マルティニーク - フォールドフランスについて

フォールドフランス（フォール・ド・フランス）は、カリブ海の小アンティル諸島南部に位置するウィンドワード諸島にある、フランスのコミューンです。フォール＝ド＝フランス湾の北側の入り口にある、マルティニーク島の西海岸にあります。フランス海外県マルティニークの県庁所在地で、カリブ海の主要都市のひとつでもあります。フランス語表記で「Fort-de-France」は、日本語では「フランスの要塞」という意味で、日本語では「フォール＝ド＝フランス」とも表記されます。丘と海に挟まれた平野にあり、島内のどこからでも道路でアクセスできる町です。ユネスコが支援しているフランスのNGOである、世界で最も美しい湾クラブに加盟しています。
もともとは「フォール＝ロワイヤル（Fort-Royal）」と名付けられたこの町は、「カリブのパリ」として商業、文化において活気のある町として知られていた、県庁所在地のサン・ピエールに隠れた存在でした。フランス革命時代に、短い期間「フォール＝ラ＝レピュブリック（Fort-La-Rpublique）」と改名されましたが、19世紀内に最終的にフォール＝ド＝フランスとして定着しました。旧名である「フォール＝ロワイヤル」は、地元で話されているクレオール語で「フォワイヤル（Foyal）」と、親しみを込めて現在でも使用されています。
1839年に起こった地震で町は部分的に破壊され、1890年の火災でも被害を受けています。火山のプレー山の噴火により、サン・ピエールの町が壊滅的な打撃を受けたため、1902年に県庁所在地となり、経済的に重要な都市となりました。1918年に商業的な成長が始まるまでは、フォール＝ド＝フランスの水道設備が整っていなかったために水の供給が不十分で、周辺を沼地に囲まれており、黄熱病の発生で悪名高い状態にありました。現在では、湿地は干拓されて、広範囲の郊外のコミューンに明け渡されています。
熱帯雨林気候に区分され、年間の日中平均気温が25度前後と、一年を通して暑く、湿度の高い気候が特徴です。山間においては、気温はやや低くなります。最も雨の多い月は、ハリケーンが多い7月から11月までですが、年間を通して雨が降ります。
市内中心地から南に12kmに位置するラマンタン市に、マルティニーク・エメ・セゼール国際空港があります。市内には複数の路線があるバスが運行されており、郊外とを結んでいます。なお、島内のその他のエリア行きのバスは運行されていません。乗り合いタクシーがよく使われており、島内では最も便利な移動手段です。平日は毎日、早朝から18時まで30分間隔で運行されています。タクシーもありますが、マルティニークでは比較的高価な移動手段となります。平日夜間から早朝にかけての時間単や、日曜日においては40％の割増料金がかかります。レンタカー業者が多数あり、観光客の利用も多く、市内の交通事情を考慮すると、一番観光に便利です。島内の幹線道路はほとんどが舗装してあります。
市内には歴史のある建造物も多くあるフォール・ド・フランスのおもな観光スポットをいくつかご紹介します。
・サン＝ルイ要塞（Fort Saint-Louis）
フォールドフランス最大のランドマークとして知られている歴史ある要塞です。1638年、マルティニークの最初の知事であるジャック・デュパルケが敵の攻撃から町を守るために建設するもすぐに破壊され、1669年にバース侯によって再建されたものです。バース侯の命令と、のちの継総督によって、ヴォーバン式の要塞が建てられました。フランス海軍基地として現在においても使用されており、基地部分は立ち入り禁止となっています。
・サン＝ルイ大聖堂（Cathdrale Saint-Louis de Fort-de-France）
1850年に建てられたローマ・カトリック大聖堂です。大聖堂の内部が美しく、1995年にフランスの歴史的建造物に登録された、とても人気のある観光名所のひとつです。
美しいビーチでも知られるフォールドフランスには、ビーチ沿いに多くのホテルがありとても人気があります。レンタカーを借りる場合は中心地から少し離れたビーチ沿いもおすすめですが、特に徒歩やバスをメインで観光する場合には、観光名所も近く、レストランやスーパーなどの周辺施設が充実している中心地に近い海岸沿いが便利でおすすめです。