多くの人が訪れています。他にも歴史ある遺跡などがこの街の見どころです。コンパクトで静かな街ですが、魅力的な観光地が多くあるので、十分に堪能できるでしょう。

ハサン塔
ハサンの塔とは、1195年ヤークブ・アル・マンスール王が建て始めたモスクのミナレット（塔）のことです。しかしこの王の死後、建設が止まってしまった為、未完の塔として知られています。当初は塔の高さ88mが44mの高さで止まっていますが、毎年多くの観光客が訪れています。また、この塔のすぐそばにあるモハメッド5世の墓（霊廟）は、観光客も内部まで入ることができるので、立ち寄ってみるといいでしょう。

ウダイヤのカスバ
旧市街にあるウダイヤのカスバもまた有名です。カスバとは「砦」のことで、このあたり一帯の城塞、集落が観光地のウダイヤのカスバと呼ばれています。17世紀にかつての城壁を城塞に作り変えたこのオレンジに近い茶色の石造りの砦は、大きく、不思議な気分にさせてくれます。内部をずっと奥まで歩いて行くと展望台があり、海に繋がっています。この近くの集落では目も覚めるような青が特徴的な壁の一角もあり、写真スポットとしてよく知られています。
また、この近くには「ウダイヤ庭園」もあります。この庭園はアンダルシア風庭園の傑作とも言われるスペイン風の庭園で、美しく静かな空間を満喫できます。

シェラ遺跡
ラバトの街の南にあるシェラ遺跡は、この街で最も古い遺跡です。古代ローマ時代の都市から残ったもので、ずっしりとした門の先には、中世のモスクやミナレットなどを見ることができます。古代ローマ時代の遺跡に中世のモスクが建てられていたという面白さ、非常に古い遺跡なので、風化している部分もありますが、冒険心をくすぐる場所です。

ラバト王宮
現国王とその家族が今も住んでいる場所がラバト王宮です。1864年に建設され、城壁の中には競馬場や兵舎などもあり、また向かいには、モロッコ最大の大学、ムハンマド5世大学もあります。また、王宮に繋がっているルワー門も見どころで、800年という歴史をもつ巨大な門です。また門だけでなく、絵画などの作品が展示されている場所もありますので、じっくりと観光をしたい場所の一つです。

ラバトでの宿泊場所では、目的にあわせて海のそばのリゾートホテルや、街の中心の高級ホテルからホステルまでたくさんあります。中心部であれば、空港へも便利でまたトラムもあるので観光に行く際にも困りません。街の治安は他のモロッコの都市に比べると治安が良いと言われますが、深夜の街歩きには十分注意しましょう。