人々が歴史と共存する美しい世界遺産の街！ポルトガル・エヴォラ歴史地区をご紹介

ポルトガルを代表する世界遺産、エヴォラ歴史地区。ポルトガルの首都リスボンから東へ約120キロに位置するエヴォラ歴史地区は、リスボンからも手軽に行ける日帰り観光地として人気の高い世界遺産です。小さな街なので、観光は半日から1日あれば十分。街に足を一歩踏み入れれば、そこはまさに古代ローマ時代。まるでタイムスリップしてしまったような、歴史を感じる素敵な街です。街がまるごと世界遺産に認められたのにも頷ける美しい街、エヴォラ歴史地区をご紹介します。

エヴォラ歴史地区とは？

ポルトガルを代表する世界遺産、エヴォラ歴史地区はポルトガル南東部アレンテージョ地方エヴォラにある小さな街です。街を要塞で囲む必要があるほど外敵から狙われたエヴォラが、やっと落ち着いたのは12世紀のこと。イスラム教徒から街を奪還したキリスト教徒たちは、エヴォラをルネサンスの中心地となるまで繁栄させました。今でも街には大聖堂や神殿、水道橋などの歴史的建造物が保存されており、その状態の良さが認められ1986年に世界遺産となりました。ローマ帝国の支配下にあったエヴォラは、今でも城壁に囲まれた静かな街。威風堂々とした歴史ある雰囲気は、訪れるものを虜にしてしまう魅力があります。

エヴォラ歴史地区へのアクセス

エヴォラ歴史地区最寄りのエヴォラ駅までは、鉄道を利用するのが最もポピュラーです。鉄道であれば、ポルトガルの首都リスボンのオリエンテ駅より乗り換えなしで約2時間ほどで到着します。またはリスボンのセッテ・リオス・バスターミナルから路線バスで約1時間40分～2時間ほどで行くこともできます。

エヴォラ歴史地区のおすすめポイント①：エヴォラ大聖堂

12世紀から13世紀にかけてエヴォラのランドマークとして建設された大聖堂「エヴォラ大聖堂」。長期間にわたり建築と改修が繰り返されたため、ゴシック様式とロマネスク様式の融合が珍しい世界遺産です。大聖堂内部は、もちろん世界遺産に相応しい荘厳な雰囲気。どこまでも続きそうなゴシック様式の回廊はまるで映画のワンシーンの様です。エヴォラ大聖堂の1番の見どころは、ヨーロッパに2台しか存在しないイベリアパイプオルガン。
このパイプオルガン、1584年に日本における宣教活動の発展のために派遣された「天正遣欧少年使節」の伊東マンショらが弾いたと伝えられる、日本とも関係のあるパイプオルガンなんです。世界遺産として400年以上の歳月を経た今でもそのまま保存され、今日も毎週ミサで奏でられています。美しい音色が変わらずエヴォラの人々に愛されているなんて、なんとも素敵ですね。

エヴォラ歴史地区のおすすめポイント②：アグア・デ・プラタ水道橋

エヴォラの街を囲む要塞の外からでも最も目立つ世界遺産、アグア・デ・プラタ水道橋。約18キロ離れたグラッサ・ド・ディヴォルの街を水源とする橋の全長は約9キロにもおよびます。水道橋をエヴォラ歴史地区の内側から見て驚くのが、橋の保存方法。坂の多いエヴォラの街に合わせてアーチが大きくなったり小さくなったりするのですが、その足元には住居が。頑丈な水道橋の柱が家の壁にちょうどよかったのか、それとも仕方なくそこに家を建てたのか今となっては分かりませんが非常にユニークな建築ですよ。街を歩けば、かつては繋がっていたであろう水道橋の一片を、途切れ途切れに辿ることができます。古代ローマ人の英知を感じる世界遺産ですね。

エヴォラ歴史地区のおすすめポイント③：サン・フランシスコ教会

サン・フランシスコ教会はエヴォラ歴史地区の中でも、とりわけ個性的な世界遺産として世界的に知られているんですよ。人骨堂「カペラ・ドス・オソス」があるのは、教会横の狭い通路を進んだその先。見逃してしまいそうな小さな看板が出ています。内部はドーム状の装飾が美しく幻想的な雰囲気ですが、ゴツゴツしたように見える壁は全て人骨なんです。16世紀にエヴォラを含むポルトガルで大流行したペストで亡くなった人や戦死した人の人骨で、その数約5000体にのぼるといわれています。エヴォラ歴史地区の中でも特にユニークな世界遺産です。中に入るには入場料、さらに写真を撮るなら撮影料がかかりますのでご用意くださいね。

◎まとめ

ポルトガルの代表的な世界遺産、エヴォラ歴史地区の見どころをたっぷりとお伝えしました。石造りの要塞で囲まれた歴史の深い街並みは雰囲気たっぷり。エヴォラ歴史地区へ一歩足を踏み入れれば、そこには日本では決して出逢うことのできない風景が目の前に広がります。400年以上も昔に天正遣欧少年使節団も訪れた、日本ともゆかりのある世界遺産エヴォラの街にぜひ観光しに来てくださいね。

人々が歴史と共存する美しい世界遺産の街！ポルトガル・エヴォラ歴史地区をご紹介