インド - コーヤンブットゥールについて

コーヤンブットゥール(英語名Coimbatore)はインド南部のタミル・ナードゥ州に属する都市で、州都であるチェンナイに次ぐ規模を誇る街です。日本語の地図では、英語読みの「コインバトール」と表記されている場合もあります。コーヤンブットゥールの都市圏の総人口は約213万人で、日本であれば群馬県伊勢崎市の人口とほぼ同じです。
コーヤンブットゥールのあるタミル・ナードゥ州はインドの南側に位置しており、サバナ気候に区分されます。年間を通して日本よりも最高気温が非常に高く、最も気温が下がる12月でも平均最高気温は29.3度と、日本の夏のようです。コーヤンブットゥールで特に気温が高くなるのは3月から6月にかけての期間で、4月と5月は日中の最高気温が40度に達します。サバナ気候の地域は雨季と乾季がはっきりと分かれることが多く、コーヤンブットゥールの雨季は、5月と10、11月の2回です。コーヤンブットゥールに観光で訪れる場合は、比較的冷涼で雨が少ない11月下旬から2月中旬までの期間を選ぶとよいでしょう。そうすれば旅の間も快適に過ごすことができます。
コーヤンブットゥール市は鉄道の駅(CoimbatoreJunction)を中心にして市街地が形成されており、駅はこの街のランドマークの一つです。コーヤンブットゥールへは鉄道以外にも飛行機でアクセスする方法もあり、市街地の中心部から13kmほど北東に空港(CoimbatoreInternationalAirport)があります。市内の観光スポットを訪問する場合は、鉄道駅と空港を目印にして市内を移動すると便利です。
コーヤンブットゥールがある場所は、かつて独立国だった歴史があり、この都市が首都として機能していました。都市の中心部や周辺エリアにはいくつかの有名なヒンドゥー教寺院があり、多くの巡礼者や外国人観光客が訪問しています。コーヤンブットゥールは雑然としたインドらしい雰囲気が残されている都市で、グルメ、ショッピングやヒンドゥー教の寺院を見学したい方におすすめの場所です。ヒンドゥー教のお寺を訪問する際はマナーを守るようにして、立ち入りが禁止されているエリアで写真や動画の撮影をしないように注意しましょう。
コーヤンブットゥールで特におすすめの観光スポットは、ペルール・パッティースワラール寺院、マルダマライ寺院、カラマダイ・ランガナサー寺院の三つです。ペルール・パッティースワラール寺院は市街の南側を流れるノイヤル川沿いに建っており、シヴァ神というヒンドゥー教の神が祀られています。シヴァ神はヨガを創始したと言われている神で、ヒンドゥー教では破壊と再生を司る神として崇められています。ペルール・パッティースワラール寺院の見どころはカラフルな彫刻に覆われたゴープラムという塔門（楼門）建築です。南インドのヒンドゥー教寺院に見られる建築で、細やかな人物や動物などの彫刻を目にすることができます。ペルール・パッティースワラール寺院では毎年3月にパングニ・ウティラムという大規模なお祭りが開催されるので、この時期に合わせてコーヤンブットゥールに訪問することもおすすめです。
コーヤンブットゥールの中心部からタクシーで20分ほどの距離にあるマルダマライ寺院は、小さな丘の上に建てられているヒンドゥー教の寺院です。マルダマライ寺院では、ムルガン神と呼ばれる山の神が祀られています。ムルガン神はシヴァ神の子どもにあたり、スカンダ神と呼ばれることもある神です。ヒンドゥー教では子どもの神様としても崇められています。マルダマライ寺院は小高い丘の上にあるので、この場所からコーヤンブットゥールの市街地を一望することが可能です。仏塔には多くの彫刻があり、夜になると建物の上部がライトアップされて神秘的な姿を見せてくれます。マルダマライ寺院は数多いインドの寺院の中でも清潔に保たれており、気持ちよく過ごすことができるでしょう。
コーヤンブットゥールの北部の郊外にあるカラマダイ・ランガナサー寺院は、この地域にあるヒンドゥー教寺院の中で2番目に古い歴史を持つお寺です。カラマダイ・ランガナサー寺院へはカラマダイ駅からアクセスすることができます。こちらも寺院の内部はきれいに管理されています。ヒンドゥー教の寺院では、信者ではない観光客は入れないエリアが設けられているケースが多いのですが、カラマダイ・ランガナサー寺院は外国人でも建物の内部に入って見学することができます。