インドの中世建築発祥の地!世界遺産「マハーバリプラムの建造物群」

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インドの中世建築発祥の地!世界遺産「マハーバリプラムの建造物群」

インド南部のタミル・ナードゥ州カーンチプラム県にあるマハーバリプラムは、チェンナイから南へ海岸沿いを60kmいったところに位置する小さな町です。パッラヴァ朝における海外交易の拠点として、6世紀以降栄えていたかつての港湾都市。土地柄、海岸の周辺には岩山が多く、火成岩の一種である花崗岩(かこうがん)を使った数々の石造建築が残されており、世界遺産に登録されています。

また世界遺産の町マハーバリプラムは、砂浜のビーチが続く美しい海岸の町としても知られ、見どころ満載。今回はそんな世界遺産「マハーバリプラムの建造物群」の見どころなをご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

目次

インドの中世建築発祥の地!世界遺産「マハーバリプラムの建造物群」

マハーバリプラムの建造物群とは?

出典: Jayakumar/shutterstock

世界遺産「マハーバリプラムの建造物群」とは、ベンガル湾に面するマハーバリプラムにある、30以上の石窟寺院や石造寺院です。インドの中世建築発祥の地の一つとして重要な場所のため、1985年に世界遺産に登録されました。

6世紀から9世紀にかけて建立されたヒンドゥー教寺院群で、パッラヴァ朝における東西貿易の一大拠点だったマハーバリプラムに残されている建造物群。とても固い花崗岩を使った建築群なのですが、建造物群の中には浸食により損傷してしまったものもあります。その中でも保存状態の良いものもあり、世界遺産として保護されました。

建造物群は同じ場所にありながら、石窟寺院や石彫寺院、石造寺院と歴史の古い順に建築様式の変化が見られます。古代から中世にかけての建築様式の変遷は、世界遺産の建造物群を楽しむポイントです。

マハーバリプラムの建造物群へのアクセス

世界遺産の町マハーバリプラムへの拠点となる都市は、ベンガル湾に面するチェンナイです。チェンナイ市内のバスターミナル、「CMBTバススタンド」からマハーバリプラム行きのバスに乗り、所要時間はおよそ2時間。

マハーバリプラムに入ってすぐ、「ママプラム・バイパス」というバス停で降ります。バス停から中心地まで歩いて約15分です。

マハーバリプラムの建造物群のおすすめポイント3

パンチャ・ラタの石彫寺院

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マハーバリプラムの誇る世界遺産の中でも代表的な「パンチャ・ラタ」の石彫寺院は、5つの石造寺院で成り立っている遺跡です。「ラタ」とは山車を意味しており、神の乗り物を示しています。建立されたのは7世紀で、5つの山車と牛やゾウをかたどった彫刻などは、一枚の岩から彫られたもの。

19世紀の末頃にイギリスの考古学者によって発見されましたが、当時は砂に埋もれてしまい屋根の上部しか見えない状態でした。その後発掘作業が行われますが、石彫寺院は未完成で下部のほうは彫られてなく、一部のラタは中までは彫り切れていません。ライオンやゾウ、牛などの動物の彫刻は、地元の子供たちにも人気のあるものなので、じっくり見てみてくださいね。

海岸寺院

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マハーバリプラムの海岸のすぐ近くに建立された寺院のため、「海岸寺院」として知られています。石彫寺院の「パンチャ・ラタ」の後、7世紀末から8世紀初頭にかけて建てられましたが、海岸に近いため潮風や波浪による浸食作用によって、すでに崩壊したものもあると見られています。

現在は2塔残っており、寺院が牛の石造によってぐるりと囲まれています。寺院が元来、シヴァ神を祀っており、牛はシヴァ神の乗り物だったため。近くで見るのも良いですが、マハーバリプラム海岸から見る景色も絶景です。

アルジュナの苦行

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7世紀に一枚岩から掘り出したこちらの彫刻もやはり、マハーバリプラムの世界遺産の代表作と言えるでしょう。このレリーフ(浮彫)は「ガンガーの降下」とも呼ばれ、壁画の内容の主題です。

天界を流れるガンジス河を下界に降ろす際、洪水になってしまうのを避けるため、シヴァ神の髪の毛を通して、雫として下界にガンジス河を降ろしたといわれています。大きさは、高さ9m、幅27mもあり、世界最大級の石を彫ったレリーフ。壁画のちょうど真ん中あたりが縦にくぼんでおり、そこがガンジス河の流れを表しています。ガンジス河はヒンドゥ―教の信仰の河であり、マハーバリプラム以外のインドの世界遺産にもたびたび出現しているので、見てみてくださいね。

◎まとめ

石による数々の建築群からなる世界遺産「マハーバリプラムの建造物群」は、インド中世建築発祥の地マハーバリプラムにあります。今でも町には、彫刻芸術が残り、たくさんの石職人が活躍していますよ。のんびりとした町並みで海岸もあり、ゲストハウスも多く点在しているので、観光におすすめの世界遺産です。

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