ヨーロッパに残された最後の原生林、世界遺産「ビャウォヴィエジャの森」

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ヨーロッパに残された最後の原生林、世界遺産「ビャウォヴィエジャの森」

「ビャウォヴィエジャの森」はポーランド東部とべラルーシ西部の国境にまたがる、ヨーロッパ最大の森林地帯。ヨーロッパ最後の原生林とも言われ、人の手が加えられていない大自然が広がっています。バイソンを含め様々な種類の動植物を観察することができ、貴重な動植物を保護する目的として世界遺産にも登録されました。ここではそんな「ビャウォヴィエジャの森」について紹介していきたいと思います。

目次

ヨーロッパに残された最後の原生林、世界遺産「ビャウォヴィエジャの森」

ビャウォヴィエジャの森とは

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「ビャウォヴィエジャの森」はポーランドとべラルーシにまたがる世界遺産です。ポーランド側が1979年に、ベラルーシ側は1992年に世界遺産登録されました。「ビャウォヴィエジャの森」は世界遺産であると共に、世界生物圏保護区にも指定されています。ポーランド側が625平方km、ベラルーシ側が875平方km、総面積は約1500平方kmにもおよびます。

ヨーロッパの多くの森が人間によって開発されていく中、「ビャウォヴィエジャの森」はポーランド王やロシア皇帝のための狩猟場だったことから開発されませんでした。そのため今では手つかずの大自然を存分に味わる人気観光スポットです。ジュブルと呼ばれているバイソンの生息地としても有名ですが、多くの動物にとっての聖地にもなっていますよ。

「ビャウォヴィエジャの森」へのアクセス

「ビャウォヴィエジャの森」へはバスかレンタカーを利用しましょう。ポーランドの首都・ワルシャワからバスが出ているので、観光スケジュールと照らし合わせて選択してみてください。バスは経路によりますが、3時間半~4時間半程度かかります。レンタカーの場合は約3時間半。また、ポーランドの都市・ビャウィストクからレンタカーを利用すれば、約1時間半でアクセスすることができますよ。

「ビャウォヴィエジャの森」おすすめポイント4

大自然を満喫

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「ビャウォヴィエジャの森」には1000種を超える維管束植物や8500種の昆虫、250種の鳥類や300種の哺乳類など多くの動植物が生息しています。中には絶滅危機の貴重な動植物を間近で観察することもできますよ。ヨーロッパ唯一人の手が加えられていない森だけあって、その種類の豊富さは他とは比べものにならないほど多く、動植物好きなら一度は足を踏み入れたい場所でしょう。

そして「ビャウォヴィエジャの森」は四季によって様々な表情を見せてくれるのも魅力のひとつ。5月から9月は動植物を観察するうえでのベストシーズン。また、ヨーロッパの多くの森が針葉樹で覆われているのに対し、「ビャウォヴィエジャの森」は3分の2が広葉樹なので、10月には美しい紅葉の風景を見ることができます。10月は「黄金の秋」と呼ばれる季節。ポーランドの深まる秋の風景も格別です。

ヨーロッパ・バイソン

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「ビャウォヴィエジャの森」はヨーロッパ・バイソンの生息地として有名です。ヨーロッパ・バイソンはヨーロッパ最大の哺乳類。かつてはヨーロッパの森に生息していました。2万年前の洞窟壁画で有名なラスコーの洞窟にも描かれているんですよ。しかし中世以降、乱獲のため数が激減。20世紀初頭にはついに「ビャウォヴィエジャの森」に生息するバイソンも絶滅します。

その後奇跡的に生き残っていたバイソンを人工繁殖させ、「ビャウォヴィエジャの森」に再びバイソンが戻ってきました。世界に約4000頭しかいないヨーロッパ・バイソンの約25%がポーランド領の「ビャウォヴィエジャの森」に生息しています。運が良ければ、バイソンを見ることができるかもしれません。

充実したガイドツアー

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「ビャウォヴィエジャの森」はほぼ半分の面積が特別保護区に指定されています。そのため厳しい立ち入り制限があり、観光客は資格のあるガイドと一緒に入らなければなりません。観光で訪れることができるのは、広大な「ビャウォヴィエジャの森」の一部分。決められたルートを散策することしかできませんが、原生林の醍醐味を味わうことができます。

ガイドは「ビャウォヴィエジャの森」に生息する動物や植物をはじめ、民族文化や建築物の文化の解説をしてくれたり、ヨーロッパ・バイソンをよく見るポイントに案内してくれたりと、ガイドツアーならではの魅力がいっぱいです。ぜひガイドツアーを有効活用して楽しんでくださいね。

多様な施設

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「ビャウォヴィエジャの森」で野生のバイソンに出逢える確率は残念ながら高いとは言えませんが、ビャウォヴィエジャ動物園では自然に近い環境でバイソンを間近に見ることができます。この施設はバイソンが「ビャウォヴィエジャの森」で絶滅の危機にあった時に設立され、バイソンの人工繁殖に努めていました。現在ではバイソンの他にもシカやエルク、イノシシやキツネ、リスなども飼育されています。

動物園だけではなく「ビャウォヴィエジャの森」には2つの宿泊施設があります。近くの村には民宿やペンションなども揃っているので、ロングステイなどを楽しむことができるのも魅力です。日程に余裕があればゆっくりと滞在し、ポーランドの大自然を楽しんでみるのもいいでしょう。「ビャウォヴィエジャの森」と併せて訪れてみてください。

◎まとめ

ベラルーシとポーランドの国境をまたがって広がる世界遺産、「ビャウォヴィエジャの森」について紹介しました。貴重な動植物の観察や、日本では見ることのできない圧倒的な自然の雄大さを満喫することができます。人の手が加えられていないヨーロッパ最後の原生林「ビャウォヴィエジャの森」。ベラルーシやポーランドに訪れた際にはぜひ、世界遺産に足を運んでみてはいかがでしょうか?

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