名称:Fertö / Neusiedlersee Cultural Landscape
住所:Hauswiese, Illmitz 7142, Österreich
公式・関連サイトURL:https://goo.gl/WJWL5k
オーストリアの首都ウィーンといえば、なんど訪ねても飽きない世界遺産の観光都市。ですが、ウィーンの魅力は中心部だけにとどまりません!北西にはドナウ川の景勝地ヴァッハウ渓谷、南西にはゼメリンク鉄道、そして南東には、今回ご紹介するノイジートラー湖があります。これらもすべて世界遺産!さすが歴史ある観光対抗オーストリアといったところですね。
ノイジートラー湖はオーストリアとハンガリーにまたがっていて、ハンガリー語ではフェルテー湖といいます。世界遺産としての登録名は「フェルテー湖 /ノイジートラー湖の文化的景観」となっていて、自然遺産ではなく文化遺産です。古くから両国の交流の舞台となっていたほか、湖の周辺には宮殿などの保養施設が建設されまたした。またワインの産地でもあり、そうした昔からの伝統ある文化的景観が、世界遺産の趣旨に適合すると判断されたのです。
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オーストリアの世界遺産ノイジートラー湖(フェルテー湖)に癒されよう!
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フェルテー湖 /ノイジートラー湖の文化的景観とは?
オーストリアとハンガリーにまたがるノイジートラー湖は、琵琶湖の半分くらいの面積で、日本で2番目に広い霞ヶ浦の1.5倍くらいの規模があります。315平方kmの面積のうち、5分の4ほどがオーストラリア、残りがハンガリーに属しています。
湖とはいっても、ノイジートラー湖は平均水深が1m、最も深いところでも2mに届きません。また雨や日照り、強風によっても容易に水位が上下し、かつてはほとんど干上がってしまったこともありました。そのため、周囲には葦が茂り、湿地や干潟のような地形になっていることから、渡り鳥をはじめ多くの野鳥が集まります。
今日では、海のない内陸国のオーストリアにとって貴重なウォーターレジャーの行楽地でもあり、また首都圏から気軽に自然観察を楽しめるスポットでもあります。
ノイジードラーゼーゼーヴィンゲル国立公園へのアクセス
ノイジートラー湖北岸の町ノイジードル・アム・ゼー(Neusiedl am See)ないしヴァイデン・アム・ゼー(Weiden am See)までは、ウィーン中心部から在来線の快速列車でわずか40分ほどです。
ワインで有名な西岸の町ルストへは、やはりウィーン中心部から在来線でシュッツェン・アム・ゲビルゲ(Schützen am Gebirge)へ行き、バスに乗り換えます。所要時間は全部で1時間半ほどになります。
ちなみに、アム・ゼーとは「湖畔の」という意味です。
ノイジートラー湖のおすすめポイント①:野鳥観察
ノイジートラー湖は水深が浅いうえに周囲には葦の野原が広がっているため、野鳥にとって格好の住みかとなっています。約280種類の鳥類が観察できるとされ、ヨーロッパハチクイやアカハシハジロ、ヌマヨシキリなど日本では見られない種類もたくさんいますよ。ノイジートラー湖はノーベル医学生理学賞を受賞した動物行動学者コンラート・ローレンツの研究対象になったことでも知られています。
ほかにも、黒い翼をもつ明るい黄色の鳴鳥ニシコウライウグイスや小さく愛らしい水鳥のカイツブリ、木の枝から巣を吊り下げるツリスガラなど、珍しい野鳥にいろいろ出会えるバードウォッチングスポット。双眼鏡は必携です!夏になると、人家の屋根や煙突の上にコウノトリの巣を見つけることもできますよ。
ノイジートラー湖のおすすめポイント②:ルスト
ノイジートラー湖西岸のルストは、人口2000人足らずの小さな町。ここはオーストリアでも有数のワインの産地として知られています。かつてはハプスブルク帝国最大の地主といわれるハンガリー貴族のエステルハージ家が治めていたところで、同家のもとでワイン醸造が盛んに行われました。
ハンガリー風の家々が立ち並ぶ小さな旧市街には、名物のワインを楽しめるレストランや直売店が点在しています。マスやウナギなどノイジートラー湖の湖魚を使ったご当地グルメも味わえますよ。世界遺産の湖畔の町で、ゆったりワインを食を堪能してください。
ノイジートラー湖のおすすめポイント③:ウォーターアクティビティ
海から遠く離れたウィーンの人たちにとって、ノイジートラー湖はもっとも手軽にウォーターアクティビティを楽しめるレジャースポットです。魚釣りやボートにヨット、キャンプ、サイクリング、ウィンドサーフィンなど、遊び方もいろいろです。水深が浅いので、溺れたりする心配が少ないのも魅力ですね。また、ノイジートラー湖では毎年メルビッシュ・アム・ゼーからイルミッツまでの横断水泳大会も開かれています。身長160cm以上あれば誰でも気軽に参加できるんですよ。
水に入るのは苦手という人には、東岸の町ポーダースドルフ・アム・ゼーから出ている遊覧船がおすすめ。個人では行けない自然保護区域も巡るので、ノイジートラー湖の自然を船からじっくり観察することができます。
◎まとめ
オーストリアの首都ウィーンからほど近い世界遺産「フェルテー湖 /ノイジートラー湖の文化的景観」についてご紹介しました。広くて浅い湖では過ごし方も自由自在で、一日中楽しめる世界遺産ですよ。
また、ノイジードル湖の周辺にはおしゃれなカフェやバー、レストランなどもあちこちにあり、特産のワインを目当てにたくさんの観光客が集まります。ウィーンからちょっと足を延ばして、ぜひノイジートラー湖で自然と食を満喫してください。