名称:ザルツブルク市街の歴史地区(Historic Centre of the City of Salzburg)
住所:Altstadt, Salzburg, Austria
公式・関連サイトURL:https://whc.unesco.org/en/list/784/
オーストリア北部にある都市ザルツブルクは、東アルプス山脈がそびえる標高の高い街。教会や歴史的建造物がたくさん建ち並ぶ旧市街は、「ザルツブルク市街の歴史地区」としてユネスコ世界遺産に登録されています。
ザルツブルクはモーツァルト誕生の地としても知られ、モーツァルトに関する観光名所が多い"音楽の街"としても人気です。雄大なアルプスを背にして壮麗な街並みが続くザルツブルクは世界でも美しい街の一つ。まるで童話の世界に入り込んだかのような景色を、ぜひ見てみてくださいね。
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【世界遺産】ザルツブルク市街の歴史地区|モーツァルトの故郷を歩こう
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「ザルツブルク市街の歴史地区」とは?
ドイツとの国境に近いザルツブルクは、塩によって栄えた街です。紀元前2500年頃から近郊で塩の採掘が始まり、街の中心に流れるザルツァッハ川からヨーロッパ中に塩が出荷されていました。7世紀に司教ルペルトが聖ペーター修道院を建設し、ここを囲むように現在の街ができています。
ザルツァッハ川を挟んで西側が旧市街、東側が新市街になっています。旧市街には、ザルツブルクを支配していた大司教の住居レジデンツや大聖堂、レジデンス広場やモーツァルト広場、モーツァルトの為の祝祭小劇場があります。また新市街には、ミラベル宮殿と庭園、州立劇場、聖アンドレ寺院モーツァルテルムなどがあり、どちらも見どころ満載。
ザルツブルクへのアクセスと、小さな街にたくさんの名所が詰まったザルツブルクのおすすめ観光地を3か所ご紹介していきます。
「ザルツブルク市街の歴史地区」へのアクセス
日本からザルツブルクへは直行便がないため、ウィーンかフランクフルトなどからの乗り継ぎになります。ウィーンからは空路で約50分、鉄道で約3時間、バスなら約2時間半。ミュンヘンからは鉄道で約1時間45分、バスなら約1時間40分です。
ザルツブルクカードを購入すると、市内の移動が便利でお得!ザルツブルク市内の交通機関が無料で、主な観光地も無料です。
「ザルツブルク市街の歴史地区」おすすめ①:モーツァルト記念館
1756年1月27日にザルツブルクに生まれたヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトは、25歳までこの地で暮らしていました。ゲトライデ通りにある黄色い建物の4階がモーツァルトの生家で、現在は記念館となっています。
オペラ『魔笛』や『ドンジョバンニ』の舞台風景の展示は必見!愛用していたピアノやバイオリン、自筆の楽譜、家族の肖像画なども展示されています。
大司教に仕える音楽家の父と、母方の祖父も合唱指揮者という音楽家の家系に生まれ、13歳で宮廷作曲家に任命される程の実力だったモーツァルトは、21歳の時に宮廷作曲家を辞し、新天地を求めてミュンヘン、マンハイムなどへ旅立っています。
現在でもザルツブルクの街は、モーツァルトの音楽に溢れ、ミラベル庭園やホーエンザルツブルク城では毎晩のようにモーツァルトを主としたコンサートが上演されていますよ。
「ザルツブルク市街の歴史地区」おすすめ②:ホーエンザルツブルク城
ザルツブルクの街からでも見えるメンヒスブルク山の山頂には、ザルツブルクのシンボル「ホーエンザルツブルク城(Festung Hohensalzburg)」がそびえています。ウィーンのシェーンブルク宮殿に次ぐ、オーストリア第2の観光名所としても有名です。
ホーエンザルツブルク城は、1077年教皇派だった大司教ゲプハルト一世が、神聖ローマ帝国皇帝派の南ドイツ諸侯に対抗するために建築した防衛施設。"赤ひげ王"として知られる神聖ローマ帝国皇帝フリードリヒ一世がザルツブルクの街を焼き払った時も、この城は無事でした。
現在はブルク博物館として公開されており、黄金の大広間のような後期ゴシック様式の壮麗な部屋や、魔女狩りが横行していた時期の拷問具などを展示。レックの塔からは北方向にザルツブルク市街地、南にはアルプスの山々を見渡せます。山頂までは歩いても登れますが、レトロなケーブルカーがおすすめですよ。
「ザルツブルク市街の歴史地区」おすすめ③:ミラベル宮殿
ミラベル宮殿は、1606年に大司教ヴォルフ・ディートリヒが愛人サロメ・アルトと子供達のために建設。当初は彼女の名をとって「アルトナウ宮殿」と呼ばれていましたが、後継者の大司教シティカスは"美しい眺め"という意味の「ミラベル宮殿」に改名しました。
19世紀に火災で焼失したため、再建されました。現在は市役所や図書館として利用されていて、2階にある大理石の間は見学可能。この広間では、毎晩のようにコンサートが行われています。美しい空間で聴くモーツァルトは最高の想い出になりますね。
また、有名なミラベル庭園は、ギリシャ神話を題材にした石像や噴水があり、まるで楽園!映画『サウンド・オブ・ミュージック』でドレミの歌を歌った階段は、人気の撮影スポットになっています。
◎世界遺産「ザルツブルク市街の歴史地区」まとめ
ザルツブルク北部はドイツ国境に接しているため、街の雰囲気はドイツの文化も感じられます。
毎年夏に行われるザルツブルク音楽祭のシーズンは最も良い季節なので、この時期に訪れるのがおすすめ。小さな街が観光客でいっぱいになります。シーズンによっては、ホテルがどこも満室になるので、お早めに。是非旧市街のホテルに滞在して、ゆっくりと世界遺産の街を堪能して下さいね。