インド - ラクナウについて

ラクナウ(ラクノウ)はインドの北東部にあり、ニューデリーの南東500kmに位置する都市です。インドウッタル・プラデーシュ州の州都でもあり、およそ300万人の人口を抱える大きな町として知られています。町の中央には大きな川が流れ、豊かな自然と様々な名所を持った観光都市です。ラクナウにあるアマウシ空港にはインド国内のムンバイやニューデリーといった主要な都市からの接続便や、シンガポールへの直行便なども出ています。
ラクナウは温暖湿潤気候に属しており、内陸部でもあるため夏と冬の気温差が非常に大きなことでも知られている町です。4月から10月までは夏で、平均最高気温が30度を超える他、6月からは季節風の影響で降雨量が多く非常に蒸し暑くなります。それ以外の時期は涼しく、雨もあまり降らないため過ごしやすいのですが、インド北部特有の濃霧が発生しやすいため注意が必要です。
日本ではあまり馴染みのない地域ですが、ラクナウは非常に多くの歴史的な建造物や魅力的なスポットが立ち並ぶ観光都市です。インド国内や世界中から多くの観光客を集めています。そんなラクナウで最も有名なスポットの一つが、バラ・イマンバラです。インド国内は歴史上何度も大規模な飢饉によって被害を被ってきました。バラ・イマンバラはイスラム教徒による飢饉救済のプロジェクトの一環として建設された建造物で、各地から多くのイスラム教徒が礼拝にやってくる大切な場所でもあります。世界最大のアーチ型ホールを持つ巨大な建物や美しい庭園、大きな迷路を備えているため、イスラム教徒ならずとも訪れて損のないスポットだといえるでしょう。
ラクナウの町を流れるゴームティー川のすぐそばに立っているのが、ブリティッシュ・レジデンシーです。この建物は名前の通り、昔インドを植民地支配していたイギリス人居住者のために建てられたもので、当時の面影を残すとても美しい花壇や庭園が観光スポットとなっています。建設された当時には厩舎や礼拝堂、それに診療所など数多くの建物が集まる場所でしたが、1857年のインド独立戦争の際にその多くが破壊されてしまい今では一部の建造物しか残っていません。残った建物は博物館として利用されており、当時の貴重な金貨や美術品などを収蔵し訪れる人を楽しませています。
イギリス占領時代の面影を残す名所がラクナウにはもう一つあり、それがラクナウ動物園です。別名「プリンス・オブ・ウェールズ・ズーロジカル・ガーデン」とも呼ばれており、その名の通り1920年にウェールズの王子がこの地を訪問したときにその記念として作られた動物園です。町の中心部にあってアクセスもとても良く、ベンガルトラやホワイトタイガー、それにインドオオカミなど非常に珍しい動物をみることができます。園内には子ども向けの遊具やフードコートがそろっており、ボートなどのアクティビティが楽しめるエリアもあるため、家族連れでラクナウを訪れた場合には最もおすすめできるスポットでしょう。
旅の記念に何かお土産を買いたいときには、町の東側にあるヘーズラットガンジを訪れてみるのがおすすめです。多くのバザールがこの場所に集まっており、レストランやホテル、劇場の他、様々なお店の入った複合施設があるためショッピングに最適な場所となっています。観光客向けのお土産店はもちろんのこと、現地の人が訪れるカーショップやジュエリーショップ、骨董品店、食料品まであらゆるものがそろっているため観光の拠点としても便利です。
ラクナウの様々な観光スポットを巡って歩き疲れた場合は、アンベードカル記念公園で休憩するのがよいでしょう。この公園は107エーカーもの広さを誇る広大なエリアで、ラクナウ旧市街から川を挟んだ場所にあります。公園の名前にもなっているアンベードカル博士はインド憲法を起草した人物としても知られており、民主主義と平等を象徴する公園として州政府が多額の予算をかけて作ったスポットです。この町で最も美しく整備されており、特にゴームティー川の川面に夕日が映える情景はとても美しいと評判で、撮影スポットになっています。
町の中心部を移動していると一際目を引く、イスラム建築の門はルミ・ダルワザと呼ばれ、これもラクナウの著名な建築物の一つです。古代のイスタンブールにあった門と同じデザインで作られており、車で下を通り抜けるだけではなく、徒歩で門の上に登ることもできます。高さ18mほどあるため町の景色が非常にきれいに見えるスポットとして人気です。
ラクナウの夏は非常に暑いので、宿泊施設を選ぶ際は市街地中心部にある設備の整ったホテルがおすすめです。郊外にある観光名所を訪れたい場合は、交通アクセスの良いホテルを選ぶようにしましょう。