独仏国境の街ザールブリュッケンで大人の旅を。おすすめ観光スポット10選

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独仏国境の街ザールブリュッケンで大人の旅を。おすすめ観光スポット10選

ドイツ・ザールラント州の州都であるザールブリュッケン。豊富な地下資源を有し、フランスと国境を接する交易路の要所であったため、中世から現代にいたるまでその帰属が争われてきました。ドイツでありながらフランスの雰囲気も漂う街並みは、今もこの地ならではの魅力として受け継がれています。自然豊かなザールブリュッケンは、バロック様式の美しい建造物やユネスコ世界文化遺産にも指定されている製鉄所などを有する魅力あふれています。今回は、そんなザールブリュッケンでおすすめの観光スポットをご紹介します。

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独仏国境の街ザールブリュッケンで大人の旅を。おすすめ観光スポット10選

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1.ザールブリュッケン宮殿

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最初この宮殿を見た人は、その近代的な外観に驚くかもしれません。特に鉄筋・ガラス張りになった宮殿の中央部分が特徴的です。戦後の修復の際に携わった建築家ゴットフリート・ベームは、建築界のノーベル賞と言われるプリツカ-賞をドイツ人で初めて受賞したというドイツ建築界の権威なのだとか。

そしてまた、現在の宮殿はなんと10世紀にこの地に建てられた砦をルーツに持つ歴史的な建造物であることも驚きです。17世紀にはその砦を壊してルネサンス式の城が建てられ、18世紀に新たにバロック式の現在の形の宮殿に建て替えられました。

設計を行ったフリードリヒ・ヨアヒム・ステンゲルは、ザールラントを代表するバロック建築家として評価が高く、彼の作品はこの宮殿以外にも街のあちこちで目にすることができるので、建築巡りも楽しめますよ。

2.ルートヴィッヒ教会

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こちらのルートヴィヒ協会も、先ほどご紹介した建築家フリードリヒ・ヨアヒム・ステンゲルが設計したもの。1775年にプロテスタント教会及び宮廷教会として建設された、ドイツを代表するバロック式の教会の一つです。

白を基調とした内部は、洗練された柱の装飾とパイプオルガンが美しく、また教会を中心とするルートヴィヒ広場にはシュティンゲル設計の宮殿など歴史的建造物が立ち並びます。ザールブリュッケンの美しい建築群を、まずはルートヴィヒ教会から訪れてみてはいかがでしょうか。また、教会は火曜日から土曜日の11時から17時は、一般の観光客のために解放されており、日曜日の10時からは礼拝が行われます。

3.ザンクト・ヨハンナー・マルクト

出典: de.wikipedia.org

ザンクト・ヨハンナー・マルクトは、ザールブリュッケンの中心ともいえる広場になっています。数々のバロック様式の建造物に囲まれたこの広場にも、やはりザールの巨匠フリードリヒ・ヨアヒム・ステンゲルが建設した噴水があり、この広場のランドマークになっています。第二次世界大戦の際にはこの噴水を空襲から守るためにコンクリートのドームで覆いこまれ、保護されていたそうです。

また、ザンクト・ヨハンナー・マルクトにおいては、月・水・金・土曜日の主に午前中に市場が開かれ、多くの買い物客でにぎわいます。新鮮な野菜を売る八百屋から、焼きたてのパンをそろえるベーカリーなど、魅力的なお店が立ち並び、お買い物を存分に楽しむことができますよ。

そして、この広場と周辺にはカフェやレストラン、飲み屋などが数多く立ち並びます。晴れの日には広場の美しい景色を楽しみながら、ゆっくりとしたひと時を楽しみましょう!

4.フレッシェンガッセ

ザンクト・ヨハンナー・マルクトの周りには、それを囲うようにしていくつかの小道が通っています。フレッシェンガッセ(カエル横丁)はその小道のうちの一つで、かつての城壁に沿うようにして作られたもので、多くの手工業者が住んでいました。

現在ではレストランやちょっとしたカフェや居酒屋がならぶ、おしゃれな通りになっており、市場での買い物の後にフレッシェンガッセのカフェでほっと一息、というのはいかがでしょうか。

5.アルテ・ブリュッケ橋

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アルテ・ブリュッケ橋はザールブリュッケンの現存する建造物の中で最も古いものの一つで、1546年にフィリップ2世のもとで建てられました。橋の周りは自然が豊かで、さらに橋の街灯も季節の花で飾られて美しく、散歩コースとしてアルテ・ブリュッケ周辺を選んでみるのもおすすめですよ。

街の名前がドイツ語で「ザール川の橋」を意味する通り、ザールブリュッケンにはザール川にかけられた橋がほかにも多数存在します。例えばドイツの統一を実現させた宰相ビスマルクの名を冠したビスマルク橋は20世紀初頭にかけられたもの。これは第二次世界大戦の際に一度破壊されたものの、後に元の石橋の雰囲気を損なわないように鉄筋コンクリートで復元されました。

6.市庁舎

出典: Bianca Gade

現在のザールブリュッケンの市庁舎は、ザンクト・ヨハン市の市庁舎として20世紀初頭に建造されたネオ・ゴチック様式の建造物です。この市庁舎の正面に置かれる6体の銅像は、この地の産業を表していると言われています。

それぞれ商人、鉱山労働者、鋳造工、農夫、製革工、そして大きいビールジョッキのようにも見える容器を抱えているビール醸造者の銅像もそれに並んで置かれ、なんともドイツらしさを感じることができます。

市庁舎の塔には鐘が設置されており、毎日15:15と19:19になると、民謡などの音楽が流れます。この鐘はもともとは1901年に設置されたものだったのですが、戦時中にすべて溶かされ、軍事利用されました。現在の鐘は1999年にザールブリュッケンの成立1000周年の際に新たに設置されたものだそう。一目ではわからないですが、ドイツにはところどころで戦争の痕跡が残されているんですね。

7.聖ヨハネ教会

聖ヨハネ教会はプロテスタント派の教会です。先ほど紹介したルートヴィヒ教会は、バロック様式の建造物でしたが、このヨハネス教会はネオ・ゴシック様式で建てられ、利用されている建材は斑砂統という様々な色のついた砂岩で、教会の絶妙な色合いはこの石によるものだそうです。

この教会の近くには1989年に建設された郵便局が残っています。この郵便局も聖ヨハネ教会と同様の砂岩が使用されており、教会や市庁舎とマッチするように考えられて作られていることがうかがえるので、ぜひ併せて訪れてみてくださいね。

8.独仏公園

出典: Jean & Nathalie

現在は自然であふれ、人々が家族や恋人とゆっくりとした時の流れを楽しむ独仏公園ですが、もともとこの場所はドイツとフランスの戦場でした。19世紀の後半には普仏戦争がこの地で行われ、第二次世界大戦の際にはドイツ軍の防空壕などの防御陣地がおかれました。

今もその痕跡が公園の所々で見られます。近辺にはドイツ統一の足掛かりとなった普仏戦争で犠牲となった人々が眠る名誉墓地もあります。そのような度重なる戦争が終結し、ザールラントがドイツに復帰したことをきっかけに、1960年にドイツフランス園芸博がこの地で行われました。

そうして整備されたのが今の独仏公園です。園内には噴水もありボートも焦げる湖や、ロープウェー、公園内を走るミニ列車などもあり、子供連れで遊んでいる家族などの姿もよく見かけます。

9.フェルクリンゲン製鉄所

出典: Torsten Maue

フェルクリンゲン製鉄所は、廃墟好きにはぜひ訪れてほしいザールブリュッケンの観光スポット。1986年に閉鎖されるまで100年以上にもわたって銑鉄を製造してきた場所で、1994年に世界で初めて産業記念物としてユネスコ世界遺産に登録されました。

ドイツにおいて19世紀から20世紀にかけて全盛を迎えた鉄鋼業を支えた製鉄所ですが、このようにその当時の状態でそのまま保存されているのはこのフェルクリンゲン製鉄所だけだそうです。

元従業員によるガイドツアーや、当時の製鉄所における過酷な労働を物語る展示などはとても興味深いものがあります。大人の社会科見学としても楽しいかもしれません。また現在では製鉄所の独特の雰囲気を生かして、オープンエアーでのロックコンサートの会場としても利用されています。

10.ノイエ・ブレム

ノイエ・ブレムは、おもに第二次世界大戦の際にナチスによって利用された収容所でした。1940年に戦争捕虜の収容所として作られたこの場所は、ゲシュタポというナチスの秘密警察によって拡張され、反ナチスの活動家などゲシュタポにとらわれた者や、ユダヤ人などが収容されたといいます。

二重の有刺鉄線で囲まれたこの収容所は、当時ここに送り込まれた人々の過酷な生活を物語る空間。何人もの人々が溺死したといわれる水槽など、二度と繰り返してはならない負の歴史の数々を今に伝えています。終戦後の1947年には当時この地を管理していたフランスにより慰霊碑が建てられ、平和を祈るメッセージを今に残しています。

◎まとめ

ドイツとフランスの国境の街ザールブリュッケンのおすすめスポットをご紹介しましたが、いかがでしたか。ドイツらしい歴史的な建造物はもちろん、国境の街ならではの文化が混交された雰囲気もザールブリュッケンの魅力の一つです。街の景色のみならず、産業革命期のドイツを支えた鉄工所や、ナチスドイツの負の遺産など、学びの要素も多くかかえるザールブリュッケン。落ち着いた大人の旅を過ごすにはぴったりの観光地です。ドイツ観光の際は、ぜひ一度ザールブリュッケンに足を運んでみてください。きっと、素敵な観光があなたを待っていますよ。

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