名称:中国南方カルスト
住所:中国雲南省石林、貴州省茘波、重慶市など
公式・関連サイトURL:https://whc.unesco.org/en/list/1248/
2007年に世界遺産登録された「中国南方カルスト」は、3億年前から50万年前に形成されたカルスト地形。自然の作用とは思えない摩訶不思議で芸術的な造形が人気を集めています。世界遺産登録時は雲南省石林、貴州省茘波、重慶武隆の3か所が選ばれていましたが、2014年に桂林・施秉・金仏山・環江も追加で選ばれ、6か所に拡張されました。
この世界遺産は、太古からの姿を留めているその景観の美しさはいうまでもなく、希少動物が生息していて生物学的にも評価が高いエリアです。それでは「中国南方カルスト」の魅力を紹介していきます!
目次
【世界遺産】中国南方カルストとは?|地球の神秘をたっぷり堪能!
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中国南方カルストとは?
カルストとは、石灰岩などの岩石が雨水や地下水などによって侵食された地形のこと。中国南方カルストは非常に珍しい奇観が残っているとして世界遺産に登録されています。
「石林」と呼ばれる石柱が林立する地形から、「地縫」の渓谷や「芙蓉洞」の鍾乳洞まで、各エリアで他では見ることのできない独特の景観を見ることができるんですよ。
また、雲南省の石林は古代の化石が発掘されているエリアとして化石保護区に指定されています。さらに、石器時代にイー族などの祖先により描かれた壁画が発見されていたりと、考古学的にも重要な地域です。地形の美しさだけではなく、見どころがぎゅっと詰まった世界遺産であること間違いありません。
中国南方カルストへのアクセス
雲南省の「石林」は昆明の東部バスターミナル発着のバスで揺られることおよそ1時間半で到着します。敷地内は広大なので電動カートで観光することも可能ですよ。
「武隆カルスト」は、重慶市の南東方向170km地点にあり武隆までバスで約2時間半の所要時間。また鉄道の場合は2時間から3時間かかります。武隆の街からはバスを乗り継ぎおよそ30分ほどで到着です。
「貴州荔波カルスト」へは荔波の街からバスでの移動となります。
中国南方カルストのおすすめポイント①:雲南省石林
昆明の街から東南方向へ約120km離れた石林イー族自治県に位置する雲南省石林。「中国第一の奇観」とも称されるほどで、大石林、小石林、月湖といった7つのエリアから構成されています。各エリアを結ぶ遊歩道が整備されていたり、清掃が行き届いていたり観光地としての評価も高い世界遺産です。
2億7千万年前は海に沈んでいたエリアが、ヒマラヤ山脈の隆起に伴って陸地に。数千万年もの間、風雨にさらされたことによって、石林の地形がつくられました。まさに、自然による壮大な芸術作品といえるでしょう。
大石林の望峰亭から見下ろす石林の絶景はお見逃しなく!剣のような形であったりキノコ型であったり多種多様の形は、いつまでも飽きることなく眺めていられる絶景です。
中国南方カルストのおすすめポイント②:武隆カルスト
出典: Brookqi - 投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5332681による
重慶市に位置する武隆カルストの見どころは3つあります。まず「天坑三橋」は、地中に開いていた洞窟に天井から水が注ぎ込み、巨大な空間を形成したスポットです。「天が開けた穴」という名のとおり、スケールの大きさに圧倒されることでしょう。
地面から山頂までは、最大280m!「三橋」は岩山による橋のことで世界最大規模の自然が作った橋を見ることができます。
「芙蓉洞」は世界三大洞窟のうちのひとつに数えられていて、全長2.8km。広大な空間はライトアップされていてところどころにある奇岩鑑賞を楽しむことができますよ。鍾乳洞内は年間通じて10℃台後半なので、涼を求めて訪れる価値もありますね!
そして、「地縫」は森林浴をしながらのハイキングにぴったり。川が大地を削り生まれた約350mの断崖の中に遊歩道が整備されているという、絶景の中を歩くことができます。
中国南方カルストのおすすめポイント③:貴州荔波カルスト
出典: Fanghong - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=19877572による (CC BY-SA 3.0)
「貴州荔波カルスト」は、森林割合が90%を超える自然豊かな地域。希少動植物が多数生息していることが評価され、世界遺産に登録されました。
地球上の北緯25度地帯はほとんど砂漠化している中で、「地球のベルトに輝くエメラルド地帯」と称される茂蘭国家自然保護区は原生林が保たれています。4,000種以上の動植物が未だに生息しし、ヤオ族やミャオ族などの少数民族も豊かな自然環境の中で生活を営んでいます。
自然景観のみならず大七孔、小七孔観光区内に建設された清代の石橋も景勝地として有名です。藤やシダがアーチ型の橋脚にからみつく様子は時の流れを感じさせ、風情がありますよ。水はエメラルドに澄み渡っていて、まさに絶景を拝むことのできる世界遺産と言えます。
◎世界遺産「中国南方カルスト」まとめ
中国南部の奇景を見ることができる世界遺産「中国南方カルスト」の見どころをご紹介しました。日本にもカルスト地形はいくつかありますが、やはり規模やその形は異なりますよね。
実際に観光してみると、その迫力に圧倒されることでしょう。ぜひ、不思議な景色を見に行きたいのであれば、世界遺産、中国南方カルストを観光してみてはいかがでしょうか。