名称:Historic Cities of the Straits of Malacca
住所:Melaka/George Town Malaysia
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1223/
東西をつなぐ海のシルクロード!世界遺産・マラッカ海峡の歴史都市群
500年以上前から交易品や文化の交流があり、現在も東洋と西洋を結ぶ航路として重要な役割を果たしているマラッカ海峡。そのマラッカ海峡の中継都市として栄えたマラッカ(ムラカ)とジョージタウンが、2008年に「マラッカ海峡の歴史都市群」として世界遺産に登録されました。ヨーロッパとアジアの文化が融合した特異な街並みはとても美しく、長きに渡って多民族が共存してきた街はいつも活気にあふれていますよ。
今回は、そんなマレーシアの世界遺産「マラッカ海峡の歴史都市群」の魅力についてご紹介していきます。
目次
東西をつなぐ海のシルクロード!世界遺産・マラッカ海峡の歴史都市群
マラッカ海峡の歴史都市群とは?
出典: Elena Ermakova/Shutterstock
2008年に世界遺産に登録された「マラッカ海峡の歴史都市群」は、クアラルンプールの南にある港町マラッカ(ムラカ)と、ペナン島の中心地であるジョージタウンで形成されます。マラッカ海峡の中継都市であったマラッカは、400年以上にわたりヨーロッパ諸国の支配下に置かれたことから、東洋文化と西洋文化が融合する独特の街並みを作りあげてきました。
マラッカ海峡の入口に浮かぶペナン島は、イギリスがマレー半島を植民地とする際に拠点となった場所。
その中心地であるジョージタウンは、イギリスの統治下で発達していったため、街中にはコロニアル調の建物とマレー系、中国系、インド系の建物が相交わり独特な雰囲気を醸し出しています。
東洋と西洋、そして新旧の文化が交わる街として魅力たっぷりのマラッカとジョージタウンですが、どちらもマレーシアの歴史を語る上で欠かせない重要なスポットです。建築物、グルメ、行き交う人々、聞こえてくる言語と、そこに存在する全てが多民族国家・マレーシアを象徴するものとなっています。
マラッカ海峡の歴史都市群へのアクセス
◆マラッカ
【タクシー】
クアラルンプール国際空港から市内を経由せず、直でマラッカへ向かえば90分程で到着です。
【バス】
クアラルンプールの「TBS-BTS(バスターミナル・バンダータシックスラタン)」から乗車し「マラッカ・セントラル」まで約2時間。マラッカのバスターミナルから市内中心部までは、車で約10分です。
◆ジョージタウン
【飛行機】
クアラルンプール国際空港からマレーシア航空が1日10便ほど運航しています。クアラルンプールからペナン国際空港までは約1時間。空港からジョージタウン中心部までは、車で30分の道のりです。
※クアラルンプールから長距離バスを利用する方法もありますが、ルートによっては7時間近くかかる場合もあるので利用する際はスケジュールの確認をお忘れなく。
マラッカ海峡の歴史都市群のおすすめポイント
◆マラッカ
ヨーロッパとアジアを結ぶ貿易の中継点として繁栄したマラッカ。オランダ、ポルトガル、イギリスの支配下に置かれた歴史から、街中にはコロニアル調の美しい建物が並びます。ピンクのレンガが印象的なオランダ広場は、まさにその象徴とも言えるでしょう。
かつてこの地にあったマラッカ王国は、15世紀初頭に内戦を逃れてきたスマトラ島の王子によって建国されました。現在のマレー系の礎を築いたと言われている偉大な国家で、東南アジア各国にイスラム教が広まったのもこのマラッカ王国あってのことなのです。
マラッカを観光するなら、まずはその歴史を学べる「マラッカ王宮博物館」や「ファモサ(サンチャゴ砦)」を訪れてみると良いでしょう。そのほか、フランシスコ・ザビエルの遺骨が安置されていた「セントポール教会」や街のシンボル「クライスト・チャーチ」など、見どころが満載です。
◆ジョージタウン
ペナン島は、18世紀末に植民地としてイギリスに譲渡された島です。当時はプリンス・オブ・ウェールズ島と呼ばれており、ジョージタウンはその中心地でした。ジョージタウンはマラッカやシンガポールと同様に関税が免除されていたため、各地から商人が集まるようになり徐々に多民族文化が形成されていったのです。
街そのものが世界遺産であるジョージタウンでは、至るところで美しい光景を目にすることができます。イギリス統治時代に建てられた「シティホール」や東南アジアで最も古い英国教会である「セント・ジョージ教会」、輝きを放つ中国寺院「クー・コンシー(邸公司)」に鮮やかなブルーが目を引く「チョンファッツィ・マンション」と色彩豊か。建築様式も異なるので見ていて飽きません。
別名「アートの街」と呼ばれるジョージタウンには、ウォールアートもいっぱい!軒先に置かれた生活用品とアートのコラボは、思わず二度見してしまうほどのリアルさです。なんと夜にはライトアップもされるのだとか。ジョージタウンは「グルメの街」でもあるので、ぜひ食べ歩きをお楽しみください。
◆プラナカン文化
世界遺産の街・マラッカとジョージタウンで忘れてはいけないのが「プラナカン」という独特の文化です。かつてヨーロッパの支配下にあったマレーシアでは、中国から移住して来た人々が貿易会社やプランテーションなどを経営し莫大な富を築きました。中華系移民の男性はマレー系の女性と結婚することが多く、その結果、2つの文化が融合したプラナカン文化が生み出されたのです。
裕福な商人だったプラナカンたちは、マラッカやジョージタウンに「プラナカン屋敷」と呼ばれる邸宅を次々と建て、中国やマレーシア、西洋から取り寄せた家具や調度品を飾りました。マラッカにある「ババ・ニョニャ・ヘリテージ」は、チャン氏が建てたお屋敷を博物館として一般公開したもの。中には家宝やプラナカンの伝統衣装も展示されているので、ぜひ足を運んでみてください。
プラナカン文化といえば「ニョニャ料理」も有名です。これは中国食材をココナツや香辛料で味付けした独特な味わいを持つ料理で、マラッカやジョージタウンの郷土料理としても親しまれています。辛さ控えめの「カリー・カピタン」や豚肉をスパイスと醤油で煮込んだ「バク・シオ」は、きっと日本人の口にも合うはず。どちらも屋台で気軽に頂けますよ。
◎まとめ
マレーシアといえば、急速に近代化が進むクアラルンプールやオランウータンの保護区であるボルネオ島が有名ですが、実はこんなに素敵な世界遺産があるのです。マラッカもジョージタウンも見どころが多い街ですので、ぜひゆっくりと時間をかけて観光を楽しんでくださいね。美味しいグルメとビーチでの散策もお忘れなく!