ベトナム独立を賭けた激戦地！ディエンビエンフーの観光スポット5選

ディエンビエンフーは、ハノイから飛行機で１時間ほどの小さな町です。

かつてこの町で、フランス植民地軍とベトナム独立同盟軍の最大の戦いが繰り広げられました。長い間ベトナムを植民地支配していたフランスが、ディエンビエンフーの戦いで敗北し、西欧による植民地支配に終止符が打たれたのです。

戦場として世界史の教科書にも出てくるディエンビエンフーですが、最近は観光地としても注目され始めました。道路やホテルも徐々に整備され、外国人観光客も気軽に行ける町になってきています。観光の目玉は、やはり戦跡！激戦の様子をありのままに伝えてくれるスポットを巡りながら、当時に思いを馳せてみてくださいね。

1.A1の丘

観光客が必ずと言っていいほど訪れる戦跡が、ここ、A1の丘。ディエンビエンフーにはフランス軍の陣地だった丘がたくさんあり、それぞれに番号が付けられているのですが、A1の丘はフランス軍が最後まで立てこもったところとして知られています。

A1の丘には、フランス軍が使用していたN24戦車がそのまま残されているほか、塹壕やトンネルなども当時のままの姿を留めています。

丘の頂上から20mほど下ったところにある、すり鉢状の巨大な穴は、ベトナム独立同盟軍が用いた960kgの爆弾の跡。ベトナム軍は数kmものトンネルを掘り進んでフランス軍の塹壕の下にこの爆弾をしかけたと言いますから、驚きですね。

A1の丘は観光地として整備されていて、訪れやすいスポットです。ディエンビエンフー空港から約3kmなので、タクシーで直接行くことができますよ。

2.ド・カストリの司令部跡

ド・カストリの司令部跡は、フランス軍の基地の総司令部だったところです。クリスティアン・ド・カストリはフランスの軍人で、ディエンビエンフーの戦いで司令官を務めた人物。2ヶ月に渡る攻防の末に敗退し、ベトナム軍の捕虜となりました。

ここで最も観光客の目を引きつけるのは、不気味に並んだカマボコ型の建造物ですが、これらは実際に使われていた地下壕です。カマボコ型の鉄板も、内部の木材も、当時のまま。

司令部内にも入ることができますが、ド・カストリの司令室や通信室などはどれも狭くて薄暗い空間で、観光客も当時の緊迫した状況を肌で感じることができます。

ド・カストリの司令部跡は、ディエンビエンフー空港から約2km。観光計画を立てる時は、ここをスタート地点にするのもいいですね。

3.勝利の記念像

勝利の記念像は、ディエンビエンフーの象徴とも言うべき像で、外せない観光名所の一つです。ディエンビエンフーの戦勝50周年を記念して、2004年に立てられました。

像のモデルは、ベトナム独立同盟軍がド・カストリの司令部を陥落させた時に、屋根に上って旗を振った兵士達だそうです。

勝利の記念像は、ディエンビエンフー空港から約2.5kmです。小高い丘の上に立っていて、たどり着くには370段あまりの階段を上らなければなりません。観光客にとっては少し大変ですが、丘の上からはディエンビエンフーの町が一望できて、素晴らしい眺めですよ。

4.ディエンビエンフー歴史的戦勝博物館

ディエンビエンフー歴史的戦勝博物館は、ディエンビエンフー戦勝60周年を記念して、2014年に新設された施設です。日本円にして10億円以上もの費用を投じて造られた博物館の敷地面積は、なんと2万2000平方m！1000点以上もある展示品は、ディエンビエンフーの戦いに関する4つのテーマに沿って展示されています。

外国人観光客のために、ベトナム語だけではなく英語でも説明文が書かれていますが、蝋人形で戦いの場面が再現されているので、たとえ言葉がわからなくても見応え充分です！

古い観光案内には「ディエンビエンフー博物館」という規模の小さい博物館が紹介されていることが多いですが、これからは、生まれ変わったこの「ディエンビエンフー歴史的戦勝博物館」が、観光のメインとして注目されていくことは間違いありません。

ディエンビエンフー歴史的戦勝博物館は、ディエンビエンフー空港から約3kmです。

5.ディエンビエンフー烈士墓地

ディエンビエンフー烈士墓地には、ディエンビエンフーの戦いにおける戦没者が祀られています。とても綺麗に整備された墓地で、観光客もよく訪れているスポットです。

墓地の中心にまっすぐな美しい通路があり、その両脇に無数のお墓が整然と並んでいます。通路の先には三角形の烈士記念祠があり、多くの人が祈りを捧げています。観光客も、このディエンビエンフー烈士墓地に来た際には、ベトナム独立のために命を捧げた烈士たちに敬意を払いましょう。

ディエンビエンフー烈士墓地は、ディエンビエンフー歴史的戦勝博物館の向かいにあります。ディエンビエンフー空港から約3kmです。

◎まとめ

戦争の歴史を私たちに伝えてくれるディエンビエンフーの観光スポット、いかがでしたでしょうか。ベトナムの観光地全体の中ではまだまだマイナーな方かもしれませんが、日本では最近、戦争中のベトナムを描いた西島大介氏の漫画『ディエンビエンフー』が話題になったこともあり、ますます注目度が上がっています。

今のベトナムがあるのは、ディエンビエンフーの戦いを制して、フランスの植民地支配に打ち勝ったからなのですよね。ハノイなどベトナム北部を観光する際には、ぜひこの激戦の町を思い出して、ちょっと足を伸ばしてみてください。よりディープにベトナムを知ることができますよ。

ベトナム独立を賭けた激戦地！ディエンビエンフーの観光スポット5選