天井のない美術館!ベルギーの世界遺産ブルージュの歴史地区を歩こう

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天井のない美術館!ベルギーの世界遺産ブルージュの歴史地区を歩こう

九州と四国の間くらいの広さのベルギーには、世界遺産が12か所あり、ブルージュにはそのうち3つが集まっています。それも3つともブルージュ歴史地区、つまりは運河に囲まれた旧市街にあります。これからご紹介する「ブルージュ歴史地区」は2000年に、ベギン会修道院は1998年に「フランドル地方のベギン会修道院群」の1つとして、そしてマルクト広場にある鐘楼は1999年に「ベルギーとフランスの鐘楼群」の1つとして、それぞれ世界遺産に登録されました。

その景観の美しさから、天井のない美術館ともいわれるブルージュ。歴史的な建物が多く、本当の(天井のある?)美術館もたくさんあります。では、そんな世界遺産の街ブルージュのメインともいえる歴史地区をご紹介しましょう。

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天井のない美術館!ベルギーの世界遺産ブルージュの歴史地区を歩こう

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ブルージュ歴史地区とは?

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ブルージュというのは英語の読み方で、現地ではフラマン語(オランダ語)のブルッヘか、ワロン語(フランス語)のブリュージュの名で呼ばれます。港町として建設され、発展した都市ですが、海からは10km以上も離れているうえ、近くに大きな川もありません。これは、12世紀にこの地域を大津波が襲った際、その爪痕として残った溝を利用して運河を開削したことによるものです。

13~14世紀にかけてはハンザ同盟の中心都市として、とくに毛織物業などで繁栄を極めました。ところが、15世紀後半になると運河が土砂で埋まりはじめてしまい、大型の船舶は航行できなくなってしまったため、街は急速に衰退していきました。19世紀になり、中世のままで止まっていたブルージュは古い町並みが注目を集めるようになり、次第に今日のような観光都市へと生まれ変わりました。

ブルージュ歴史地区へのアクセス

ブルージュへは、ベルギーの首都ブリュッセルから鉄道で約1時間、アントウェルペンからは1時間半強ほどで着きます。ブリュッセルからの列車は30分に1本の割合で運行しているので、このルートが一般的です。

ブルージュの駅は旧市街のすぐ外にあり、マルクト広場までは歩いて20分ほどです。鐘楼が目印になるので、方向で迷うことはないでしょう。

ブルージュ歴史地区おすすめスポット①:鐘楼

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旧市街の中心マルクト広場に臨んでそびえる「鐘楼」は、ブルージュのシンボルともいえる建物。中世ヨーロッパでは、自由と権力の象徴として街の広場に高い塔を建てる流行がありました。ブルージュの鐘楼は13世紀に基礎部分が作られはじめ、完成したのは15世紀のことでした。

高さ83メートルの鐘楼には、カリヨンと呼ばれる鐘が47個もあり、その音色の美しさはベルギーでも随一といわれています。ブルージュ歴史地区を一望できる場所はこの鐘楼だけ!となれば登るしかありませんね。366段の階段はキツイですが、それだけの価値ある眺めが待っていますよ。

ブルージュ歴史地区おすすめスポット②:美術館めぐり

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自由都市ブルージュは芸術を愛し、アーティストたちを庇護したことでも知られています。有名なところでは、『フランダースの犬』でもおなじみのルーベンスや、初期フランドル派のメムリンク、ファン・エイク、ピーテル・ブリューゲルなどが挙げられます。

世界遺産ブルージュ歴史地区には、小さな美術館がいくつもありますが、なかでも有名なのが、グルーニング美術館とメムリンク美術館です。グルーニング美術館には、フランドル絵画から現代絵画まで幅広いコレクションがあり、目玉はファン・エイクの『ファン・デル・パーレの聖母子』です。メムリンク美術館にはベルギーの至宝と名高い『聖ウルスラの聖遺物箱』や『聖カトリーヌの結婚』などメムリンクの数々の作品を見ることができますよ。

ブルージュ歴史地区おすすめスポット③:聖血礼拝堂

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ブルージュの旧市街にはたくさんの教会があります。そのなかでとりわけ珍しいのが、聖血礼拝堂です。ブルグ広場の市庁舎の右隣にあり、12世紀初頭にロマネスク様式で建てられました。フランドル伯ティエリー・ダルザスが、第二回十字軍遠征の際にキリストが流した聖血をエルサレムから持ち帰ったとされ、ここにまつられています。

聖血は、金曜日のみ見学可能。毎年復活祭から40日後の昇天祭には、ブルージュ最大の伝統行事「聖血の行列」が催されます。ブルージュ市民はこの聖血とともに、厳かに街を練り歩きます。

まとめ

世界遺産ブルージュの歴史地区には、とにかく可愛い物がいっぱい!街を歩くと目につくのは、チョコレート屋さんとベルギーレースのお店の多さ。どの店もディスプレイが凝っていて、ついつい足を止めてしまいます。

運河めぐりのボートも人気で、中世の街並みを水辺から眺めるのはまた格別です。疲れたらカフェでひと休み。名物のムール貝のワイン蒸しもブルージュ観光の楽しみです。駆け足で見るのはもったいないので、せめて一泊はして、じっくり街を歩きまわりたいですね。

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