2千年の歴史をもつ帝国都市!アウクスブルクのおすすめ観光スポット12選

2千年の歴史をもつ帝国都市!アウクスブルクのおすすめ観光スポット12選

アウクスブルクはドイツの南部、ミュンヘンの北西に位置しています。その名はローマ皇帝アウグストゥスが紀元前15年に駐屯地を開いたことに由来し、ドイツではトリーアに次ぐ2番目に古い街とされています。現在の人口は約29万人で、バイエルン州で3番目に大きい都市なんですよ。歴史あるアウクスブルクには、美しい噴水や教会、きらびやかな大広間をもつ市庁舎など、華やかな建物がたくさん!バロック様式からロココ様式、そして19世紀末のユーゲント・シュティールまで、バリエーション豊かな歴史的建造物の数々が観光に訪れる人を飽きさせません。またアウグスブルクは、有名なヴォルフガング・アマデウス・モーツアルトの父レオポルト・モーツアルトが生まれた街としても知られています。今回はそんな魅力あふれるアウグスブルクの観光スポットを12選にまとめてみました。

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2千年の歴史をもつ帝国都市!アウクスブルクのおすすめ観光スポット12選

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1. フッガーライ

フッゲライとも呼ばれるフッガーライは、アウクスブルクを拠点とするドイツ有数の富豪であった富豪フッガー家が寄付した、世界最古の社会福祉住宅です。フッガー家は15~16世紀に鉱山経営や金融業で富を築き、イタリアのメディチ家と並び称される文化・芸術のパトロンでもありました。フッガーライは16世紀前半に、低所得者のための集合住宅として建設されました。

8つの小路と3つの門があるアウクスブルク旧市街の中の小さな町で、3階建67軒の家に147の住居が並び、教会や噴水、塀、城門もあります。140あまりの住戸には現在も居住者がいて、入居の条件は「アウクスブルクの市民」「カトリック信者」であることなど。家賃はなんと創設当初から変わらず1年間1ライングルデンで、現在の貨幣価値に換算すると1ユーロにも満たないんですよ!

13番の住居が博物館となっていて、住居や設備などの様子を見学できます。モーツアルトの曽祖父もこの集合住宅の1つに住む石工職人だったといわれいます。前述のとおり今も人が住んでいるので、観光の際は迷惑にならないようにすることと、創立当時そのまま22時には夜警が門を閉めてしまうことに注意しましょう。

2. アウクスブルク市庁舎

出典: だっち

アウクスブルク出身の建築家エリアス・ホルが設計した、17世紀前半のルネッサンス様式の市庁舎。その完成度は、北方ヨーロッパでは最高傑作と称されています。

この市庁舎が建てられたころ、アウクスブルクはフッガー家のもとでヨーロッパに並ぶものがないほどの栄華を誇りました。その象徴が、市庁舎の4階にある「黄金の間(大広間)」です。壁から14m上の天井まで、金箔とフレスコ画がこれでもかとあしらわれ、訪れる観光客の溜息を誘います。すべてをじっくり鑑賞しているうちに、首の痛みを訴える観光客もいるとか。

この建物は第二次世界大戦中の1944年に完全に破壊され、1996年に再建されました。現在この大広間は、市のレセプションや会合など公共のイベントに利用されています。アウクスブルク市庁舎の外観は、左右対称の美しい塔が特徴的。その中央上部には、帝国自由都市であることを表す鷲の像があります。大広間の隣の「選帝侯の間」では、月に一度だけ金曜日に予約が取れれば結婚式も挙げられますよ。

3. アウクスブルク大聖堂

アウクスブルク観光の目玉の1つとされる大聖堂。944年に創建され、14世紀にゴシック様式に改築されました。高さ62メートルのすらりとした塔と、回廊を備えた広い聖堂が目を引きます。この大聖堂でとくに有名なのは、ダビデ王ら5人の預言者を描いた1140年制作の世界最古のステンドグラスです。

祈りをささげる祭壇の奥、天を見上げるその位置に、ステンドグラスは美しい光を取り入れています。ほかにもハンス・ホルバインの4枚の肖像画や、1000年以上の歴史をもつ南中央の2枚のブロンズの扉など、観光客をうならせる芸術品が収められていますよ。隣接する聖アフラ司教区博物館では、お土産用に美しいステンドグラスの絵葉書も販売されています。

4. ペルラッハの塔

出典: だっち

アウクスブルク市庁舎の隣りに建っているのがペルラッハの塔です。12世紀に建築され、17世紀前半に建築家エリアス・ホルにより改築。前出の同じくホルが設計した市庁舎と、調和のとれたデザインとなりました。市庁舎広場より市庁舎と併せてみると、より美しい景観となります。

高さ70mのペルラッハの塔には258段の階段があり、観光客も歩いて登ることができます。塔の上からは、アウクスブルクの旧市街とアルプスの山々の眺望が楽しめますよ。塔の鐘はいまだに手動で、鐘撞き係の人がアナウンスを入れると、その大音響に観光客は耳をふさがなければなりません。とはいえドイツでもなかなかできない珍しい体験なので、健脚自慢の観光客の方はぜひ正時を狙って登ってみてください。

5. 聖ウルリヒおよび聖アフラ教会

アウクスブルク旧市街南端近くにある、大聖堂と並ぶ重要な教会です。304年に殉教した聖アフラが葬られたところで、11世紀初頭まではアウクスブルクの司教たちは大聖堂ではなく、この教会に葬られていました。聖ウルリヒも、974年に葬られたアウクスブルク司教の1人です。

1555年にルター派の信仰を認めた「アウクスブルクの宗教和議」を記念して増築され、現在の姿となりました。旧・新教が同居しているめずらしい教会として、多くの観光客が訪れる場所となっています。市内中心部の目抜き通り「マキシミリアン通り」の南の突き当たりにあり、大きい白っぽい建物がカトリック、薄緑色のファサードを持つ方がプロテスタントの教会です。

このアウクスブルクにカトリックとプロテスタントの教会が同じ敷地に建つというのは、ここで歴史的な宗教和議があり、ルター派が帝国内で公式に認められたことによっています。アウクスブルクの歴史の深さを感じさせてくれる、世界史的にも重要な観光スポットといえるでしょう。

6. シェツラー宮殿

出典: だっち

アウクスブルクには、フッガー家のほかにも商いで財を成した家がいくつもありました。そのなかの1人で銀行家のベネディクト・アダム・リーベルトが18世紀後半に建てさせたのが、シェツラー宮殿です。アウクスブルクを代表するロココ建築の1つで、その華やかな作風は「アウクスブルク風」とも呼ばれています。

とくに大広間「フェスト・ザール」は豪華絢爛で、落成祝賀舞踏会でかのマリー・アントワネットが踊り明かしたといわれる軋む床が有名!ロココ様式の大きなフレスコ画で彩られる天井も必見ですよ。現在は州立絵画館とドイツバロック美術館となっていて、デューラーやホルバイン、ブルクマイヤーやクラナッハなどの素晴らしい絵画が展示されています。アウクスブルク有数の豪商による絵画コレクションも見どころです。

7. アウグストゥスの噴水

出典: commons.wikimedia.org

アウクスブルクの市庁舎広場には、市名のもととなったアウグストゥス帝のブロンズ像を戴く噴水があります。ルネサンス期の彫刻家フーベルト・ゲルハルトによって16世紀末に制作されたもので、大理石とブロンズという2つの異なる材料を組み合わせているのが大きな特徴です。市庁舎やペルラッハの塔の下にあって見過ごされがちですが、アウクスブルクの始まりを示す重要な歴史的建造物の1つとして、じっくり鑑賞してみてください。

また、ここからマキシミリアン通りを南に下ると「メルクリウスの噴水(Merkurbrunnen)」と「ヘラクレスの噴水(Herkulesbrunnen)」があり、この街の三大噴水として知られています。街歩きの途中の小さな立ち寄り観光スポットとして、ぜひ訪ねてみてください。

8. モーツアルトハウス

出典: shlomp-a-plompa

市庁舎前の大通りを北へ北へと歩くと、えんじ色の建物が見えてきます。このモーツァルトハウスは、誰もが知っているヴォルフガング・アマデウス・モーツアルトの父であるレオポルト・モーツアルトの生家といわれています。17世紀に建てられたこの建物は、とくに観光名所としての目印などもなく、周辺の家々と同じような外観で街に溶け込んでいます。

モーツァルト家は、レオポルトの父までは代々石工職人だったといわれ、レオポルトは無給のヴァイオリン奏者からザルツブルク宮廷楽団第2ヴァイオリン奏者まで身を成しました。レオポルト自信はあまり作曲の才能はなかったといわれ、彼の最大の功績はヴォルフガングを世に送り出したことといわれています。

建物の中に入ると、レオポルトとヴォルフガングが練習で使用していたアンドレアス・シュタイン製のフォルテピアノの展示など、天才音楽家のルーツを探ることができますよ。また、当時のドイツ一般市民の生活を垣間見ることができるという点でも、面白い観光スポットといえるでしょう。

9. 操り人形博物館

出典: Oliver Böhm

アウクスブルク旧市街の南端に、人形劇の劇場と操り人形博物館「ディー・キステ(Die Kiste)」があります。劇場では、「ピノキオ」や映画『サウンド・オブ・ミュージック』に登場する「一人ぼっちの羊飼い」など、日本でも有名なプログラムも数多く上演されています。

この劇場は代々家族経営で、人形制作から人形役まですべて分担で運営していました。1950年代には「星の王子様」や「美女と野獣」、「白雪姫」などがテレビ放映されるようになり、一躍有名になりました。

ドイツやオーストリアなどではマリオネット鑑賞はとても人気があり、この劇場での演目も予約を取らなければなかなか鑑賞できません。残念ながらチケットが手に入らなかった場合でも、博物館で素朴な木製の人形を見ることができますよ。

10. 聖アンナ教会

出典: Allie_Caulfield

聖アンナ教会は、1321年に建てられたアウクスブルクでも古い教会の1つです。1518年のアウクスブルクでの審問では、マルティン・ルターが教会の司祭ヨハン・フロッシュの下に滞在しました。そうした縁もあり、この聖アンナ教会はアウクスブルクで最も格式の高いプロテスタント教会として知られています。主祭壇の左側に飾られているルーカス・グラナッハによるマルティン・ルターの肖像画は必見ですよ。

またこの教会は、フッガー家を大富豪に育て上げたヤーコプ・フッガーの廟所となっていることでも有名です。堂内にはヤーコプがアウクスブルクの芸術家を集めて作らせた、フッガー家の壮麗な廟があります。ここにはヤーコプのほか、弟のウルリヒとゲオルク、そして甥のレイモンドが眠っています。

アウクスブルクの歴史を動かした2人の偉人の足跡をたどることができる、おすすめの観光名所です。

11. フッガーホイザー

出典: commons.wikimedia.org

アウクスブルクを語るのに欠かせないのが豪商フッガー家。その住居だったのが、アウクスブルクの目抜き通りであるマキシミリアン通り沿いの「フッガーホイザー(Fuggerhäuser)」です。フッガー家の住居兼商館だったこの建物を1つにまとめたもので、現在もフッガー家の末裔が所有しています。フッガー家が経営する銀行が入っているほかは一般のテナントとなっていて、レストランやギフトショップなどメインストリートにふさわしいお店が並んでいます。

この建物でとくにおすすめなのが、ルネッサンス様式の美しい中庭「ダーメンホーフ(Damenhof)」。現在はカフェ・レストランとなっているので、一見の価値のある美しい庭をぜひ見学してみてください。

12. マキシミリアン通り

アウクスブルク旧市街の目抜き通りとなっているのがマキシミリアン通り(Maximilianstrasse)。アウクスブルク市庁舎前広場から聖ウルリヒ&アラフ教会まで南北に伸びていて、トラムも走る広い通りです。

通り沿いには市庁舎やペルラッハの塔、三大噴水、フッガーハウス、シェツラー宮殿、そして聖ウルリヒおよび聖アフラ教会など多くの観光名所が集まっています。時間が限られている場合は、この通りを端から端まで歩くだけでも、最低限のスポットを巡って歴史あるアウクスブルクの雰囲気を味わうことができるでしょう。また、メインストリートなので飲食店やお土産店、カフェなどもたくさんありますよ。

◎まとめ

ドイツで2番目に古い街アウグスブルク。ミュンヘンの近くにあり、経済上も宗教上もたいへん重要な役割を担ってきた都市として、毎年多くの観光客が訪れます。ドイツを代表する観光ルート「ロマンティック街道」の1つでもあり、天才モーツアルトの父や大富豪フッガー家が生まれた地、そしてルターの宗教改革の舞台と、長い歴史の分だけたくさんのエピソードがつまっています。ミュンヘンから鉄道で30分ほどのアウクスブルクは、南ドイツでは定番の観光都市の1つですよ。

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