名称:グラーツ市歴史地区とエッゲンベルグ城(City of Graz – Historic Centre and Schloss Eggenberg)
住所:Graz, Austria
公式・関連サイトURL:https://whc.unesco.org/en/list/931/
オーストリア南東部にある都市グラーツは、シュタイアーマルク州の州都としても知られる有数の都市。ムール川沿いに広がる街は、文化や教育の中心でもあり、大勢の学生や研究者が住んでいます。グラーツの中心部には、たくさんの歴史的建造物が残されており、グラーツ歴史地区として1999年に世界遺産に登録されました。
博物館や美術館が多いグラーツですが、特に有名なのが郊外にあるエッゲンベルグ城。この城は博物館として一般公開されており、こちらも世界遺産に追加登録されています。様々な文化施設や歴史的建造物が建ち並ぶ街は見どころが多く、人気の観光スポット。その中でもおすすめのポイントを交えながら、魅力たっぷりのグラーツをご紹介します。
目次
オーストリアが誇る世界遺産!グラーツの市街-歴史地区とエッゲンベルク城
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「グラーツの市街-歴史地区とエッゲンベルク城」とは?
グラーツ市街に残る歴史地区は、時代が異なる様々な建築様式の建物が調和し、保存状態の良い街並みが評価されたことから、1999年に世界遺産に登録されました。その後2010年には、グラーツ郊外にあるエッゲンベルク城が世界遺産に追加され、現在に至ります。
歴史の街として名高いグラーツの起源は、10世紀頃に遡ります。当時スラブ系民族が移住し、丘の上に城塞を築きました。グラーツの名称は、スラブ語で「小さい城」を意味する「グラデツ」が由来。様々な歴史を乗り越えてきたグラーツは、「中欧で最も完全な歴史的旧市街」と言われるほどです。
王宮や教会、大学など美しい建物が建ち並ぶ歴史地区は、散策するだけで楽しい気分になりますよ。歴史地区からは少し離れていますが、エッゲンベルグ城もお見逃しなく!
「グラーツの市街-歴史地区とエッゲンベルク城」へのアクセス
日本からグラーツへの直行便はありませんので、ウィーン、スイスのチューリッヒ、ドイツなどを経由します。
ウィーンでグラーツ行きの便に乗り継げば、日本からの所要時間はおよそ15時間です。
ウィーンからグラーツへ列車で行く場合は、2時間半~3時間ほど。景色を眺めながらゆっくり旅したい人にはおすすめです。
「グラーツの市街-歴史地区とエッゲンベルク城」のおすすめ①:エッゲンベルグ城
グラーツ歴史地区から少し離れた郊外にある世界遺産の「エッゲンベルク城」。現在残されている建物は、当時の内務長官だったエッゲンベルグ家の当主によって、1625年からおよそ10年の歳月を掛けて建てられました。建設当時はマニエリスム様式の建物でしたが、その後の城主によって庭園を含め建物はロココ様式に改築されています。
エッゲンベルグ城の魅力は世界遺産というだけではなく、デザインも神秘的。宇宙的な数値をもとに設計され、四大元素を表した4本の塔や1年の日数と同じ365個の窓などがあります。
さらに広間の数は、1日の時間と同じ24で、不思議なデザインが見られます。建物内には中国風や日本風の部屋があるので、こちらも必見ですよ。
「グラーツの市街-歴史地区とエッゲンベルク城」のおすすめ②:ハウプト広場
ハウプト広場(Hauptplatz)は、世界遺産グラーツの歴史地区の中心にある美しい広場。中央部には、ヨハン大公の記念像があり建てられています。グラーツの人びとにとって憩いの場であるハウプト広場は、グラーツの観光拠点としても人気のスポット。広場の周りには美しい市庁舎をはじめ、カラフルな建物が建ち並んでいるので、散策するだけでも楽しめますよ。
また天気の良い日には、広場に面したカフェやレストランのテラス席が大人気。世界遺産の美しい街並みを眺めながら、食事を楽しんでみてはいかがでしょうか。ハウプト広場から延びるヘレンガッセやザック通りには、歴史的な建物が多く建ち並んでいるので、歩いて周るのがおすすめです。
「グラーツの市街-歴史地区とエッゲンベルク城」のおすすめ③:グラーツ大聖堂
グラーツ大聖堂は、グラーツ歴史地区を代表する教会の一つ。1438年から1464年にかけて、宮廷聖堂として建てられました。
外観ははいたってシンプルで、街の小さな教会といった雰囲気です。もともとゴシック様式で造られた教会でしたが、宗教改革の時代に内部の装飾がバロック様式に改修されました。
グラーツの街並みにひっそりと佇む素朴な教会ですが、一歩内部に足を踏み入れると外観とのギャップに驚かされます。優美な装飾が随所に施された礼拝堂は、世界遺産にふさわしい圧巻の美しさ。壁面に残されている壁画は、1485年に描かれたもので、グラーツに現存する絵画の中では最も古いと言われています。小さな教会ですが、時間をかけて訪れる価値がある場所です。
「グラーツの市街-歴史地区とエッゲンベルク城」のおすすめ④:聖母救済教会
当初の「聖母救済教会(Mariahilferkirche)」 は、1607年着工、1611年に完成しました。
現在の優雅な姿になったのは、1744年。バロック様式の2本の塔ができ、”グラーツにおける最も美しい宗教建築の一つ”と称されています。
◎世界遺産「グラーツの市街-歴史地区とエッゲンベルク城」まとめ
様々な建築様式の建物が多く残された世界遺産の街グラーツは、その美しい景観が人々を魅了し続けています。世界遺産の中でも保存状態が良いとされている建物群は、訪れる人の期待を裏切ることはありません。中欧の歴史に触れられる世界遺産グラーツを、のんびりと旅してみてはいかがでしょうか。