名称:Kremlin and Red Square, Moscow
住所:Krasnaya ploshchad, Moscow
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/545/
ホワイトハウスといえば、ふつうアメリカの大統領府を意味するように、クレムリンといえばロシア政府を指すのが一般的です。ロシアの建国以来、モスクワのクレムリンはずっと政治の中心でした。
そのたもとにある赤の広場は、言い換えるならモスクワおよびロシアの中央広場。「赤(クラスナヤ)」というと共産主義のソビエト連邦にちなむように思いますが、この言葉には「赤い」のほかに「美しい」という意味があります。すなわち、こちらもロシア帝国時代からの歴史ある世界遺産の広場なのです。
モスクワ随一の観光スポットでもある世界遺産のクレムリンと赤の広場。その見どころと歴史についてご紹介しましょう。
目次
今日まで続くロシアの都!世界遺産「モスクワのクレムリンと赤の広場」
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モスクワのクレムリンと赤の広場とは?
世界遺産「モスクワのクレムリンと赤の広場」はロシアの首都モスクワの中心にある観光名所です。クレムリン(ロシア語の発音ではクレムリ)とは、そもそも城郭全般をさす一般名詞。ですが、今日では単にクレムリンといえば、モスクワの城塞を指します。その基となる砦は12世紀に築かれたといわれ、13世紀にモスクワ公国が成立して以降、その首都を守る城塞として徐々に改修・拡張されていきました。
赤の広場の方は、15世紀末にモスクワ大公イヴァン3世が、市街地を整理して開いたのが起源とされています。ピョートル1世が1712年にサンクトペテルブルクを建設して遷都すると、モスクワは形式上は首都ではなくなりましたが、都市としての重要性が失われることはありませんでした。
1917年のロシア革命によってソビエト連邦が誕生すると、モスクワが再び首都となります。ロシア皇帝の宮殿があったクレムリンにはソ連の最高指導者が住み、赤の広場にはレーニン廟が建設されました。クレムリンと赤の広場は、脇にある聖ワシリイ大聖堂とともに、1990年に世界遺産に登録。冷戦が終結したのちは、世界中から観光客の集まるスポットとなっています。
モスクワのクレムリンと赤の広場へのアクセス
日本からモスクワまでは、直行便で10時間ほど。モスクワにはシェレメーチエヴォ国際空港とドモジェドヴォ空港があり、日本からの直行便であれば前者に到着します。
シェレメーチエヴォ国際空港からモスクワ市街へはバス、電車、タクシーが利用できます。列車の場合、空港からアエロエクスプレスに乗り、ベラルースカヤ駅に向かいましょう。地下鉄に乗り換えてチアトラーリナヤ駅で降りれば、赤の広場はすぐそこです。
モスクワのクレムリンと赤の広場のおすすめポイント①:クレムリン
モスクワ川沿いの河岸段丘に築かれた城塞クレムリンは、三角形をしているのが特徴です。高さ10~20mのレンガ造りの城壁で囲まれ、途中途中には20ほどの塔が建っています。そのうちスパスカヤ、トロイツカヤ、ニコリスカヤ、ホロヴィツカヤ、ヴォドヴズヴォドナヤの5つの塔のてっぺんには、いわゆる「クレムリンの赤い星」がきらめいているので、探してみてくださいね。
城内には、黄金のドームをもつウスペンスキー大聖堂や、世界一のダイヤモンドが収蔵されているダイヤモンド庫をはじめ、武器庫やパトリアールシー宮殿、多くの聖堂などがあります。それぞれ見学可能ですが、かのロシアの大統領府ということで警備は厳重。歩道から少しでも離れたら警告を受けたり、リュックサイズ以上の荷物は持ち込めないなど、注意が必要な点が多いので気を付けて訪問してください。
モスクワのクレムリンと赤の広場のおすすめポイント②:赤の広場
日本語ではちょっと物騒に響いてしまう赤の広場は、今では観光客だけでなくモスクワの老若男女が集うオープンな観光名所。広場の周囲にはクレムリンのほか聖ワシリイ大聖堂やグム百貨店、歴史博物館が建ち並んでいて、いずれもモスクワの重要な観光スポットです。
広場のさらに中央にあるレーニン廟には、防腐処理(エンバーミング)を施されたレーニンの遺体が今も安置されています。また広場に沿った城壁には、ガガーリンやスターリン、そして日本人の社会主義者片山潜などが死後に埋葬されました。
ロシアからソ連、そして再びロシアへ。そんな歴史の変遷をずっと見つめ続けてきた世界遺産スポットといえるでしょう。
モスクワのクレムリンと赤の広場のおすすめポイント③:聖ワシリイ大聖堂
赤の広場」南側に建つ聖ワシリイ大聖堂も、世界遺産の構成資産に含まれています。16世紀中頃、モスクワ大公国の統治者でロシア最大の暴君といわれたイヴァン4世が建立したもの。イヴァン4世はこの大聖堂よりも美しい建築物を作らせないために、完成後に設計者の目を失明させたと伝えられています。
聖ワシリイ大聖堂は、逸話にたがわず世界でもっとも美しい建造物の1つと謳われています。寄り添って一体となっている円柱状の大小9つの塔は、それぞれデザインが異なる玉ねぎ屋根をもち、カラフルでいつまで見ていても飽きません。この聖堂は西側正面から見たときだけ左右対称になるので、ぐるっと一周回ってそのことをぜひ自分の目で確かめてみてください。
モスクワのクレムリンと赤の広場の注意事項
モスクワは世界的に有名な観光地であり、たくさんの観光客が訪れる場所です。ヨーロッパ主要都市と同様に、観光客が集まるところではスリやひったくりなどが発生しているので注意しましょう。
またロシアでは、外国人は外出時にパスポートの携帯が義務付けられています。道で警察官から提示を求められた際に非携帯だと、罰金が課せられることがあります。さらに、ロシアでは外国人の滞在登録も義務付けられています。ホテルに宿泊する場合には、ホテル側が登録を代行してくれます。友人宅などに滞在する場合は、個人で登録しなければなりません。詳しくは日本国総領事館等のサイトで確認してください。
◎まとめ
世界遺産「モスクワのクレムリンと赤の広場」の見どころなどについて取り上げました。
モスクワは日本からヨーロッパへ行く際に、トランジットで立ち寄ることの多い都市。もし飛行機の乗り換えで時間が余るようなら、ぜひモスクワの世界遺産を観光してみましょう。
ただし、その場合はあらかじめ入国ビザが必要になることをお忘れなく!モスクワで待ち時間が結構あるなと思ったら、ひとまずビザを取得しておくと良いでしょう。