名称:コナーラクのスーリヤ寺院
住所:Konark India
公式URL:http://www.kamit.jp/02_unesco/09_konarak/konarak.htm
ベンガル湾に面する美しいビーチを抱えるインドの小さな村コナーラクには、ヒンドゥー教の神スーリヤを祀る寺院があります。スーリヤとはヒンドゥー教の太陽神です。寺院は世界遺産にも登録されるほどインド建築の最高傑作の一つとして称賛される一方、未完成なのかもしれないと言われている何とも不思議な存在の世界遺産です。
しかし、アジア人初のノーベル賞受賞者でインドが生んだ偉大な詩人、タゴールはコナーラクの寺院を見て感動し、「ここでは人間の言葉は石の言葉に打ち負かされてしまう」と言ったそうです。今回はそんな世界遺産として傑出した石の建造物スーリヤ寺院をご紹介します!
目次
インド建築の最高傑作かつ未完成と言われるコナーラクのスーリヤ寺院
コナーラクのスーリヤ寺院とは?
スーリヤ寺院はその巨大さと壁面を飾る数々の美しい彫刻により世界遺産に指定されています。インド・オリッサ州の大都市コルカタの南西約450kmに位置するコナーラク。小さな村ですが1984年に村のスーリヤ寺院が世界遺産として登録されて以来、世界中から観光客が押し寄せるようになりました。
「スーリヤ」というのはヒンドゥー教の太陽神の一つスーリヤを指しています。つまり太陽神スーリヤを祀る寺院なので、ヒンドゥー教徒がたくさん訪れるところで、メッカのような存在です。建立されたのは13世紀頃で、イスラム教徒に勝利した記念として建設されたものです。また、寺院建立と同時にいくつもの祠堂や彫刻も建設され、それらがこの世界遺産を支えています。
前殿そのものも大きく立派ですが、かつてはここに60mを超える塔があったと考えられています。未完成だった、あるいは地震で崩壊したなど諸説がありますが、現在は下層部分だけが残されています。大規模な寺院そのものと、細部にわたる美しい綿密なそして高度な技術を駆使した彫刻がコナーラクの太陽神寺院の見どころです。
コナーラクのスーリヤ寺院へのアクセス
インドの首都デリーとコナーラクから約30㎞の観光の町プリーの間を鉄道が結んでいます。所要時間はおよそ36時間です。もしく飛行機でビジュー パトナイク 国際空港へ向かいます。所要時間はおよそ2時間。
プリーからはバスに乗ってコナーラクに行くことができます。所要時間は約1時間です。コナーラクへ行く人は大方、世界遺産「スーリヤ寺院」に向かう観光客なので流れに任せて歩いていくと、およそ10分で着きます。
コナーラクのスーリヤ寺院のおすすめポイント2
1.基壇にある24個の大車輪
寺院の基部に車輪がくっついている建造物は世界的に見ても大変珍しく、24もの車輪が基壇に彫刻されています。本殿、前殿の両側に12対、車輪の直径は約3mと大車輪。なぜ車輪がついているのかと言えば、コナーラク寺院は馬にひかれて天空を駆け巡る太陽神スーリヤの馬車と見たてられているから。車輪は8本の輪止めと補助輪止めがあり、ここにも抜かりなく装飾が施されているのには驚かされます!
2.膨大な数の壁面彫刻
壁面をびっしりと埋め尽くすおびただしい数のヒンドゥ―の装飾彫刻。彫られているのは踊っている姿の女性、楽士、馬や牛などの家畜動物で当時の世相を反映しています。インド中部の世界遺産のカンジュラーホの寺院のように、コナーラクの寺院でも壁面にたくさんのミトゥナ(性交の表現)像が見られます。世界でもこれほどあからさまに性的表現の彫刻群は稀と言えるでしょう。
当時は性的な営みが神聖な行為としてとらえられ、性的儀式も行われていました。そのためこれらの彫刻は彼らの信仰心と関連するものです。ところが、こうしたまじめな信仰の表れとは知らない観光客がほとんどです。堂々とした性交を描写した世界遺産の前で盛り上がる現代人という図もある意味、興味深い光景です!
◎まとめ
いかがでしたか。インドの静かな田舎の村、コナーラクはインド建築の最高傑作のひとつと称される太陽神寺院を世界遺産として抱えて、世界中から多くの観光客を迎え入れています。13世紀に建立されていても保存状態が良く、見栄えのする寺院は、地上に舞い降りてきた神の馬車とも言われ、東インド観光のハイライトとなるスポットです。ぜひ、スーリヤ寺院を訪れる際はこの記事を参考に満喫してくださいね!