山西省「太原」2500年の歴史を誇る古都の観光スポット！

黄河流域の「黄河文明」が栄えた場所にあり、晋朝時代は中国の首都だったという古都「太原」。歴史スポットが数多く点在しているので、観光にピッタリな都市です。北京と洛陽という大都市の中間に位置しているので、交通インフラも充実しており観光のためのアクセスも良好なんですよ。

2500年の歴史を持った、古都らしい落ち着いた雰囲気が魅力の太原、オススメ観光スポットをご紹介します。

1.晋祠（しんし）

道教寺院「晋祠（しんし）」は山西省太原の西南にある懸甕山の観光スポットです。古代中国の芸術的建築物で、2000年に渡り修理や拡張が行われてきました。太原にある晋祠が繁栄をきわめたのは7世紀から12世紀で、その後の唐や宋の古代庭園や彫刻芸術のモデルとなっています。ほかにも元・明・清などの異なる時代の貴重な遺産が100種以上、保存されています。

なかでも聖母殿は北宋時代の中国建築を代表する歴史的建物として知られ、内部には宗教彫刻のモデルとなった人物の描写もあります。中国彫刻のパイオニアとも呼ばれ、中国の宮廷人物を彫刻にした唯一のものであることから、希少価値の高いものとなっています。中国の歴史を、芸術から感じられる観光スポット「晋祠」ぜひ訪れてみてくださいね。

2.蒙山大仏

「蒙山大仏」は太原市仏晋源区に位置する石窟大仏です。太原市文物保護に指定されている観光スポットで、大仏は北斉の時代（550年から559年）に建立されました。元朝末期になると蒙山大仏は破壊され、1980年の太原市による調査では、蒙山大仏が再発見されたものの風化が激しく、仏の体は岩に埋もれて、仏の頭は見当たりませんでした。

2007年から太原市は蒙山大仏の保護のため仏像を修繕し、太原から発掘された北斉王朝期の仏頭を参考に新しく12メートルの仏頭を製作。見事な姿を取り戻した蒙山大仏は2008年に観光客・一般向けに公開されました。その大迫力の姿を、大源観光にきたのならぜひ鑑賞してくださいね。

3.双塔寺

双塔寺は外観が「筆」に似ていることから、かつて「文筆双塔」と呼ばれていました。もともとは寺院として建てられましたが現在は博物館として営業しています。太原のシンボル的存在で、多くの観光客が訪れています。2つの塔はほぼ同時期の塔で、塔の間は60メートルあり真言密教の「16進数を以て無限とする」という意味が込められています。

太原の双塔は8角形の石積みで各階の櫓に木を一本通した構造を採用し、高い建築技術であることが分かります。塔は高さ約50メートルで13階建てとかなりの迫力。近くで見ると精巧な作りが観察できますよ。双塔寺を観光して、それぞれの塔の美しさを堪能してくださいね。

4.五一広場

太原の大型公園「五一広場」。市街の中心部に位置する、太原市民や観光客の憩いの場となっています。周辺にはその他の観光スポットが密集している場所なので、観光の合間の息抜きに訪れるのにもいいですね。

大都市に比べるとのんびりとした雰囲気が流れている太原。公園でさらにのんびりした気分になって身も心も太原の生活に浸ってみるのも楽しそう。日々のストレスを一気にデトックスできそうな「五一広場」、ぜひ観光に訪れてくださいね。

5.楡次老城

「楡次老城」は、太原市万柏林区に位置する観光スポット。西暦582年に建てられ、1400年の歴史があります。中国の伝統的なアイデアと建築様式によって建設され、古代中国建築の素晴らしさを間近に感じることができる観光スポットです。100万平方メートルの土地に60万平方メートルの建築面積がある楡次老城。エレガントで色彩豊かなデザインが多くの観光客を惹きつけています。

周囲には古い町並みなども保存・再現されており、中国の都市文化、芸術、政治などを集約した太原の観光スポット。ぜひ観光で訪れてくださいね。

6.柳巷南路

太原の「柳巷南路」は大袁家巷、右字巷、地蔵庵、麻縄巷の4つの通りを整備して1956年に完成しました。太原で最も賑やかな場所ですが、柳巷南路が開通するまでは大きくまわり道をしないといけない不便な道だったんです。柳巷南路の開通後は、北から柳巷南路の入り口までが一直線でつながり、南の迎澤大街までカンタンに行けるようになりました。流通も活発化し、太原の経済発展へとつながりました。

柳巷南路という名前には、道の両側に植えられた柳に対する思いが込められ、春は黄色い葉が、夏には風にゆらめく緑色の葉が、秋は煙のように風を受け、冬は葉のまだら模様が行き交う人を和ませる観光スポットです。太原を代表する繁華街なので、賑やかなところが好きな方やショッピングを楽しみたい方はぜひ観光に訪れてみてくださいね。

7.太原純陽宮

「太原純陽宮」は、道教の有名な寺院です。太原市の五一広場の西北に位置する観光スポットで、国家重点文物保護にも指定されています。またの名を「呂祖廟」と呼び、元の時代に建立されました。その後長い間に修復・改装・拡張が実施されました。

建物は主に呂祖殿、回廊亭、巍閣、配房、関公亭などからなり、呂祖殿は3部屋で壮大な造りをしています。殿内には「呂洞賓」が祀られ、後ろには後院が2棟あります。楼閣式の建物で高低差があり、ぐるりと回れるようになっています。後院の「巍閣」は、純陽宮の中でも最高の建築といわれ、上まで登ると市内を一望できますよ。太原の道教を代表する観光スポット。中国の宗教に興味のある方、そして素晴らしい眺めを楽しみたい方にぜひオススメしたい観光スポットです。

8.汾河二庫

「汾河二庫（ダム）」は汾河の上流をせき止めて造られ、太原郊外に位置しています。ダムは洪水の防止を目的とし、同時に市街へと水を供給しています。また灌がいと発電にも利用されています。ダムは圧縮したコンクリートによって造られ、底面に開けられたトンネルから水が流れ出ることで給水と発電を行っています。なお80万キロワットの発電が可能です。

1996年に建設が始まり、2000年から運転を開始しました。太原市の年間工業用水供給量は0.44億立方メートルで、100年に1度と言われる洪水時の水量の約1/3に対応可能です。汾河二庫によって、太原の治水技術を向上させることができました。年間の平均発電量は、2,350万キロワットで太原の生産性向上や経済発展に貢献してきました。

風光明媚な汾河二庫は観光地としても知られ、観光プロジェクトの一環として湖水ボートやラフティング、釣りなどを楽しむことができます。アクティブな方にオススメの観光スポットです！

9.崇善寺

太原市迎沢区にある観光スポット「崇善寺」。唐の時代に設立された寺院です。清の時代に火災により「大悲殿」以外大部分が失われてしまいました。その貴重さから山西省の文物保護に指定され、2013年に崇善寺の「大悲殿」は、国家重点文物保護に指定されました。現在は名実ともに太原を代表する歴史的建築物として観光客の人気を集めています。

明代以前は小さな寺院でしたが、隋の皇帝が太原を訪れたという話や、中国史上唯一の女帝「武則天」が幼いときに住んでいた場所とされるなど、数々の伝説に彩られた観光スポット。山門の右側には「宋唐遺跡」の文字が掲げられています。太原を代表する寺院、ぜひ観光で訪れてみてくださいね。

10.碑林公園

太原碑林公園は太原市浜河東路に位置する観光スポット。北園と南園があり、北園は中国の古典庭園の造園法を採り入れた中庭で碑庁・碑亭・偽山・小橋・池・碑廊・画廊からなります。南園は自然の造園法をベースにした庭園に管理室・創作ルーム・碑廊があります太原市園林局が管理し、山西省や太原に縁のある歴史上の人物の貴重な書画や骨董を展示し、山西省の伝統文化を内外に発信しています。

所蔵品の目玉といえるのは有名な古代の書道コレクション。傅山をはじめとした明代・清代の文人・書道家による418の作品が所蔵、展示も行われ観光客からも人気を集めていますよ。歴史ある本物の中国の書画を見ることができる観光スポット「太原碑林公園」をぜひ訪れてみてください。

11.聖母殿

「晋祠」の中にある観光スポット「聖母殿」。周の武王の后であり、女性ながら軍を率いて国を救ったとされる女傑「邑姜（ゆうきょう）」を祀るためにつくられました。

北宋の時代（1032年から1023年）に設立され1102年に再建されました。現存する木造最古の遺構で、中国の宋を代表する建築物です。二重構造の櫓で黄緑色の瑠璃瓦が敷かれ、高さは19メートル。古代中国の建築様式ではボリューム感があり、見ごたえがあります。中心にある聖母像の柔和な表情も素晴らしいですよ。

聖母殿は北宋の建築技術を今に伝える貴重な観光スポット。太原で北宋時代の雰囲気を味わうにはぴったりの観光地になっていますよ。

◎まとめ

太原には「晋祠」や「太原純陽宮」など数多くの歴史的建築物があり、「五一広場」や「柳巷南路」のようなショッピングも楽しめるエリア、「汾河二庫（ダム）」のようなレジャー施設などもある充実した観光にピッタリな地域です。太原は首都・北京から近いものの、日本での知名度はまだあまり高くありません。観光地化されすぎていない素朴さを残した雰囲気も魅力的。ぜひ太原観光に訪れてみてくださいね。

山西省「太原」2500年の歴史を誇る古都の観光スポット！