歴史ある水の街・済南の観光名所10選　古くから愛されるワケを紹介！

山東省済南は、黄河の流れる比較的大きな都市です。済南は中国の神話にも登場するほど、歴史のあるのが注目すべきところ。歴史の息づく観光スポットは、あらかじめ調べておくと、より楽しめるでしょう。

また、済南の観光スポットに歴史が絡むのには理由があります。それは風光明媚な土地として、古くから愛されていたから。大明湖や趵突泉（しゃくとつせん）など、歴史に詳しくなくとも、風流で雅な風景を堪能することができます。

それでは、済南の観光スポット9選を一挙ご紹介します！

1.大明湖

大明湖は6世紀ごろから、すでに美しい風景が見られる地として知られていた観光スポット。済南の中心部のやや北東に位置し、済南の町に潤いを与えています。
都市部にある天然の湖で、複数の泉が合体して、でき上がったとされています。また、大明湖は趵突泉と千佛山とともに済南三大名勝といわれ、多くの観光客が訪れています。

深い緑色をした湖面に「歴下亭」をはじめ、多くのビュースポットがあります。柳が垂れ下がる水辺の風景は、なんとも中国らしい優雅さを感じます。さらに、湖の周辺には、有名な詩人の名詩句を彫った石碑が。時代を超えて、多く人々に愛された場所だと実感できますよ。

古くから「泉城」と呼ばれ、水のある風景が親しまれていた済南。大明湖は済南の観光では外せませんよ。

2.千佛山

千佛山は古くは「歴山」といい、その名前からも歴史がある観光スポット。伝説では舜という人物が皇帝になる以前、歴山で畑仕事をしていたため、「舜山」や「舜耕山」とも呼ばれる観光地です。隋の時代に済南で仏教が隆盛し、大勢が壁に仏を彫りました。その彫刻の数が非常に多かったことから、千佛山と呼ばれるようになりました。西側の登山口から登ると、「唐槐亭」と一本の木があります。この木は、唐の時代の名将軍が馬を繋いだ木。多くの見どころがあるのが、千佛山の観光の魅力ですよ。

山の中腹にある「斉煙九点坊」からの景色も評判。眼下の大明湖は鏡のようにきらめき、黄河は「帯」のように流れます。そのため、多くの観光客が感嘆の声を上げています。また、麓にある黄金の弥勒菩薩は、日本の和歌山県会が寄贈したもの。日本とのつながりを感じあられる観光スポットですね。

さらに、千仏山の東にある仏慧山にも見どころがあります。開元寺遺跡には高さ約8m、幅約5.5mの「大仏頭」が訪れる観光客の目を楽しませています。山全体に、見どころがたくさんあるので、済南観光をアクティブに楽しみたい方にぴったりです。

3.千仏崖造像

千仏崖造像は済南市歴城区にある遺跡で全国重点文物保護に指定されている済南の観光スポット。白虎山の中腹あたりで、見ることができます。

千仏崖造像の高さは数10m、全長は60mです。240以上の彫像と46もの碑文がここの目玉。唐の時代、貴族や僧侶が家族や親戚の「幸せ」を祈って建立されました。多彩な表情をした彫像は、古代中国の彫刻芸術のレベルをうかがい知ることができます。

4.趵突泉

済南の中心部にある趵突泉（しゃくとつせん）。ここは泉のある文化公園として整備されている観光スポットです。緑色の藻や魚が泳ぐ泉の光景、そしてそばにある回廊や東屋が中国風の優雅さをもたらします。

降水量が多い夏に訪れるのが観光では定番ですが、秋や冬に観光するのもオススメです。なぜなら、旧正月の泉がライトアップされる行事や、秋に開催される菊の展覧会など、催しがたくさん！特に菊は、宋の詩人の李清照が趵突泉で菊を愛でたことから、風流な観光をしたいなら、ぜひ訪れてほしいです。

5.芙蓉街

芙蓉街は済南を旧市街や飲食店が立ち並んでいます。レトロな中国の街の風景は、散策するだけでも楽しめる観光スポットです。済南の中心部を南北に走る芙蓉街には「芙蓉泉」があり、それが街の名の由来となりました。

歴史を感じる建物では、ショッピングも食事もできるので、便利な観光スポットです。お土産をここで買うのもいいでしょう。昼も夜も多くの観光客で賑わっているので、中国の活気を実感できる観光スポットでもあります。

また、芙蓉街の名の由来となった芙蓉泉も、もちろん人気の見どころ。芙蓉泉は民家にある天然の泉で、昔の旅行者が「家々に泉が湧き出づる」と語っていました。済南を代表する泉は、水の街・済南の文化をシンボル、ぜひ訪れてみてくださいね。いにしえの詩人の詠んだ詩を彫った石碑があり、済南の歴史の垣間見ることができますよ。

6.済南霊岩寺

済南霊岩寺は、1600年以上の歴史がある観光地。済南の中心部から南へ車で1時間ほどのところにあります。霊岩寺は4世紀ごろ、東晋の時代に建立されたお寺。5世紀ごろ、北魏の時代に一度、焼失しました。しかし6世紀前半に再建され、法定禅師が訪れ、再び興隆しました。

以後、霊岩寺は名刹として繁栄しましたが、現在の境内は、素朴な雰囲気が流れています。しかし、広い堂宇と建物の質感からは、かつての隆盛がうかがえます。

彫刻芸術を観光でき、国家重点文物保護にも指定されています。中でも羅漢像は、表情豊かで迫力があります。千佛山の他にも、済南での中国の仏教文化を知ることができる観光スポットといえますよ。

7.大峰山斉長城

紀元前685年に斉王・桓公の手によって造られた長城です。現在は済南の観光スポットとして、人気を博しています。長城は海にまで続いていたと記録されており、その規模の大きさは計り知れません。

斉長城は盛られた土の上に石垣が築かれ、高さは5m、厚さは2mあります。長城内側の防衛用の道は、高さ4mの幅2mで、壁のすぐそばに造られました。石を積み上げるだけで造られており、古代の人々の息遣いが聞こえていますよ。済南の観光で、ロマンを感じたい方にはオススメの観光スポットですね！

長城の峰からの風景は美しく壮観です。アクティブな方にオススメの済南・観光スポットと言えるでしょう。

8.曲水亭街

「曲水亭街」は済南を代表する歴史的観光スポット。ここには国内だけでなく、外国からも観光客が訪れ、賑わいを見せています！古くから文人が集まっていた場所で、小川と柳が演出する風景は今も変わりません。

また、実際に生活している人々がいるのも、曲水亭街の観光の魅力です。古くからの生活を営むようすを見ると、旅情を感じますよ。川の流れる音もノスタルジックな気分にさせてくれます。

その魅力的な景観に観光客もほっとさせられることでしょう。済南で歩き疲れたら、曲水亭街で休憩してみてはいかがでしょうか？

9.解放閣

済南の街を歩いていると、大きくて目立つ建物を見つけるはずです。これは「解放閣」という建物で、国共内戦の戦没者供養のメモリアルといて建てられました。

土台は10メートルの高さで面積は2,150平方メートルあります。額には「解放閣」と書かれ、土台はすべて石で造られています。周囲の階段から登ることができ、観光客も訪れます。

済南は古代の遺跡も残る地ですが、近代の激動にも深く関わった地なのですね。解放閣はそれを実感させてくれる観光スポットです。

10.洪家楼教会

洪家楼教会は、正式には「洪家楼イエス聖心主教座堂」といいます。済南のシンボルともえる存在で重要な観光スポットです。教会は、済南市東部の歴城区にあり、北側には山東大学の旧校舎があります。教会の名前は洪家楼村から採られました。

建設当初は華北エリアで最大の教会で、済南はもちろん中国全体でも五本の指に入るほど有名な教会です。そのため、中国の近代宗教建築でも貴重な観光スポットです。

黄河の流れる歴史の街、済南でヨーロッパに迷い込んだような気分になりますよ。

◎まとめ

済南の観光スポットは10選、水と歴史の都市へ行きたくなりましたか？

かつては「泉城」と呼ばれていたほどの、水に富んだ街の済南。今もいたるところで、その面影を見ることができます。

また黄河が流れ、古代から都市とて繁栄した済南は、交通の便も良いです。鉄道で北京や上海、青島などへ簡単にアクセスできるので、中国を思う存分観光したいという方にはオススメです。気候に関しても、日本の東京や大阪と大きな違いはありません。気軽に観光できるのも、済南の魅力です。

今回は紹介しきれなかった殷周時代の遺跡などにも行ってみるといいでしょう。中国4000年の歴史にふれると、より中国観光も楽しめますよ。

歴史ある水の街・済南の観光名所10選　古くから愛されるワケを紹介！